【年代別】男性の体臭の3大原因と対策方法をわかりやすく解説

最終更新日 2022年9月29日

監修:健康管理士・サプリメントアドバイザー・漢方養生指導士
望月 みどり

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「男性の体臭には、どんな原因がある?」

「男性の体臭」について知りたい理由は人によって異なります。

例えば、自分のニオイが気になる、パートナーのニオイが気になる、家族のニオイが気になる……など、さまざまな事情があるでしょう。

ただ共通するのは、

「嫌なニオイをなくしたい」
「体臭のせいで不快な思いをしたくない・させたくない」

……という願いですよね。

実は、男性の体臭は年代によって原因が異なります。原因が異なれば、当然、適切な対策も変わっていきます。

先にニオイの種類と原因に触れておきましょう。

年代 体臭 ニオイの種類 原因
20代~ 汗臭 ツンとした汗のニオイ
30代後半〜40代 ミドル脂臭 古い油のようなニオイ ジアセチル
50代〜 加齢臭 古本のような青くさいニオイ ノネナール

今回は、この3種類の男性の体臭について、原因と対策を詳しく解説します。

読み進めていただくと、「自分が悩んでいた体臭の原因はコレだ!」と納得したうえで、適切な対策を取ることができるはず。

そうすれば、困った体臭をケアして、前向きな一歩を踏み出すことができます。では、さっそく見ていきましょう。

加齢臭(50代以降の男性の体臭)の原因と対策

最後に、40代以降に増えてくる「加齢臭」について解説します。

加齢臭は、「古い油やろうそくのような青くさいニオイ」「古本のニオイ」「古いポマードのニオイ」などと形容されるニオイです。

1-1. 加齢臭の原因

加齢臭の原因となっている物質は「ノネナール」です。

ノネナールには、脂くさく青臭いニオイがあり、これが加齢臭のニオイのもととなっています。汗臭やミドル脂臭とは明らかに異なる独特なニオイです。

人によっては「幼少期に自分をかわいがってくれた祖父を思い出す」という人も。いわゆる「おじいちゃんのニオイ」としてイメージされるのが、ノネナールのニオイです。

ノネナールが生成されるメカニズムとしては、加齢とともに皮脂の中には「9-ヘキサデセン酸」という脂肪酸や活性酸素に よって酸化された「過酸化脂質」が増えてきます。

9-ヘキサデセン酸が肌の上で過酸化脂質によって酸化分解されると生成されるのが、ノネナールです。

加齢臭を対策する上では、ノネナールの除去がカギを握ります。

1-2. 加齢臭の対策

加齢臭の原因であるノネナールは、皮脂中の成分から生成されます。つまり、加齢臭対策するためには、皮脂のケアを適切に行う必要があります。

皮脂は全身に分布していますので、加齢臭は体中のどこからも、発生する可能性があります。

なかでも、特に多く見られるのが皮脂腺(皮脂の出口)が多い箇所です。

  • 頭皮
  • 耳の裏
  • 背中

…などが、加齢臭が特に強くなりやすい部位といえるでしょう。

そこで、頭皮をしっかり洗うこと、洗顔をすること、シャワーを浴びたら耳の裏まできちんと洗うこと……など、加齢臭が強くなりやすい部位を中心に、肌を清潔に保つことを心掛けましょう。

皮脂はいわば「アブラ汚れ」ですから、ただシャワーのお湯をかけたくらいでは、落とすことができません。

シャンプーやボディソープなどをきちんと使用して、皮脂の洗浄を意識して行うことが大切です。

頭皮の洗い方は、先ほど「2-2. ミドル脂臭の対策」でご紹介した正しいシャンプーの方法を参考にしてください。

体の皮脂を洗浄する際には、ポリフェノール配合のボディーソープや石けんを使うのもおすすめです。

特に、加齢臭に効果のあるポリフェノールとしては、柿渋から抽出したカキタンニンや緑茶から抽出したカテキンが有名です。

カキタンニンやカテキンが配合されたボディーソープを選んでみましょう。

ノネナールにはポリフェノールが有効であることがわかっています。ポリフェノールには、活性酸素の発生やその働きを抑制する抗酸化作用があるといわれているからです。

ポリフェノールを多く含むものとして、ブルーベリー、大豆、ゴマ、そば、緑茶などがあります。

脂質の多い肉類やマヨネーズ、バターなどの脂っこい食べ物を控えて、抗酸化作用のあるビタミンCやビタミンEを豊富に含む野菜や果物をしっかり取りましょう。

近年注目されているポリフェノールには、ブルーベリーなどに含まれるアントシアニン、大豆に含まれるイソフラボンやサポニン、ゴマの成分が変化してできるセサミノール、そばに含まれるルチン、緑茶のカテキンと発酵茶(紅茶・ウーロン茶など)のテアフラビンの総称であるタンニンなどがあります。

引用:厚生労働省

こちらの記事も併せてごらんください
本気の加齢臭対策で嫌なニオイを抑え込む!すぐ実践できる15の方法

ミドル脂臭(30代後半〜40代男性の体臭)の原因と対策

次に、30代後半〜40代の男性に多い体臭の原因が「ミドル脂臭」です。

ミドル脂臭は「古い油のようなニオイ」と形容されることが多いニオイです。

アラフォー世代のパパで、子どもに「パパの頭、クサイ!」といわれたら、それはミドル脂臭かもしれません。

2-1. ミドル脂臭の原因

ミドル脂臭の原因は、「ジアセチル」という物質です。

ジアセチルは、頭皮から出る汗に含まれる乳酸が、頭皮の表面に存在するブドウ球菌によって分解されることで発生します。

つまり、ミドル脂臭は「頭皮の嫌なニオイ」と言い換えることができます。

ミドル脂臭を発見したのはマンダムですが、マンダムによればジアセチルは早ければ20代から発生し、加齢と共に増加して40歳を中心に発生量がピークになるそうです。

頭皮には皮脂の出口である「皮脂腺」が多く存在し、かつ髪の毛によって蒸れやすいという特徴があります。

発生した嫌なニオイが、増大しやすい環境が整っているのです。

2-2. ミドル脂臭の対策

ミドル脂臭の対策としては、頭皮のジアセチルをしっかり洗浄することが重要です。

ジアセチルは頭皮の皮脂に混ざっていますので、具体的には「頭皮の皮脂」を除去するシャンプーが有効です。

シャンプーを選ぶときには、以下のような表記のあるシャンプーを選んでください。

  • ミドル脂臭対応
  • 頭皮のアブラを除去
  • 毛穴の中までキレイに

さらに、「正しい洗い方」で洗うことも重要です。

ミドル脂臭を除去するために効果的なシャンプー方法をご紹介します。

2-2-1. (1)お湯だけで予洗いをする

シャンプー剤をつける前に、まずはシャワーのお湯だけで頭皮全体を予洗いします。

頭皮に付着している皮脂は「油汚れ」ですから、お湯をかけることで柔らかくなり、浮かび上がってくるのです。

毛穴の中に詰まっている皮脂を、お湯で浮き上がらせるイメージで、頭皮の隅々までシャワーのお湯を行き渡らせてください。

2-2-2. (2)シャンプーを手のひらで泡立てる

次に、シャンプー剤を一度手のひらに取り、両手のひらをこすりあわせるようにして泡立てます。

シャンプー剤を直接頭髪につけて、髪の毛で泡立ててしまうと、本来の洗浄力を発揮できません。

また、使うシャンプーの量は、パッケージに記載されている通りの量を使うようにします。

ケチって少なくすれば洗浄力が落ちてしまいますし、多く使いすぎても、すすぎ残しの原因になります。

2-2-3. (3)頭皮を絞り出すように洗う

泡立てができたら、いよいよ洗浄の工程に入ります。

ここで確認したいのは、ミドル脂臭を除去するために洗いたいのは「髪の毛」ではなく、「頭皮に付着している皮脂」という点です。

つまり、シャンプー剤で洗うべき対象は「頭皮」です。

爪を立てずに指の腹を使って、頭皮全体を洗ってください。

指を前後左右にジグザグに動かしながら全体を洗ったら、頭皮の毛穴の中に入り込んだ皮脂を絞り出すイメージで、ギューッと指先に力を入れて汚れを押し出しましょう。

2-2-4. (4)洗浄時間の2倍の時間をかけてすすぐ

頭皮が十分に洗えたら、洗浄にかけた時間の2倍の時間をかけて、十分にすすぎます。

絞り出した汚れを落とし切るための大切なステップです。

ここをおろそかにすると、せっかく浮き出た汚れが、頭皮に残ることになります。

そのうえ、シャンプー剤が頭皮に残ると、頭皮の環境に悪影響を与え、さらにミドル脂臭がひどくなる原因にもなります。

すすぎ終えたらタオルで水気を拭き取り、ドライヤーで素早く乾燥させます。

濡れたままにしておくと、ニオイが悪化しやすいのでご注意ください。

汗臭(20代〜30代男性の体臭)の原因と対策

まずは「汗臭」から解説しましょう。

汗臭は、いわゆる「汗のニオイ」と形容される、ツンとした酸っぱいニオイが特徴です。

汗臭による体臭は、10代〜30代まで、幅広い年齢の男性に見られます。

3-1. 汗臭の原因

汗臭の原因は、簡単にいえば「汗が臭うこと」ですが、汗には2種類あります。

全身にある「エクリン腺」から出る汗と、ワキ・性器・耳の後ろなどに多い「アポクリン腺」から出る汗です。

エクリン腺もアポクリン腺も、「汗腺」の名称になります。汗腺とは簡単にいえば汗の出口です。

私たちの汗は、エクリン腺またはアポクリン腺の、どちらかの出口から出てきます。

エクリン腺から出る汗は、水っぽくサラサラとしています。エクリン腺から出る汗には、強いニオイはありません。

しかし、体内の環境が乱れると、悪玉菌が増加します。すると、肝臓は汚れた血液を全身に送るようになります。

その結果、本来サラサラした汗が、ドロドロした汗になり、ニオイの原因となることがあります。

アポクリン腺から出る汗は、白っぽく濁っていて、脂質やタンパク質などを含んでいます。

アポクリン腺から出る汗には、ニオイのもととなる成分が多く含まれているのです。

アポクリン腺が誰にでもありますが、数が多かったりサイズが大きかったりすると、「腋臭症」となり、病院での治療の対象となります(いわゆるワキガです)。

3-2. 汗臭の対策

汗臭の対策は体内対策と体外対策があります。

まず、体内対策としては、腸内環境を整える、体外対策としては細菌の繁殖を防ぐです。

エクリン腺から出る汗も、アポクリン腺から出る汗も、汗をかいたまま放置すれば、時間の経過とともに雑菌が繁殖して、嫌なニオイが強くなってしまいます。

汗をかいたら、携帯用のボディーシートや濡れタオルなどで、汗を拭き取るようにしましょう。

また、アポクリン腺から出る汗は、汗自体が嫌なニオイを持っています。そこで、汗自体が出ないように対策することが有効です。

汗を抑える効果のある「制汗剤」を、アポクリン腺が多く分布するワキに塗ると、ニオイが軽減できます。

なお、制汗剤を適切に使い、肌を清潔に保っているのに強いニオイが消えない場合、腋臭症の可能性があります。一度、専門医の診断をあおぐことをおすすめします。

その他に考えられる男性の体臭の原因と対策

さて、ここまで年代別に、男性に多い3つの体臭の原因と対策をご紹介してきました。

  • 20代〜30代:汗臭
  • 30代後半〜40代:ミドル脂臭
  • 50代〜:加齢臭

ただ、体臭には、さまざまな種類があります。なかにはこの3つに当てはまらない方もいるかもしれません。

他に体臭の原因として考えられるものには、以下があります。

種類 原因 対策
①ワキガ臭 アポクリン腺 清潔に保つ/アポクリン腺を除去する
②口臭 舌苔(ぜったい) 舌苔を除去する
③加齢臭 ノネナール 皮脂を抑える
④頭皮臭 ジアセチル 頭皮の皮脂を洗浄する
⑤足のニオイ イソ吉草酸 靴内の通気性を良くする
⑥汗臭 汗に残った余分な成分 汗をかく習慣
⑦ダイエット臭
(飢餓臭)
ケトン体 バランスの良い食事
⑧ストレス臭 皮膚ガス ストレスの除去、リラックス
⑨疲労臭 アンモニア 疲労回復
⑩病気による体臭 病気 病気の治療

これらについて詳しくは「体臭の原因とは?10種類のニオイ別に原因と対策を分かりやすく解説」にて解説しています。あわせてご覧ください。

まとめ

男性の体臭の原因と対策をまとめると、以下の通りです。

年代 体臭 ニオイの種類 原因 対策
20代〜30代 汗臭 ツンとした汗のニオイ かいた汗を放置しない汗を抑える制汗剤を使用する
30代後半〜40代 ミドル脂臭 古い油のようなニオイ ジアセチル 頭皮の皮脂を正しいシャンプーで除去する
50代〜 加齢臭 古本のような青くさいニオイ ノネナール 肌を清潔に保つポリフェノールを取り入れる

男性の体臭は、年代によって原因が異なっています。まずは、自分の年代に合わせた対策を取り入れることが大切です。

その上で、効果が見られない場合には、さらに対策グッズをプラスしたり食生活を見直したりして、プラスアルファの対策を試してみてください。

体臭の対策は、ひとつではなく、複数組み合わせて行うことで相乗効果を発揮できます。

ニオイに対する不安がなくなれば、日々を快適に過ごすことができますね。ぜひ、できることから一歩ずつ、試してみてください。

監修

健康管理士・サプリメントアドバイザー・漢方養生指導士 望月 みどり