女性の中年太りはなぜ起こる?中年太りの原因と解決策を紹介

最終更新日 2024年6月20日

監修:望月みどり プロフィールを見る >
漢方養生指導士・健康管理士・サプリメントアドバイザー
多くの女性メディアにて執筆活動を行い、ミドルエイジからのダイエット法や、自分に合ったサプリメントの選び方など、幅広い知識と経験に基づいた情報を発信。
⻑年にわたり女性の健康と美しさに寄り添っている。
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久しぶりに会った高校時代の同級生。

スタイルの良かった彼女が、二重あご、プニプニの二の腕、ポッコリお腹の三拍子そろった中年太りのおばさんになっていた、というのはよくある話です。

加齢に伴い、ダイエットや運動をしても効果が実感できない、食事の量は変わらないのに太ってくる、という経験をした方も多いのではないでしょうか。

ですが、もう年だから仕方ない、とあきらめないでください。

ここでは、中年太りの原因や解決策などをご紹介します。

中年太りの原因

中年太りは老化現象のひとつです。年齢を重ねると、身体の機能が衰えてきます。

白髪が増えたり、文字を読むときにピントが合わなくなってきたり、睡眠が浅くなってきたりするのと同じように老化のサインと考えられます。

加齢とともに太りやすくなる一番の原因は、基礎代謝の低下にあります。

基礎代謝の低下

基礎代謝とは、呼吸をする、心臓を動かす、体温を保つ、などの生命を維持するために必要なエネルギーのことです。

一日に消費するエネルギー量のうち、家事や労働、運動などの身体活動で消費するエネルギー量は全体の30%ほどに過ぎず、実に約60%のエネルギーを基礎代謝で消費している言われています。

そのため、基礎代謝の低下は消費エネルギー量の減少につながります。

基礎代謝量には、体の組成すなわち筋肉と脂肪の比率が大きく影響していて、加齢に伴って基礎代謝量が低下する理由の一つに筋肉量の低下があげられます。

筋肉では体全体の約2割のエネルギーが消費されていて、脳や肝臓とともに多くエネルギーを消費するからです。

基礎代謝の年齢ピーク

女性は授乳期のたくわえとして皮下脂肪がつきやすいため、一般に男性に比べ女性の方が筋肉量が少なく、基礎代謝量が低い傾向にあります。

さらに、女性の基礎代謝量は12~14歳をピークに徐々に低下していきます。

中年太りに限らず、食事で摂取したエネルギーが消費するエネルギーを上回ると、余分なエネルギーを体に蓄えることになり太ってしまいます。

基礎代謝によるエネルギー消費量が減っているにも関わらず、10~20代と同じような感覚でジャンクフードや甘いお菓子を食べたりしていると、知らず知らずのうちに余分なエネルギーが体に蓄えられてしまい、食べる量は同じなのに太る、という状況に陥ります。

女性の中年太りの原因

女性の中年太りの原因は基礎代謝の低下だけではありません。

更年期による女性ホルモンのバランスの乱れなどが大きく影響を及ぼします。

更年期障害

女性の「更年期」は閉経前後の約10年間のことをいいます。

個人差がありますが、日本人女性の場合は閉経が50歳前後といわれており、一般的には45~55歳の時期が更年期にあたります。

この時期にみられる様々な体調の不良や情緒不安定などの症状を更年期障害とよびます。

更年期障害は、女性ホルモンのひとつである「エストロゲン」の分泌量が急激に減少することで引き起こされます。

更年期の主な症状として、急な汗やのぼせ(ホットフラッシュ)、イライラ、不安感、無気力、肩こり、めまい、頭痛などが挙げられます。

エストロゲンは、8~9歳ごろから急増し、20代で高い分泌量をキープした後、30代後半から減り始め、45歳ごろから急激に減少します。

現在では、20~30代でも、更年期に見られるような体の不調を訴える女性もいます。

「プチ更年期」や「プレ更年期」と呼ばれていますが、ストレスが増えたりや不規則な生活が続いたりすると自律神経がバランスを崩してエストロゲンが減るため、更年期のような症状が現れると言われています。

エストロゲンの減少

エストロゲンは脂肪の燃焼を促す働きも持っているため、更年期にエストロゲンの分泌量が減ると、脂肪が燃焼しにくい体になり、内臓脂肪を貯め込みやすくなるのです。

また、エストロゲンには脳の満腹中枢を刺激する働きがあり、更年期以降の女性はその刺激が減る分、過食に陥りやすくなるとも言われています。

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年代別女性の中年太り対策

中年太り対策といっても、実は年代別に重視すべき点が異なります。

ここでは、年代別女性の中年太り対策を見ていきましょう。

30代女性の中年太りの原因は基礎代謝の低下

10~20代はたくさん食べても太らず、ダイエットしてもすぐ痩せたのに、30代になってから痩せにくくなった、という方も多いのではないでしょうか。

30代女性が太るのは、基礎代謝の低下が主な原因です。

また、10~20代に比べると活動量が低下することも組み合わされて、エネルギー消費量が減ってしまうため、同じように食べていると太ってしまうのです。

20代までは、食事をちょっと制限するだけでもダイエットは成功しますが、30代以降はそうはいきません。

30代になって食事制限だけで痩せようとすると、筋肉が減ってしまい逆に痩せにくい体質になってしまいます。

また、30代になると仕事も忙しくなり、食生活が不規則になってしまうということもあります。

朝食を抜いてしまったり、太りやすい時間に食べてしまったりなど食べる時間が不規則になってしまうケースや、偏った食事で栄養バランスが悪く、エネルギをうまく使えないために、脂肪としてため込んでしまっているケースもあります。

30代女性が太りにくくて痩せやすい体を手に入れるためには、運動や食事に気をつけて基礎代謝を少しでも上げることが大切です。

有酸素運動と食事制限

基礎代謝を上げるには、有酸素運動と軽い筋トレが効果的です。

有酸素運動とは、酸素を使って体内の糖・脂肪をエネルギーに変える、筋肉への負荷が比較的軽い運動のことです。

ウォーキングやジョギング、水泳、ヨガ、サイクリングといった運動が代表的なものとして挙げられます。

参照:e-ヘルスネット

有酸素運動をある一定の時間続けると、体は脂肪をエネルギー源として消費するようになります。

そのため、血液中のLDLコレステロール、中性脂肪や体脂肪の減少が期待できます。

ウォーキングをする前に、スクワットや腹筋のように簡単な筋トレを行うとより効果的です。

筋トレで脂肪がさらに燃えやすい状態になるうえ、筋肉をつけることで基礎代謝も上がります。

リンゴダイエット、キャベツダイエットなどといった単品ダイエットや、サラダだけ、などのバランスが悪い極端な食事制限は、太りやすい体になるおそれがあります。

筋肉の材料となるタンパク質、代謝に欠かせないビタミンやミネラルなどの栄養素をバランスよく取ることも大切です。

痩せるために行っている食事制限が、逆に太りやすい体を作っていることにもなるため、ご注意ください。

40代女性の中年太りの原因はホルモンバランスの乱れ

40代女性は仕事や家事、子育てに大忙し。

運動したくても時間が取れない、ストレスがたまる、ぐっすり眠れない、など心身ともに疲れ果てている方も多いのではないでしょうか。

40代女性の中年太りの原因は、ホルモンバランスの乱れが大きく関係しています。

体の中には100種類以上のホルモンが体と心の健康のために働いています。

例えば、寝ている間に体をメンテナンスしてくれる「成長ホルモン」、睡眠を誘い、免疫力を高めてくれる「メラトニン」、ストレスを緩和し、幸せな気分にしてくれる「セロトニン」、女性のための美肌ホルモンである「エストロゲン」などがあります。

成長ホルモンの分泌量は、20歳ごろにピークを迎え、40歳ごろになるとピークの半分、60歳ごろになると、およそ4分の1に減少します。

エストロゲンの分泌量も20代は高い状態でキープするものの、30代後半から減り始め、45歳ごろから急激に減少するのです。

睡眠

睡眠不足や眠りの質の低下も中年太りの原因になります。

睡眠不足になると、睡眠中に多く分泌される成長ホルモンの分泌量が減り、代謝が低下して太りやすくなってしまうのです。

また、睡眠中には食欲抑制効果のあるホルモン「レプチン」が分泌されます。逆に睡眠不足になると、食欲を増進させるホルモン「グレリン」の分泌が増えます。

アメリカの研究では「睡眠時間が7~8時間の人に比べて、少ない睡眠時間の人は、より肥満になるリスクが高くなる」というデータがあります。

「5時間以下の睡眠時間だと太りやすくなる」「寝すぎも太る」という実験データも発表されているようです。

中年太りを解消するために、睡眠時間は7時間程度は欲しいと言えるでしょう。

参考:NIH(アメリカ国立衛生研究所)

咀嚼(そしゃく)

「早食いは太る」と、よくいわれます。その理由の一つに噛むことと消費エネルギーの関係があります。

「食事誘発性体熱産生(DIT)」といい、食べ物を食べて消化・吸収するためにエネルギーを消費します。

ゆっくりよく噛んで食べた方が、食事誘発性体熱産生が大幅に増えることがわかっています。

1回の食事の後に消費されるエネルギーはさほど多くはありませんが、食事のたびに消費されることを考えれば、決して少なくはありません。

また、時間をかけてよく噛んで食べると「満腹中枢」が刺激され、食欲を抑制する効果のあるホルモンが分泌されるので食べ過ぎを防ぐことができます。

よく噛むことによって幸せホルモンであるセロトニンの分泌が増えるため、気持ちがリラックスし、自律神経の調整にも効果的です。

参考:JMIR Publicatinos

食事の際は、一口30回ぐらい噛むのが理想と言われています。

炭水化物を避ける

炭水化物はエネルギー産生栄養素(三大栄養素)のひとつで、エネルギー源となる重要な栄養素です。

ご飯やパン、麺類などの穀類やイモ類などに多く含まれています。

食物として体内に取り入れられた後エネルギーとして利用されますが、消費されずに余った糖は中性脂肪として体に蓄えられます。

炭水化物は体内で分解されて、ブドウ糖として血液中に取り込まれます。血液中に糖が大量に入ってくると、血糖値は急上昇します。

急に血糖値が上がると「肥満ホルモン」とも呼ばれるインスリンが大量に出て糖をため込もうと働き、太る原因になるのです。

主食として食べるご飯やパン、うどん、パスタなどの炭水化物には、糖質がたくさん含まれています。

つい食べ過ぎてしまいがちですが、中年太りを防ぐには炭水化物の摂取量を減らすのが一番のポイントです。

50代女性の中年太りの原因は閉経による男性化

日本人女性の閉経は、一般的に50歳前後といわれています。50代女性の中年太りは、閉経による男性化が原因の一つです。

閉経すると、女性ホルモン「エストロゲン」が分泌されなくなります。

女性ホルモンがあることで、抑えられていたコレステロール値が上昇し、基礎代謝の低下も重なって太りやすくなるのです。

また、女性ホルモンが分泌されなくなったことで、男性がかかりやすい動脈硬化などの病気になるリスクが高まります。

「男性化」という表現は、動脈硬化のリスクが男性とほぼ同じになるという意味だと言えるでしょう。

運動

運動はスポーツジムへ行き、スポーツウェアに着替えなければできないわけではありません。

若いころと比べて身体能力が落ちているため、急にハードな運動を始めると、怪我や関節・腰を痛めることにもなりかねません。

毎日20分のウォーキングやストレッチをコツコツ続けることで、自律神経はスムーズに働き、血液もサラサラ流れるので身体が若返ります。

運動ができない場合は、エスカレーターやエレベーターを使わずに階段を利用する、歯を磨く時につま先を上げ下げ、テレビを見ている間は膝をしっかり閉じて座る、など少し意識をすれば、十分トレーニングになります。

日常生活の中で運動量を増やす工夫をしてみるのもいいでしょう。

タンパク質摂取

タンパク質が不足すると、肌や髪にツヤがなくなり、痩せにくくなります。

タンパク質は、体を作る構成成分であるだけでなく、ホルモンや酵素、免疫物質などの原料としても欠かせません。

食事制限中であっても必ず摂取しなければならない栄養素のひとつです。

タンパク質が不足すると、体を構成するタンパク質を分解して不足分を補おうとするため、筋肉が落ち基礎代謝が低下してしまい、体力や免疫力も落ちてしまいます。

肉類、魚介類、豆、大豆製品、卵、乳製品などタンパク質が多く含まれる食品を積極的に摂りましょう。

中年太りを解消するには

中年太りを解消するには、運動による基礎代謝の向上と、炭水化物を避け、タンパク質を摂取することが挙げられます。

運動による基礎代謝の向上

有酸素運動を続けると、脂肪が燃焼しやすい体になり、自律神経がメリハリよく機能するようになります。

その結果、血液はサラサラ流れ、新陳代謝が良くなって基礎代謝が向上します。

基礎代謝を上げるためには、筋肉量を増やすことが不可欠で、そのためにも毎日欠かさず運動することが大切です。

炭水化物を避けタンパク質の摂取

中年太りの原因は、「基礎代謝の低下」、「糖質の摂りすぎ」、「ホルモンバランスの変化」です。

炭水化物の摂りすぎを避け、良質なタンパク質を積極的に取ることが大切です。

また、エネルギー代謝には、さまざまなビタミン、ミネラルが不可欠です。

ビタミンやミネラルが不足すると、食べたものをエネルギーに変えることができず、炭水化物を摂りすぎなくても糖が余ることになってしまいます。

バランスの良い食事を心がけることが大切です。

40代以上の中年太り解消に注目を浴びている成分 石蓮花とは

中国の山奥にある小さな村には100歳以上の人が81人住んでおり、最高齢は120歳です。

太らずに長生きできる理由を調べてみると、幻の花・セキレンカを食していたことが判明しました。

3年に1度しか花が咲かない「セキレンカ」は糖質にアプローチし、食前に摂取すると、血糖値の上昇を防ぐ効果が認められています。

血糖値上昇を抑えることは中高年のダイエットには欠かせない対策と言えるでしょう。

石蓮花はサプリメントでの摂取がおすすめですが、希少価値が高く入手困難なこともあり 別名、幻糖花末とも呼ばれています。

監修

漢方養生指導士・健康管理士・サプリメントアドバイザー 望月 みどり

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