50代こそ綺麗に痩せたい!50代女性のダイエットを成功させる方法

最終更新日 2024年3月22日

監修:漢方養生指導士・健康管理士・サプリメントアドバイザー
望月 みどり

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「50代になって昔のように痩せられなくなった。ダイエットしても全然体重が落ちない…」

「50代に効果的なダイエットは?食べている量は変わらないのになぜか太ってしまう」

50代に入った途端、多くの方が “何をしても痩せられない” と焦っているのではないでしょうか。

50代のダイエットがなかなか成功しないのには、以下の3つの理由があります。

50代のダイエットが難しい3つの理由
①更年期による女性ホルモンの低下 女性ホルモンは脂質の代謝にも関わっていて、更年期になって機能が低下すると脂肪が燃焼しにくくなる
②基礎代謝の低下 基礎代謝の低下によって1日の消費カロリーが減少するため、以前と同じ食事量では消費されない脂肪が体に蓄えられてしまう
③加齢による筋肉量の低下 筋肉量の低下は基礎代謝のさらなる低下を招いて、太りやすくなってしまう

このように、50代からは痩せるための体の機能が低下してしまうため、40代までと同じ食事や運動だけのダイエットでは十分な効果を得られなくなってしまうのです。

そこでおすすめしたい、50代に効果的なダイエットは次の通りです。

50代に効果的なダイエットは
食事・運動・サプリメントの3つを組み合わせたダイエット

ここでポイントなのは、50代からは「激痩せ」を目指さないことです

というのも、女性ホルモンが低下している時期に、激痩せを目指して食事を極端に減らしたりすると、肌が荒れ、シワやたるみが増えて老け見えしたり、健康まで害してしまうリスクがあるからです。

50代からのダイエットのテーマは、無理なく痩せて、60代、70代になっても「太りにくい体」を作ることだと考えましょう。

この記事を読むと
こんなことがわかります
  • 50代に効果的なダイエット法とはどんなものなのか
  • 50代のダイエットで激痩せを目指すことによる落とし穴
  • 50代からのダイエットに効果的なサプリメントとは
  • 50代のダイエット中の食事で徹底すべきポイント
  • 50代が自力で行えるダイエットに効果的な運動

この記事を読めば、50代の今、これまでのようなツラい食事制限に耐えることなく、健康的に痩せて、その体型を維持する方法がわかります。

これまで様々なダイエットを試したという人、いつも食べたいものを我慢している…という方にも耳寄りの内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

【50代のダイエット】難しさの背景にある3つの要因

食事を減らしたり運動をしたりするだけで前は痩せられたのに、50代に入ってお腹の肉が落ちない、体重も全然減らない、一体どうして…?

こんな悩みを抱えている方に向けて、まずこの章では、50代のダイエットを難しくさせる3つの要因を解説します。

50代のダイエットを
難しくさせる3つの要因
  • 更年期による女性ホルモンの低下
  • 基礎代謝の低下
  • 加齢による筋肉量の低下

背景にある理由を知って、40代までの頃とは違う自分の体への理解を深めるところからはじめましょう。

1-1.更年期による女性ホルモンの低下

更年期に伴う女性ホルモン「エストロゲン」の低下は、50代女性のダイエットを成功しにくくさせる要因の1つです。

※更年期とは、閉経の5年前〜5年後までの10年間のことで、女性ホルモン「エストロゲン」の急激な減少によって心身にさまざまな不調が見られることが多くあります。

このエストロゲンには、脂肪を燃焼させ、コレステロールの生成を抑制する重要な働きがあります。

50代になると更年期に伴いエストロゲンの分泌量が急激に減少することから、これまでより痩せにくい体質へと変化してしまうのです。

エストロゲン(女性ホルモン)の減少が
50代のダイエットに及ぼす影響

エストロゲンは、女性らしい体づくりや、肌や髪の潤いを守るなど、女性の体全体の健康と美を支える女性ホルモンです。

50代になると、エストロゲンの分泌量が急激に減少しているのがわかりますね。(下図)

※更年期の年齢には個人差がありますが、日本人女性のほとんどは45歳〜55歳ごろです。更年期の症状にも個人差があり、まったく不調を感じない人もいます。

このエストロゲンの低下によって、今までエストロゲンによって調節されていた下記のような機能がうまく働かなくなります。

  • 脂肪の燃焼を促進する
  • コレステロールの生成を抑制する
  • 脂肪や糖の代謝を助ける
  • 筋肉の成長作用

そのため、従来のダイエット方法では満足のいく結果を得にくくなるのです。

※なお、同様の現象は50代以降の男性にもみられます。加齢によって筋肉を強くする​​男性ホルモン「テストステロン」が低下することにより、脂肪が燃焼しづらくなり、太りやすくなる傾向があるのです。

1-2.基礎代謝の低下

50代の方が痩せにくい2つめの要因は、加齢による基礎代謝の低下です。

基礎代謝とは、人が生命活動を維持するのに必要なエネルギーのこと。

わかりやすくいうと、息をする、眠る、体温を維持する、といった最低限必要な活動で消費されるカロリーのことです。

50代になると、この基礎代謝量が落ちることによって1日に消費されるカロリーが減少するため、太りやすく、痩せにくい状態になってしまいます。

基礎代謝の低下が
50代のダイエットに及ぼす影響

基礎代謝が低下すると太りやすくなるのは、代謝が落ちて1日の消費カロリーが減少するため、消費されない脂肪が体に蓄えられてしまう​​からです。

生命維持に必要な最小限のエネルギーである「基礎代謝」は、何もしなくても消費されるエネルギーと言い換えることができます。

基礎代謝量が高ければ、摂取したカロリーは自然に消費されますが、基礎代謝量が低い場合、消費されなかったカロリーは余剰分(=脂肪)として体内に蓄えられてしまいます

下表をご覧ください。

出典: 加齢とエネルギー代謝​​|e-ヘルスネット(厚生労働省)

10代では、体を作り上げるためのエネルギーが必要であるため、基礎代謝量は高いです。

20代半ばに入ると、ある程度体が出来上がると成長の為のエネルギーは必要なくなり、基礎代謝量は下がり始めます。

さらに年齢を重ねていくごとに細胞が生まれ変わるサイクルも遅くなり、よりエネルギーを必要としなくなって基礎代謝量は減っていきます。

女性の基礎代謝量を見ていただくと、30~40代で1,150kcalなのに対し、50~60代では1,100kcalまで低下しているのがわかりますね

50代になって「今までと食事内容変えてないのに太った」というのは、基礎代謝の低下で、それまで通りの食事量が消費されないため、余剰分が体内に蓄えられてしまうことが原因です。

つまり、50代のダイエットを成功させるには、基礎代謝を高めて、脂肪を燃焼しやすい体作りをめざすことが重要になります。

1-3.加齢による筋肉量の低下

加齢によって筋肉量が低下することも、50代のダイエットの成功を遠ざけてしまう理由のひとつです。

筋肉が消費するエネルギーは、基礎代謝の約2割を占めるといわれます。

筋肉量が減ると、それに伴って消費エネルギーも減ってしまい、基礎代謝の低下に拍車をかけて太りやすくなってしまうのです。

筋肉量の低下が
50代のダイエットに及ぼす影響

筋肉量が低下すると痩せにくくなるのは、筋肉量に比例して基礎代謝も落ちてしまうためです

基礎代謝量が低下すると、それまで(40代まで)は消費されていたカロリーが余剰分(脂肪)となって体内に蓄えられてしまいます。

50代は、日常的に消費するカロリーが減少する上に、体を動かしたり、運動をしたりする機会も減っていく年代です。そこに加齢による衰えも加わって、筋肉量が減っていきます。

下図の日本老年医学会が発表している、上肢、体幹部、下肢、全身の「筋肉量の変化」のグラフからは、男女いずれも40代をピークに筋肉量が格段に減少しているのが分かります。

出典: ​​日本人筋肉量の加齢による特徴|老年医学会雑誌第47巻1号​​​​

一般に、同じ体重でも筋肉が多い人の方が、基礎代謝が高くなり消費するエネルギーも多くなります。

筋肉の量が多く、基礎代謝が高い人ほど太りにくい傾向にあるのです。

※主な例であり該当しないケースもあります。

筋肉量は40代ごろから年々減っていくため、50代になって、日常的に体を動かす習慣がなければ、その分、今までより脂肪が増えやすくなってしまいます。

50代の体質変化を乗り越えるダイエット成功の秘訣

「今まで通りのダイエットでは痩せられないことはわかったけど、ではどうすればいいの?」

「体質が変化した50代はダイエットをしても無駄っていうこと?」

こんな疑問をお持ちの方がいるかもしれませんが、50代のダイエットは決して無駄ではありません。

ただこれまで通りの、食事を減らすだけ、運動量を増やすだけ、といった方法では良い効果が望めないのです。

40代までとは体が変わっていく50代。だから、ダイエットも変えなくてはなりません。

成功の秘訣​​は2つ挙げられます。

50代のダイエット|成功の秘訣
  • 50代からは「激痩せ」を目指さない
  • 食事・運動・サプリメントの3つを併用することで負担を抑えてラクに痩せる

それぞれ解説します。

2-1.50代からは「激痩せ」を目指さない

50代からのダイエットでは、「激痩せ」を目指さないでください。

女性ホルモンが減少している時期に食事を極端に減らすと、肌が荒れ、シワやたるみが増えて老け見えしたり、健康まで害するリスクがあります。

食事の量を極端に減らしてしまうと、筋肉や肌の材料となるタンパク質、体調管理に欠かせないビタミン、ミネラルも不足してしまいます。

そのため、せっかく体重を落としても、心身にさまざまな不調があらわれかねないのです。

また、ビタミン、ミネラルは代謝活動をサポートする補酵素としても働くため、さらに基礎代謝はおちて痩せにくい身体になってしまいます。

一旦は減量できても、食事を元に戻すとリバウンドしたり、食べ過ぎてもいないのにダイエット前より体重が増えてしまうケースも少なくありません。

若いころの体重に一挙に戻そうと「激痩せ」を目指すと、「痩せて綺麗になる」という目標からかえって遠ざかってしまうのです。

2-2.食事・運動・サプリメントの3つを併用することで負担を抑えてラクに痩せる

50代ダイエットの成功の秘訣として特におすすめしたいのは、食事・運動・サプリメントの3つを併用することです。

バランスの良い「食事」、適度な「運動」に、「サプリメント」を組み合わせることで、無理なく痩せて、将来的にも「太りにくい体」を作ることができます。

【なぜサプリメントが効果的なのか】

食事制限や運動による減量はダイエットの代名詞ですが、そこにサプリメントを加えることに大きな意味があります。

サプリメントは、痩せにくい50代のダイエットの頼れる味方として、大きな役割を果たします。

年齢と共に食事からの吸収率が低下する、代謝を促進する栄養素を補ってくれるからです。

特に、ビタミンやミネラル、必須脂肪酸などの栄養素は、健康的な体重管理や代謝の促進に役立ちます。

食事制限や運動に比べて手軽で、無理なく続けられるというメリットもあります。

食事、運動、そしてサプリメントを組み合わせることで、代謝を改善し、健康的に体重をコントロールして、リバウンドしにくい体が手に入るのです。

若い頃と同じように痩せることが、今のあなたを素敵に見せるわけではありません。

50代からは、人生を楽しむために、食事も、運動も無理せず楽しんで、長くスタイルをキープできる賢いダイエットを選びましょう。

今日からすぐ実践できるように、次章より、サプリメントの選び方や、食事や運動のポイントを解説しますのでぜひ参考にしてください。

【サプリメント編】リバウンドなし!50代のダイエットに効果的なサプリメント

50代のダイエットは、加齢による女性ホルモンの減少、基礎代謝や筋肉量の低下により、それまでの年代と同じような食事や運動だけでは成功しにくくなっています。

そのため、足りない栄養素を補って、痩せやすい体を作るサプリメントの力が効果的です

といっても、ダイエット効果を謳ったサプリメントは数多くあるため、何を選べばいいのか迷ってしまいますよね。

50代のダイエットで、サプリメントに求められる効能は、大きく2つに分けられます。

50代のダイエット|サプリメントに求められる効能
ついてしまった脂肪を燃焼させる
リバウンドを防ぎ、脂肪のつきにくい体に改善する

ついてしまった脂肪を燃焼させることは勿論ですが、『落ちにくく戻りやすい』50代では、今だけでなくこれからも脂肪がつきにくい体に改善していくことが重要なのです。

こうした役割を持つ、主な成分は下記になります。

① 脂肪の燃焼を促進する成分
ガルシニア インドや東南アジアに自生する植物

<効能>

  • 脂肪を燃焼する
  • 脂肪の合成を抑える
  • コレステロール値を下げる
ビタミンB1・B2・B6 体の代謝に不可欠な栄養素(水溶性ビタミン)

<効能>

  • 脂肪を燃焼する
  • 糖質をエネルギーに変える手助けをする
  • 皮膚や粘膜を再生する
② 糖質の分解を阻害して体内への吸収を抑える
セキレンカ 中国の人々が幻の花と呼ぶサボテンの一種の植物

<効能>

  • 糖質の分解を阻害する(血糖値上昇抑制作用)
  • 脂肪燃焼作用
  • 抗酸化作用
桑葉 特有成分DNJというバリアサポート成分が注目

<効能>

  • 糖質の分解を阻害する(糖尿病予防効果)
  • 血中のコレステロール値、中性脂肪値を改善する
グアバ フトモモ科に属する熱帯性の低木

<効能>

  • 糖質の分解を阻害する(血糖値上昇抑制作用)
  • 含まれているポリフェノールの効果により、体内に吸収されるブドウ糖の量が減少する
サラシア インドなど熱帯地域に自生する植物

<効能>

  • 糖質の分解を阻害する(血糖値上昇抑制作用)
  • 脂質代謝を調整し体重の増加を制御する作用
③ 糖の吸収を阻害する
ギムネマ 糖にアプローチすると言われるインド産のハーブ

<効能>

  • 糖の吸収を阻害する(糖尿病を予防する)
  • 血糖値や脂質代謝を調整し体重の増加を制御する作用​​

「①脂肪の燃焼を促進する成分」​​は効果がわかりやすいですが、「②糖質の分解を阻害して体内への吸収を抑える」「③糖の吸収を阻害する」については、今ひとつイメージが湧かないかもしれません。

食事に含まれる糖質の多くは多糖類や二糖類で、いくつもの糖がつながった形をしています。

つながった糖は、酵素のはたらきで一つ一つに分解されなければ体内に吸収されません。

そのため、食事の前に糖質を分解する酵素のはたらきを阻害する成分をとっておくと、糖質の体内への吸収を抑えることができるのです。

同じ量を食べても、体内へ吸収される糖質の量を抑えられれば、脂肪をつきにくくすることができます。

チェック!
糖の吸収を遅らせる成分が有効な理由

多くの食物に含まれている糖質は、エネルギー源にはなるものの、摂取したときに血糖値が急激に上昇するのが特徴です。

血糖値が上昇したとき、分泌されるインスリン(ホルモンの一種)には、脂肪を体内にため込み脂肪の分解を妨げる性質があります。

つまり、糖質を普通に摂っていると、太りやすい体になってしまうのです。

そのため、今だけでなく、今後も脂肪がつきにくい体にしていくためには、糖の吸収を遅らせる成分配合のサプリメントが有効といえます。

参照: ガルシニア・カンボジア|厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』​​​​
(2)水溶性ビタミン ①ビタミン B1 – 厚生労働省|厚生労働省
桑葉の効用とその利用​​|玉川大学農学部応用生物科学科
サラシア属植物のヒト消化管に対する作用の解明と新規機能性食品開発|富士フイルム株式会社

【食事編】ツラい制限なし!50代のダイエットで徹底すべき4つのポイント

50代のダイエットを成功させるには、食事、運動、そしてサプリメントの3つの要素を同時に取り組むことが重要です。

4章では、「食事面でのポイント」をお伝えしていきます。

50代のダイエット|食事面で徹底すべきポイント
  • 朝食を抜かない
  • 夕食は就寝3時間前までに済ませる
  • 毎食タンパク質を摂る
  • 大豆食品を積極的に摂る

ダイエット経験のある50代の方なら、

こってりした洋食より、カロリーが控えめな和食を選んだ方が良い
スナックやケーキなどの間食はダイエットの成功を妨げる
ダイエット中は糖質や脂質の多いジャンクフードやインスタント食品の摂取は控える

といった事項は重々承知していらっしゃるでしょう。

ここで解説するのは、そうした常識は守られていると想定した上で、50代のダイエット成功をめざす人が「食事面で徹底すべきポイント」です。

これらが守られていれば、ツラい食事制限なしで無理なく痩せることが可能になります。しっかり把握して、できれば今日から実践していきましょう。

4-1.朝食を抜かない

50代のダイエットでは、朝食を抜かないことを徹底してください。

朝食を抜くと、日中の活動するための元気が出ないだけでなく、昼食を食べ過ぎたり、血糖値が急上昇して脂肪のつきやすい体になってしまいます

ダイエット時に朝食を抜くデメリットは4つ挙げられます。

ダイエット時に朝食を抜くデメリット
昼食時に体がエネルギーを蓄えようとする

食事の間隔が空きすぎてしまうため、体が次に入ってきたエネルギーを蓄えようとします。
結果、太りやすくなってしまいます。

昼食後に血糖値が急上昇する

朝食抜きで昼食を食べると、食後に血糖値が急上昇します。すると、インスリン※1が過剰に分泌され、余分な糖が脂肪として体内に蓄えられて、脂肪の増加につながります。

体内時計が乱れる

朝食を規則的に食べることは、体内時計※2を正常化させて太りにくい体質を作る。
朝食を食べないと、内蔵の代謝などに関わる「体内時計」に異常が生じる。

便秘になりやすくなる

朝食を食べると腸のぜん動運動※3が促され、スムーズな排便につながります。
一方、朝食を抜くと、ぜん動運動が鈍くなり便秘になりやすくなります。
むくみや血行不良の元となる便秘はダイエットの大敵です。

※1. インスリン:すい臓から分泌されるホルモンの一種。 糖の代謝を調節し、血糖値を一定に保つ働きを持つ。
※2. 人の体に備わっている生体リズムを調整するメカニズム。
※3. 腸のぜん動運動:腸管が収縮と弛緩を繰り返し、便を先へ押し出していく動きのこと。

名古屋大学の研究グループによるマウスを使った実験でも、朝食を抜くと体重が増えるのに筋肉量は減る​​ことが実証されています。

そのため、ダイエットを成功させるために、かならず朝食を摂るようにしましょう。

チェック!
お腹が空かない・時間がないときの朝食

朝食を食べなくては…と思っても、朝はお腹が空かない、作っている暇がないという方もおられるでしょう。

そんなときは無理せず、下記のような簡単なものを朝食に代用して構いません。

  • 温めた牛乳
  • 味噌汁
  • カットフルーツ
  • ナッツ類

無理せず、手間をかけず、まずは「朝に何かお腹に入れる」ということを習慣にしていきましょう。

4-2.夕食は就寝3時間前までに済ませる

ダイエット中の食事で意識して欲しいポイントの2つ目は、遅い時間に夕食を摂らないことです。

夜遅く食べると、食事からとったエネルギーが消費されにくいため、夕食は、できるだけ就寝3時間前までに済ませてください

注意!就寝直前に夕食を摂るデメリット
食べたものが消費できずに脂肪として溜め込まれる
睡眠の質の低下で代謝が落ちて太ってしまう
食べたものが消費できずに脂肪として溜め込まれる

寝ている間にもカロリーは消費されますが、仕事や生活をしている日中に比べると、当然エネルギーの消費量(基礎代謝量)は少なくなります。

そのため、就寝直前に夕食を摂ると、食べたものを十分に消費できず体に脂肪として、溜め込むことになります。

睡眠の質の低下で代謝が落ちて太ってしまう

就寝前に体内に食物を入れると、睡眠中も消化や吸収の活動が続き、内臓が休まず働き続けることで、眠りが浅くなってしまいます。

寝不足の体は、代謝が落ちて疲れが取れず、より多くのエネルギーを蓄えようとして、太ってしまうのです。

さらに、夜遅い食事は翌朝の食欲を減退させ、朝食が摂れなくなるなど、体内時計のリズムを崩してしまう悪循環を引き起こします。

そうでなくても基礎代謝が低下している50代のダイエットでは、就寝の3時間前に夕食を済ませて、質の良い睡眠を確保することを心がけましょう。

4-3.毎食タンパク質を摂る

ダイエット成功のためには、毎食タンパク質を摂ることを意識しましょう。

タンパク質は、50代以降に不足する筋肉の材料となる栄養素です。

積極的に摂取することで、筋肉量の減少を抑えて基礎代謝を上げ、脂肪を燃焼しやすい体をめざせます

ダイエットだからといって、肉や卵を摂らない人がいますが、これは誤った食事制限で逆効果です。

タンパク質が不足すると筋肉量が減少し基礎代謝が落ちて、脂肪燃焼機能が低下して体重も増えてしまいます。

ダイエット中にタンパク質を摂るメリットは、主に3つ挙げられます。

ダイエット中にタンパク質を摂るメリット
脂肪が燃焼されやすくなる

タンパク質を摂ることで筋肉量が増えて基礎代謝が上がり、脂肪が燃えやすくなります。

特に牛肉等に含まれる「カルニチン」、魚介に含まれる「DHA」「EPA」は、脂肪燃焼を促進する成分として知られています。

食欲が抑えられる

タンパク質を豊富に摂取すると、満腹ホルモンという異名を持つCCK(コレシストキニン)※1というホルモンが分泌されるため、食欲が抑えられます。

中性脂肪が分解しやすくなる

タンパク質を摂取すると分泌されるCCK は、リポタンパク質リパーゼ※2という分解酵素を活性化させ、中性脂肪の分解をサポートして皮下脂肪や内臓脂肪を蓄積しにくくします。

※1. CCK(コレシストキニン):食後の胃酸、膵液、胆汁の分泌を制御する重要な消化管ホルモン​​
※2. リポタンパク質リパーゼ:脂肪を分解して血中に溶け込み、燃焼する働きをする酵素

特に筋肉が衰えていく50代以降は、筋肉の材料となるタンパク質を積極的に摂らなくてはなりません

筋肉はエネルギー消費が高いため、増やすほどに効率よく基礎代謝があがり、痩せやすく、リバウンドもしにくくなります。

筋肉は24時間休まず合成されるため、夕食だけでなく、朝食や昼食にも欠かさず、タンパク質を摂る必要があります。

厚生労働省が提示している日本人の食事摂取基準によると、1日に必要なたんぱく質は、18~49歳は、摂取エネルギーの13~20%、50~64歳は14~20%、が理想とされています。

推奨量でいうと、18歳以上の女性は一日50g、18〜64歳の男性は一日65gです。

これを目安に、1日50g〜65gのタンパク質を朝、昼、夜の3食に分けて、毎食摂ることを心がけましょう

下表に、タンパク質を豊富に含んでいて、食べやすい食品のタンパク質含有量をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。(文部科学省 食品成分データベース参照)

【肉類】 タンパク質含有量
(100gあたり)
鶏ささみ 23.0g
牛もも肉 21.2g
豚ロース 19.3g
ロースハム 16.5g
【魚類】 タンパク質含有量
(100gあたり)
イワシ丸干し 32.8g
焼きたらこ 28.3g
魚肉ソーセージ 11.5g
【卵類】 タンパク質含有量
(100gあたり)
生卵 12.3g
ゆで卵 12.9g
【乳製品】 タンパク質含有量
(100gあたり)
プロセスチーズ​​ 22.7g
ヨーグルト 4.3g

4-4.大豆食品を積極的に摂る

積極的に摂って欲しいもう1つの栄養素として、大豆イソフラボンが挙げられます。

納豆や豆腐、油揚げ、味噌などの大豆食品に多く含まれる「大豆イソフラボン」には、50代以降低下する女性ホルモンを補い、基礎代謝を向上させる効果が期待できます

50代のダイエットで「大豆食品」に期待できる効果
女性ホルモンを補う
腸内環境を整える
女性ホルモンを補う

大豆イソフラボンは、更年期に減少する女性ホルモン「エストロゲン」と分子構造が似ていることから『植物性エストロゲン』とも呼ばれており、エストロゲンを補う作用を持っています。

1-1.更年期による女性ホルモンの低下で述べたように、エストロゲンには、脂肪を燃焼させ、コレステロールの生成を抑制する働きがあるため​​、大豆食品を摂ることで、同じような効果が期待できます。

腸内環境を整える

大豆食品(大豆イソフラボンを含む食品)​​には食物繊維がたくさん含まれています。

食物繊維は、腸内環境を整え、ダイエットの大敵である「早食い」や「食べ過ぎ」を防ぎます。

また、食物繊維は、食後の血糖値の上昇を緩やかにして、余分な脂質の排出をサポートする働きがあることから、体を内側からスッキリさせることができます。

大豆イソフラボンの効果で、スッキリした心身をめざすなら、毎日の食卓に積極的に大豆食品を取り入れていきましょう。

下記に主な大豆食品に含まれる大豆イソフラボンの含有量と摂取目安をまとめました。

大豆食品 1回使用量
の目安
大豆イソフラボン
(mg)
納豆 ミニパック1個
(40g)
51
絹ごし豆腐 1/4丁
(100g)​​
51
木綿豆腐 1/4丁
(100g)​​
51
油あげ 大1枚
(30g)​​
21
きな粉 大さじ1杯
(10g)​​
26
豆乳 コップ1杯
(125g)
45

※大豆イソフラボンでは摂れば摂るほど良いというわけではありません。1回の摂取量は目安を参考にしてください。

【運動編】50代のダイエットに最適!自力で行える3つのエクササイズ

食事面でのポイントは把握できましたでしょうか。

ただ先述のように、50代では食事にどれだけ気をつけても、それだけで痩せるのは難しくなります。

併行して適切な運動をし、筋肉を維持し、増加させることが必要なのです。筋肉が増えれば、基礎代謝が上がり、脂肪を燃焼しやすい体になります。

そこでこの章では、「50代のダイエットを成功に導くおすすめの運動」をご紹介します。

50代のダイエット|自力で行える3つのエクササイズ
  • 下半身の筋力をアップする「スクワット」
  • 内臓脂肪を減らす「ウォーキング」
  • むくみにくくなる「股関節ストレッチ」

無理をせず、できる範囲で毎日、長期間継続することが効果を得るポイントになります。

ジムやピラティスなどに通わずとも、手軽に行えるものをご紹介しますので、できそうなものを選んで、始めてみましょう。

5-1.下半身の筋力をアップする「スクワット」

筋肉を鍛えて増やす運動で、誰でも手軽に行えるのが「スクワット」です。

スクワットは、多くの筋肉がある太もも、お尻などの下肢全体をまんべんなく鍛えることができます。

特に太ももの筋肉は体の中で1番大きな筋肉なので、筋力をアップすることで基礎代謝量が向上します

下記のステップを参考に、1往復10秒前後のゆっくりしたペースで、行いましょう。

ステップ1 肩幅くらいに足を開いて立つ
ステップ2 両腕は軽く前に伸ばすか、胸の前でクロスする
ステップ3 お尻を斜め下に引くようにして、ゆっくり腰を落とす
※両膝がつま先より前に出ないように注意!
ステップ4 前ももやもも裏、さらにお尻に重さが乗って力が入っている状態を感じる
ステップ5 立った姿勢にゆっくり戻る

10回を1セットとし、最初は1セットから、慣れてきたら2〜3セット繰り返します。

きちんと腰を落とすことができたら、ヒップ(大臀筋)アップにも繋がります。

ただし、正しいフォームで行わないと、効果が得られないばかりか、膝を痛めることもあるので注意してください。

5-2.内臓脂肪を減らす「ウォーキング」

内臓脂肪を減らす有酸素運動としておすすめなのが、ウォーキングです。

運動強度はさほど高くないので、急に痩せたり、筋肉がつくことは期待できませんが、続けることで、筋肉が刺激され、内臓脂肪や皮下脂肪が少しずつ減り、ウエストがスッキリする効果が期待できます

同じ有酸素運動で運動強度の高いジョギングや水泳には、勿論脂肪を減らす効果がありますが、普段運動しない人にとっては、ハードルが高めではないでしょうか。

ウォーキングなら手軽で、体の負担も少なく、久しぶりに運動をする人でも無理なく始められます。

時間がないという人は、通勤時にひと駅歩いたり、エレベーターをやめて階段にするなど、身近なところから始めると良いでしょう。

ただし、ダイエットを意識する場合のポイントが2つあります。

  • 普通に歩くより早足で歩く
  • 身体をまっすぐにして腹筋を意識しながら歩く

最初は長い距離でなくても良いので、息がやや弾む程度の速度で、少なくとも2日に1度の頻度で行いましょう。

5-3.むくみにくくなる「股関節ストレッチ」

3つめにご紹介するのは、基礎代謝が上がり痩せ体質に変わる「股関節ストレッチ」です。

50代になり、座っている時間が増えたり、運動する機会が減ると股関節の可動域が狭くなり、股関節周辺の筋肉が硬くなってしまいます。

股関節が硬いとリンパの流れが悪くなり、余分な水分や老廃物が体内に溜まる「むくみ」の原因になってしまいます。

下表を参考に、股関節ストレッチで、関節を柔らかくして可動域を広げ、リンパの巡りの良い「むくまない体」をめざしましょう。

股関節ストレッチ|猫背にならないよう背中を意識して行いましょう!
柔軟度チェック
  • 床に座り膝を伸ばした状態で開脚
  • 最低でも90°、できれば120°くらい開いて、両手を前に出し身体を倒して30秒キープ

※無理はしないで!息を吐きながら、今の自分の柔軟度を測りましょう

開脚してつま先タッチ
  • 開脚したまま、右足を曲げて右手で左足のつま先を触る
  • 頭をしっかり下げ、股関節近くの裏もも・ひざ裏が伸びているのを意識する
  • 痛気持ちいいくらいのところで30秒キープ
  • 反対側も同じように行う

※手首がつま先につくくらいが理想的だが、手の指先でつま先が掴めるくらいでも最初はOK

片足を伸ばして前屈
  • あぐらの姿勢をとり、そこから片足を伸ばした状態で前に倒れる
  • なるべくつま先が上を向くように注意して30秒キープ
  • しっかり伸ばしたら反対も行う

※痛い場合は無理をしないで気持ちいいと感じるところで止める

足を付け根から回す
  • 仰向けになり片方の足を胸の方に引き上げ、ゆっくり内から外側にまわす
  • 次に、外から内側にまわす
  • 30秒間続けたら、反対の足も同じように行う

※呼吸を止めずに行うこと!

再度柔軟度チェック
  • 最初と同様に、床に座り膝を伸ばした状態で開脚
  • できるだけ角度を広げて、両手を前に出し息を吐きながら体を倒す

※ストレッチする前より広い角度で脚が開いたら、股関節周りがほぐれた証拠です

ストレッチを行うのは、朝起きたときや寝る前などの隙間時間で構いません。

何より継続して行うこと、普段動かさない範囲まで少しずつ動かして伸ばしていくのがポイントです。

股関節が柔らかくなると、体が動きやすくなり、自然に日常の運動量や代謝が増えて、脂肪が燃えやすい体になっていきます。

50代からのダイエットで人生も楽しむために気をつけるべき注意点

最後に、50代からのダイエットで特に気をつけて欲しい2つの注意点をお伝えします。

50代のダイエット|2つの注意点
  • 極端な食事制限をしない
  • 40代までと同じ感覚で無理をしない

賢く痩せて、60代になっても、70代になっても、そのスタイルをキープしていけるように、しっかり把握しておきましょう。

6-1.極端な食事制限をしない

ひとつめの注意点は、極端な食事制限は決してしないことです。

わかっていると仰る方もいると思いますが、体重がなかなか減らないと、焦って炭水化物を抜いたり、1つの食品だけを摂るといったダイエットに走る方は少なくありません。

こうした極端な食事制限は逆効果です。

一時的に体重が減っても、筋肉や基礎代謝も一緒に低下してしまいます。
リバウンドしやすく、体重が増えやすい体になってしまうのです。

極端な食事制限には、ほかにもダイエットの大敵となるデメリットがあります。

ストレスがたまる

食べられないストレスから、イライラが募ってしまいます。結果、逆に食べ過ぎるなどの行動に走ってしまうこともあります。

ホルモンバランスが崩れる

栄養不足からホルモンバランスが崩れ、更年期症状のだるさ、不安感、睡眠不足などを加速させる可能性があります。

老け見えする

食事制限で栄養素が不足すると、肌の弾力がなくなり、たるみや髪の毛の痛みが目立ちやすくなります。

白髪や抜け毛が増えたり、頬がたるんだりして年齢以上に老け見えしてしまいます。

無理な食事制限をすると、かえって美しさが奪われ、健康まで損ねてしまうのです。

4.【食事編】ツラい制限なし!50代のダイエットで徹底すべき4つのポイント​​を参考に、バランスのとれた食生活を心がけましょう。

6-2.40代までと同じ感覚で無理をしない

50代からのダイエットでは、くれぐれも40代までと同じ感覚で無理をしないでください

筋肉も落ちているため、食事面だけでなく、運動でも、急にハードなことをすると、怪我や事故につながってしまいます。

50代は、それまでなかった変化が体の内側で起きています。

今まで通りの減量やハードな運動は、効果が期待できないだけでなく、体を弱らせたり、余計に太ってしまうリスクを招くのです。

繰り返しになりますが、50代のダイエットを成功させる秘訣は次の2つです。

  • 激痩せを目指さない
  • 食事・運動・サプリメントの3つを併用する

無理をして若い頃と同じ体重になっても、今のあなたは素敵に見えず、痩せて不健康に老け込んで見える可能性があります。

50代からは、体の変化に応じて栄養素を補い、食事も運動も「人生」と同じように楽しめる、無理のないダイエットを実践していきましょう

まとめ

50代のダイエットがなかなか成功しない理由は3つ挙げられます。

  • 「更年期による女性ホルモンの低下」で脂肪が燃焼しにくくなる
  • 「基礎代謝の低下」で1日に消費されるカロリーが減少する
  • 「筋肉量の低下」で消費エネルギーも減り、基礎代謝の低下に拍車をかける

50代に効果的なのは、バランスの取れた「食事」と、適度な「運動」に、「サプリメント」を併用する無理のないダイエットです。

人生を楽しむように、食事も運動も楽しみながら、いつまでも錆びない、健やかな体を目指していきましょう。

監修

漢方養生指導士・健康管理士・サプリメントアドバイザー 望月 みどり

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