食べ物で加齢臭対策!避けるべき食材と食べるべき食材を詳しく解説

最終更新日 2020年9月25日

監修:健康管理士・サプリメントアドバイザー・漢方養生指導士
望月 みどり

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「加齢臭を、食べ物で対策するには、どうすればいいの?」
「加齢臭に効く食べ物を知りたい」

そんな風に探している方は、“目の付けどころ”がバッチリといえます。なぜなら、加齢臭と食べ物は、密接な関係にあるからです。

結論からお伝えすると、加齢臭をひどくする「避けるべき食べ物」と、加齢臭を抑えてくれる「食べるべき食べ物」は、下の表の通りです。

×避けるべき食べ物 ◎食べるべき食べ物
  • 動物性脂肪
    (肉類、乳製品など)
  • アルコール
    (ビール、焼酎など)
  • 糖質の多いお菓子・飲料
  • ビタミンE
    (アボカド・アーモンドなど)
  • ビタミンC
    (キウイ・イチゴ・オレンジなど)
  • ポリフェノール
    (緑茶・甜茶など)
  • 食物繊維
    (ゴボウなど)
  • 植物性乳酸菌
    (味噌、ぬか漬けなど)

この記事では、「加齢臭対策を食べ物で行いたい!」という方向けに、食べ物で加齢臭対策するための基礎的な理論(メカニズム)から具体的な食材まで、詳しく解説します。

自分自身の加齢臭ケアはもちろん、同居している家族の加齢臭対策をこっそり行いたい人にとっても、有益な情報となるはずです。

すぐに取り入れられるよう、加齢臭対策レシピもご紹介しています。ぜひ最後までご覧ください。

食べ物で加齢臭対策するために知っておきたいメカニズム

まず、食べ物で加齢臭対策するために知っておきたいメカニズムのお話をします。

このあとに、具体的な食材もご紹介しますが、基礎的な理論を知っていれば、具体的な食材をすべて覚えなくても、自分で判断できるようになりますよ。

1-1. 加齢臭を抑えるためには『ノネナール』の生成を抑えれば良い

最初に知っておきたいのが、「加齢臭を抑えるためには『ノネナール』の生成を抑えれば良い」ということ。

ノネナールは、皮脂の中に含まれる物質で、加齢臭特有のニオイの正体です。青くさく、古い油のような独特のニオイを持っています。

40代を超える頃から増え始め、加齢臭の原因となるのが『ノネナール』なのです。

つまり、食べ物によって加齢臭を抑えるときの狙いは「ノネナールを減らすこと」になります。

これがすべての基本になりますので、ぜひ覚えておきましょう。

1-2. ノネナールの生成に関わる物質のブロックが対策のカギ

では、「どうやってノネナールを減らせば良いの?」というところですが、ノネナールの生成に関わる物質をブロックすることが対策のカギを握ります。

ノネナールが生成される工程を簡単な図にしましたので、ご覧ください。

『パルミトレイン酸』『過酸化脂質』が反応して生成されるのが『ノネナール』となります。

パルミトレイン酸の生成には『脂質』が、過酸化脂質の生成には『脂質』『活性酸素』が関わっています。

名称 説明
パルミトレイン酸 脂肪酸の一種で加齢とともに体内で増える
過酸化脂質 中性脂肪やコレステロールなどの脂質が、活性酸素によって酸化されたもの
活性酸素 ほかの物質を酸化させる力が非常に強い酸素のことで老化や病気の原因となる
ノネナール 加齢臭のニオイの正体となる物質

極端な話をすれば、脂質、パルミトレイン酸、活性酸素、過酸化脂質がなければ、ノネナールは生成されない(=加齢臭はしない)ことになります。

これを踏まえて、どんな食べ物を避け、どんな食べ物を積極的に食べるべきなのか、具体的に見ていきましょう。

加齢臭をひどくする避けるべき食べ物

まず、できるだけ避けたい、加齢臭をひどくする食べ物をご紹介します。

2-1. 動物性脂肪(肉類、乳製品)

「動物性脂肪」は、加齢臭対策を始めたら最初に避けたい食材です。動物性脂肪は、体内に中性脂肪やコレステロールなどの脂質を増やしてしまうからです。

動物性脂肪とは、動物に含まれる脂肪のことです。牛肉、豚肉、鶏肉などの肉類、ラード、牛乳、乳製品などに多く含まれます。

バターや生クリームなどの乳脂肪を使った洋菓子類(ケーキ、チョコレート、アイスクリームなど)にも多く含まれています。

2-2. アルコール(お酒)

次に「アルコール(お酒)」の飲みすぎも、加齢臭を悪化させます。大酒飲みのおじいちゃんから加齢臭がするのは、偶然ではないのです。

過剰な飲酒は、体内の活性酸素を増やしてしまいます。肝臓がアルコールを分解するときに、活性酸素が発生するからです。

加齢臭を抑えるためには、“アルコールはほどほどに”を心掛けましょう。

「じゃあ、どれくらいまでなら、お酒を飲んでもいいの?」と思うところですが、厚生労働省によれば、以下の通りガイダンスが示されています。

健康を維持増進するために必要な栄養素を食事から確保したり、生活習慣病を予防するためには、1日当たり日本酒1合程度までの飲酒量に留め、加えて週1回以上の休肝日を設けることが望まれます。

出典: ​​栄養・食事・血圧から見た許容飲酒量 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
  • 1日あたり日本酒1合程度まで
  • 週1回以上の休肝日をもうける

お酒はこの2点を守って楽しむようにしましょう。

2-3. 糖質の多いお菓子・飲料

「甘いお菓子を毎日食べるのがやめられない」
「脂質の入っていない和菓子なら良いでしょう?」
…と考える方もいるようですが、糖質も取り過ぎると加齢臭の原因になります。

糖質を取り過ぎると、中性脂肪が上昇する原因となるからです。

「動物性脂肪も取っていないし、お酒もあまり飲んでいないのに、加齢臭がひどい」という方は、甘いお菓子を食べすぎていないか見直してみましょう。

また、盲点となりやすいのが「飲料(ドリンク)」です。

お菓子を食べるときには「糖質がたくさん含まれた甘いお菓子を食べている」と自覚的して、程よい量に自制できるものです。

しかし、飲み物だと、ついつい無意識でゴクゴク飲んでしまいがち。

砂糖入りのコーヒーやカフェオレ、ミルクティー、炭酸飲料、清涼飲料水、フルーツジュース、スポーツドリンクなどを日常的に飲んでいる方は、注意してください。

加齢臭を抑える食べるべき食べ物

次に、毎日でも食べたい加齢臭を抑える食べ物をご紹介します。

3-1. ビタミンE(アボカド・アーモンド他)

まず『ビタミンE』を含む食べ物です。

ビタミンEは、加齢臭対策の代表選手といっても良い成分。なぜなら、ビタミンEは過酸化脂質の増加を防ぐために活躍してくれるからです。

脂質が活性酸素によって酸化されそうになったとき、ビタミンEは脂質の代わりに自分が身代わりとなって酸化されるのです。

ビタミンEが多く含まれる食べ物としては、アボカドやアーモンドが有名です。

ほかにも、落花生、枝豆、かぼちゃ、にんじんなどにも含まれています。

ぜひ、体内のビタミンEを切らさないように、毎日取り続けたい食べ物です。

▼ ビタミンEが多く含まれる食べ物

アボカド、アーモンド、落花生、枝豆、かぼちゃ、にんじん、玄米、きゅうり、ほうれん草、オリーブオイル、うなぎ、さんま、いわしなど

3-2. ビタミンC(キウイ・イチゴ・オレンジ他)

加齢臭対策で活躍する『ビタミンE』を、パワフルにサポートしてくれるのが『ビタミンC』です。ぜひ、ビタミンEとあわせてビタミンCを取りましょう。

ビタミンEは、脂質の身代わりとなって自分が酸化するとお伝えしました。酸化されたビタミンEは、抗酸化力を失います。

ですが、ビタミンCが一緒にあると、ビタミンEは復活して、再び抗酸化力を取り戻すことができるのです。

つまり、食べ物からビタミンEとビタミンCをセットで摂取していると、過酸化脂質の増加にしっかり対策できるというわけです。

ビタミンCが多い食べ物には、キウイ、イチゴ、オレンジ、レモンなどがあります。意外なところでは、「ピーマン」もビタミンCの多い食べ物です。

ビタミンCの注意点としては、調理時の洗浄や加熱によって失われやすい特徴があります。

長時間、水にさらしたり加熱したりせずに、できるだけ生で食べる必要があります。

▼ ビタミンCが多く含まれる食べ物

キウイ、アセロラ、イチゴ、オレンジ、みかん、ぽんかん、レモン、パイナップル、ブロッコリー、カリフラワー、ピーマン、さつまいも、じゃがいも、にがうり、 菜の花、モロヘイヤなど

3-3. ポリフェノール(緑茶、甜茶 他)

ビタミンC・ビタミンEと一緒に、ぜひ積極的に取りたいのが『ポリフェノール』です。

緑茶エキスや甜茶エキスから抽出されたポリフェノールには、加齢臭の正体である『ノネナール』への高い消臭効果があることが研究でわかっています。

ポリフェノールは、ブルーベリー、ぶどう、大豆、ゴマなどさまざまな植物に含まれていますが、なかでもおすすめなのは、「お茶」で取る方法です。

糖質を含む飲料はやめて、ぜひお茶に替えましょう。加齢臭対策として効果が高いのは「緑茶」「甜茶」です。

「甜茶(てんちゃ)」について補足しておくと、甜茶は中国で昔から愛飲されている健康茶です。日本では「花粉症に効くお茶」としてブームになりました。

加齢臭に効果のあるポリフェノールが含まれていますから、ぜひ加齢臭対策としても取り入れたいお茶です。

他にも、主なポリフェノールは下の表を参考にしてみてください。

▼ 主なポリフェノール

ポリフェノールの種類 多く含まれる食材
アントシアニン ブルーベリー、カシス
レスベラトロール ぶどう
イソフラボン 大豆
リグナン(セサミン) ゴマ
ヘスペリジン みかん
クルクミン ウコン
カテキン 緑茶
タンニン

3-4. 食物繊維(ゴボウ他)

脂質の取り過ぎが、パルミトレイン酸や過酸化脂質の量を増やし、加齢臭の正体であるノネナールを増やしてしまうことは、ここまで触れてきた通りです。

脂質の取り過ぎを防ぐことができれば良いのですが、つい食べてしまうこともあるでしょう。

そんなときには、『食物繊維』を一緒に取ってください。食物繊維は、脂質の吸収を穏やかにしてくれるからです。

食物繊維は「腸の掃除役」として腸内環境を整え、生活習慣病の予防にも役立ちます。

参考:ビタミンと食物繊維(農林水産省)

食物繊維が多い食べ物としては、ゴボウ、切り干し大根、れんこん、ひじきなどがあります。特に脂質の多い食事を取るときには、その分、食物繊維もしっかり取るようにしましょう。

▼ 食物繊維が多く含まれる食べ物

ゴボウ、切り干し大根、れんこん、ひじき、海苔、わかめ、モロヘイヤ、パセリ、きのこ、オートミール

3-5. 植物性乳酸菌(味噌、ぬか漬け他)

取り過ぎた脂質を蓄積せずにしっかり排出するためには、腸内環境を整えることが欠かせません。食物繊維と一緒に、植物性乳酸菌を取りましょう。

乳酸菌といえばヨーグルトが有名ですね。ヨーグルトにももちろん整腸作用がありますが、加齢臭対策で乳酸菌を取るときには、植物性乳酸菌の方がおすすめ

なぜなら、動物性脂肪を摂取せずに乳酸菌を体内に取り入れることができるからです。加えて、植物性乳酸菌は生きて腸に到達する可能性が高く、より強い整腸作用が期待できるとされています。

植物性乳酸菌は、味噌、ぬか漬けなどから摂取できます。

ほかに「キムチ」にも植物性乳酸菌が含まれているのですが、注意点として、辛いものを食べると刺激で体臭がひどくなる体質の人がいます。

キムチから植物性乳酸菌を取る際には、体臭に逆効果になっていないか確認しながら取りましょう。

▼ 植物性乳酸菌

ぬか漬け、野沢菜、味噌、キムチ

レシピ付き!加齢臭対策に適したメニュー例

さて、ここまで加齢臭対策のために避けたい食べ物と、積極的に食べたい食べ物をご紹介しました。

さっそく今日の夕食から取り入れられるように、メニュー例をご紹介します。

4-1. アボカドと赤ピーマンのサラダ

一品目は「アボカドと赤ピーマンのサラダ」です。

アボカドのビタミンEと、ピーマンのビタミンCで、加齢臭対策しましょう。

▼ 材料(2人分)

  • アボカド 1個
  • 赤ピーマン 1個
  • お好みの野菜(レタス、きゅうり、トマトなど)
  • オリーブオイル 大さじ1
  • バルサミコ酢 大さじ1
  • お好きな塩

▼ 作り方

  • アボカド・赤ピーマンは薄くスライスします。
  • 赤ピーマン、アボカド、その他の野菜を盛り付けます。
  • オリーブオイルとバルサミコ酢を回しかけ、お好きな塩を振ってできあがりです。

▼ 加齢臭対策ポイント

加熱に弱いビタミンCは、サラダで取るのがおすすめです。

旬のフルーツを加えてビタミンCを強化したり、ビタミンEが豊富なスライスアーモンドを散らしたりしても良いですね。

今回ドレッシングの代わりに使ったバルサミコ酢は、ポリフェノールがたっぷり含まれたお酢です。

冷蔵庫に常備して、使う頻度を増やしてみましょう。

4-2. ゴボウ入りサバのみそ煮

二品目は「ゴボウ入りサバのみそ煮」です。

定番のサバみそ煮も、一手間加えることで加齢臭対策になります。

▼ 材料(2人分)

  • サバ 2切れ(160g)
  • ゴボウ 1/2本 ☆
  • 料理酒 大さじ1 ☆
  • みりん 大さじ1 ☆
  • だし汁 大さじ2 ☆
  • みそ 大さじ3 ☆
  • 砂糖  大さじ1☆

▼ 作り方

  • ゴボウは皮を剥き一口大にカットして柔らかく下ゆでしておきます。
  • ☆印をすべて鍋に入れ火にかけます。
  • 2.が煮立ったところでサバを加えます。
  • 落とし蓋をし、とろみがつくまで煮たら完成です。

▼ 加齢臭対策ポイント

タンパク質は、肉類よりも魚から摂取するのがおすすめ。

食物繊維が豊富なゴボウと一緒に煮込めば、余分な脂質のカットにも役立ちます。

4-3. 緑茶とレモンの和風ハーブティ

食後には温かいお茶を用意しましょう。

もちろん普通の緑茶もおいしいですが、たまにはこんな変わり種もいかがですか。

▼ 材料(2人分)

  • お好きな緑茶 5g
  • レモン 輪切りで2切れ

▼ 作り方

  • 緑茶をいれたらティーカップに注ぎ、輪切りのレモンを浮かべます。

▼ 加齢臭対策ポイント

食後のお茶にはポリフェノール入りの緑茶をチョイスしましょう。

ビタミンCが豊富なレモンと合わせれば、加齢臭に効果的な和風ハーブティのできあがりです。

まとめ

食べ物で加齢臭対策をするために抑えておきたいのは、その発生メカニズムです。

脂質、パルミトレイン酸、活性酸素、過酸化脂質、ノネナールが関わっています。

このメカニズムを踏まえて、避けるべき食べ物と、毎日食べたい食べ物は以下の通りです。

×避けるべき食べ物 ◎食べるべき食べ物
  • 動物性脂肪
    (肉類、乳製品など)
  • アルコール
    (ビール、焼酎など)
  • 糖質の多いお菓子・飲料
  • ビタミンE
    (アボカド・アーモンドなど)
  • ビタミンC
    (キウイ・イチゴ・オレンジなど)
  • ポリフェノール
    (緑茶・甜茶など)
  • 食物繊維
    (ゴボウなど)
  • 植物性乳酸菌
    (味噌、ぬか漬けなど)

具体的なレシピ例もご紹介しましたので、ぜひ次の食事から、意識してみてください。

なお、「わかっていても食生活の改善は難しい……」という方は、体臭サプリメントを利用するのもおすすめです。詳しくはこちらのページをご覧ください。

監修

健康管理士・サプリメントアドバイザー・漢方養生指導士 望月 みどり