口臭が発生する10の原因と予防方法について専門家が解説します。

最終更新日 2024年4月23日

監修:健康管理士・サプリメントアドバイザー・漢方養生指導士
望月 みどり

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「臭ってないかな?」
口臭は、自分ではわかりにくいだけに、誰にとっても気になる問題です。

相手に不快感を与えていないかなど周囲への影響が気になりますが、実は、口臭は自分自身の健康状態にも深く関わる問題です。

しかし、口臭の原因はみんな同じではなく、人によって異なります。

そのため、口臭を防ぐには、口臭が発生する原因がどこにあるのか、その原因を突き止めて、それにあった対策をすることがとても大切です。

口臭が発生する10の原因と、口臭の予防方法について解説します。

口臭が発生する10の原因

1-1.菌の影響

口の中には約300種類、数千億個もの細菌がいるといわれていて、口臭の一番の原因は、これらの細菌です。

細菌は、食べ物の残りカスや口の中の剝がれた粘膜を分解する過程で、悪臭を放つガスを発生させます。

特に歯と歯茎の間や舌の奥は細菌が溜まりやすく、適切なケアを怠ると口臭の原因となります。

1-2.歯周病と歯石の影響

歯周病や歯石も口臭の大きな原因です。

歯周病は、歯と歯ぐきの隙間(歯周ポケット)に侵入した細菌が炎症や感染を引き起こす疾患で、放置すると歯を支える骨まで破壊する深刻な状態に陥ります。

歯周ポケットは細菌の絶好の住処で、細菌が繫殖するため口臭の原因となります。

また、歯石は硬化したプラーク(歯垢)で、でこぼこした表面が細菌の温床となります。

1-3.口腔ケアの不足

定期的なブラッシングやフロッシングの不足は、口の中の細菌の増殖や歯石の蓄積を招き、口臭を発生させます。

また、定期的な歯科検診を怠ると、歯周病などの口の中の問題を未然に防ぐことができず、炎症や感染が進み、口臭の悪化につながります。

1-4.舌苔と唾液の影響

舌苔は舌に付着する白や黄色の苔状の汚れで、口の中の剥がれた粘膜や食べもののカス、唾液の成分、細菌などが溜まったものです。

黄色っぽい舌苔が厚くなると、口臭も強くなる傾向にあります。

また、唾液には口内を洗浄し、細菌の増殖を抑制する自浄作用があります。

そのため、ストレスや加齢、薬の副作用などによって唾液の分泌量が減少すると、自浄作用がはたらかなくなり口臭が発生しやすくなります。

1-5.胃の不調

逆流性食道炎や慢性胃炎、胃潰瘍など胃の不調は、口臭を引き起こすことがあります。

胃酸過多でツンとした刺激のあるニオイがこみあげてきて酸っぱいニオイの口臭を発生させたり、消化不良で食べたものが腐敗して卵の腐ったようなニオイの口臭を発生させたりします。

胃が原因の口臭は、空腹時に顕著になることがあります。

1-6.腸の環境悪化

腸内環境の悪化も口臭の一因です。

不規則な食生活や食物繊維の不足は腸内フローラの乱れや便秘を招き、腸内の老廃物が腐敗して臭いを発生させます。

腸の中で発生した腐敗臭は血液中に取り込まれて全身をめぐり、やがて呼気にも混ざってでてくるため、これが口臭の原因となることがあります。

1-7.疾病

糖尿病や肝機能障害、腎不全などの病気も、口臭を引き起こすことがあります。

肝臓や腎臓は尿素やアンモニアの分解や排出の働きを担っているため、肝臓や腎臓の機能が低下すると、血液中の尿素やアンモニアの量が増加して口臭を発生させます。

また、糖尿病は、口の中が乾きやすくなるため、唾液の分泌量も低下し口臭がきつくなります。

さらに糖尿病が進むと、アセトンという物質が原因となって甘酸っぱいニオイの口臭を発生させることがあります。

1-8.メチルメルカプタン

メチルメルカプタンは、「腐った玉ねぎ」のような独特なニオイの物質で、口臭の原因の一つです。

メチルメルカプタンは、以下のような原因によって生成されます。

歯周病 口の中に生息している細菌が唾液や剝がれた粘膜、食べカスの中のタンパク質を分解することで産生されます。
特に、歯周病になると、歯周ポケットで菌が繁殖してメチルメルカプタンが多く発生します。
腸内環境の悪化 腸内細菌のバランスが崩れて悪玉菌が増えると、腸内で食べた物が腐敗してメチルメルカプタンを含む揮発性硫黄化合物が生成されます。
便秘 便秘になると、腸内にとどまった便が腐敗して、メチルメルカプタンなどの悪臭が発生します。
肝臓の機能低下 肝臓は体内のアンモニアを処理する役割を担っていますが、機能が低下するとアンモニアが体内に蓄積し、メチルメルカプタンなどに変化します。

1-9.ストレス

緊張やストレスで交感神経が優位になると、唾液の分泌量が減り、口臭が強くなります。

1-10.生活リズムの乱れ

不規則な生活リズムは自律神経の乱れを引き起こし、唾液の分泌量が減って口臭が強くなります。

また、睡眠不足により免疫力が低下すると、歯周病の悪化や内臓の機能の低下などから口臭が発生することもあります。

口臭の予防方法

2-1.口腔環境から口臭を予防するには

2-1-1.ブラッシング

正しいブラッシングやフロッシングの方法を学び、一日に少なくとも2回は、歯磨きをすることが重要です。

特に寝る前のブラッシングは、細菌の蓄積を防ぐために不可欠です。

2-1-2.口内洗浄剤の活用

口内洗浄剤は、ブラッシングだけでは取り除けない細菌や食べカスを除去し、口臭を予防します。

使用後はすすがずにそのままにすることで、効果が持続します。

2-1-3.歯磨き粉の活用

抗菌作用のある歯磨き粉を選ぶことで、口腔内の細菌の増殖を抑制し、口臭を予防することができます。

メントール配合のものは、一時的に口臭を抑える効果もあります。

2-2.体の内側から口臭を予防するには

2-2-1.バランスの良い食事

脂っこいものの食べ過ぎなどに注意して、バランスの良い食事を心がけましょう。

2-2-2.腸内環境を整える

食物繊維を多く含む食品を摂取したり、発酵食品などで乳酸菌を摂取したりすることで、腸内細菌叢のバランスを整えます。

2-2-3.口臭対策サプリメントの活用

メチルメルカプタンに対してすぐれた消臭効果を発揮する植物由来のポリフェノールなどを、サプリメントで摂取することができます。

同時に、腸内環境を整える乳酸菌も含まれたものを選ぶとより効果的です。

サプリメントは、体の内側から健康を支えて口臭を予防しながら、発生したニオイの消臭にも働きます。

ただし、単に口の中のスッキリ感、爽快感を得るだけのものでは意味がありません。

体の中で発生するニオイの原因を抑えるものを選びましょう。

2-3.生活習慣から口臭を予防するには

2-3-1.ストレス緩和

趣味や運動を通じて効果的にストレスを解消するなど、ストレスと上手くつきあうことは、口臭の予防にもつながります。

2-3-2.良質な睡眠

質の良い睡眠で生活リズムを整えれば、口臭の原因となる自律神経の乱れや免疫力の低下を防ぐことができます。

まとめ

口臭は、適切な対策を講じることで予防または改善が可能です。

しかし、口臭の原因はみんな同じではなく、人によってさまざまです。

口臭を防ぐには、口臭が発生する原因がどこにあるのか、その原因を突き止めて、それにあった対策をすることがとても大切です。

口腔環境から、体の内側から、生活習慣から口臭予防を行い、口臭対策サプリメントも活用しながら、口臭のない快適な生活を目指しましょう。

監修

健康管理士・サプリメントアドバイザー・漢方養生指導士 望月 みどり