【医師監修】口臭どうすれば解消できる。今すぐ消したい時の方法と根本的な改善策を歯科医が解説

最終更新日 2024年10月7日

監修:加藤 大明 プロフィールを見る >
歯学博士(予防歯科)
日本一の予防歯科と評判の歯科医院で徹底的に北欧のむし歯治療学(カリオロジー)を学び、日常の診療に加え、講演、論文執筆を通じ、歯科医師、歯科衛生士に対する教育活動もおこなっている。
(https://x.gd/Uj3Gy)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「口臭の効果的な対策は?歯磨きしてもすぐにおう気がして…」
「口臭を気にしないで生活したい!どうすれば口臭の心配がなくなるの?」

歯を磨いて出かけたはずなのに、出先で口臭が気になることはないでしょうか。

口臭の不安があると、おしゃべりや食事も心から楽しめなくなりますよね。

この記事では、口臭の対策について、いますぐ消したいときの方法と、根本的な改善策を、具体的に解説します

まず、口臭をすぐに解消したいときの対策は5つあります。

ただ、口臭には誰にでも発生する「生理的口臭」と病気によっておこる「病的口臭」の2種類があり、特に「病的口臭」の場合は、上記の対策では一時的な解決にしかなりません。

口臭の根本的な改善をめざすなら、次のことが必要です。

  • 口臭の原因となっている口腔内や体の病気を治療する
  • 口腔内のトラブルを引き起こすプラーク(歯垢)を除去する
  • 腸内環境を整え​​る

ここでは、研究データも交えながら、どうすれば口臭の出にくい口内環境が作れるかを、わかりやすくお伝えします。

この記事をおすすめしたいのはこんな人です
  • 口臭が気になって仕方ない人
  • すぐできる口臭対策が知りたい人
  • 歯磨きを怠らないのになぜ口臭が出るか知りたい人
  • 歯を磨いてもすぐ口臭が発生してしまう人
  • 口臭があるかないか自分で判断できない人

「ちゃんと磨いてるのにどうして?」といった疑問も解消できる内容になっていますので、最後まで目を通して頂けたらと思います。

「口臭対策」は原因によって2パターンに分かれる

口臭は、その原因から大きく2つの種類に分けられ、適切な対策も各々で違います。

  • 病気によっておこる「病的口臭」
  • 健康な人でもおこる「生理的口臭」

1章では、2つの口臭のパターンや、対策を探っていきます。

病気によっておこる「病的口臭」
  • 病的口臭の原因
  • 病的口臭の対策はまずチェックから
健康な人でもおこる「生理的口臭」
  • 生理的口臭とは
  • すぐ効く!生理的口臭の対策
  • 根本的な改善をめざすなら「口臭サプリメント」がおすすめ

口臭のお悩みを解消するために、しっかり理解していきましょう。

1-1.病気によっておこる「病的口臭」

「病的口臭」は、病気が原因で発生する口臭のことです。

くわしくみていきましょう。

1-1-1.病的口臭の原因

病的口臭には、口腔内のトラブルに起因するものと、体の病気が原因となっているものがあります。

主な病気は下表になりますが、近年の研究で、病的口臭の8割以上は口腔内のトラブルから発生することがわかっています。

口腔内のトラブル
  • 歯周病
  • むし歯
体の病気
  • 耳鼻咽喉系疾患(鼻炎・蓄膿症・扁桃腺・咽喉炎・喉頭頭がん など)
  • 呼吸器系疾患(気管支炎・肺膿腫 など)
  • 消化器系疾患(胃炎・胃下垂・胃がん など)
  • 代謝系疾患(糖尿病・肝硬変 など)
  • 心因性
  • ホルモンの影響(女性)

(※)心因性、及びホルモンの影響からくる口臭は生理的口臭に分類される場合があります。

口臭の元凶となる口腔トラブルで、1番に考えられるのが歯周病です。

歯周病の口臭は、プラーク(歯垢)内で増殖した歯周病の原因菌が、悪臭を放つガスを放出することでおこります。

体の病気からの口臭で数の多い症例は、耳鼻咽喉系疾患​​です。

口は喉や鼻とつながっているため、蓄膿症・扁桃腺・咽喉炎​​等、喉や鼻の組織に炎症があると、膿や血液が口腔内や周囲の上気道内に出てきて、吐く息に混じって口臭が起こります。

(※)上気道:呼吸器のうち、鼻から鼻腔、鼻咽喉​​、咽頭、喉頭までをいう

心因性口臭は、口臭はないのに、自分はにおうと思い込んでしまう症状で、思春期に多く発症します​​。

また、排卵前後の女性ホルモンが口臭に影響することもあります。

女性ホルモンは唾液の分泌と関係があり、ホルモンが低下する時期には口腔内が乾燥して、口臭を強くしてしまうのです。

参照:厚生労働省e-ヘルスネット|口臭の原因・実態​​

1-1-2.「病的口臭の対策」はまずチェックから

「病的口臭」は、次項でお伝えする生理的口臭の対策では解消できません。

対策として、根本的な原因となる病気の治療、改善が必要になります。

ただ、「病的口臭」なのかどうか、また、「口腔内のトラブル」か「体の病気」なのかがはっきりしない…という方のために、ここでは、口臭の原因を見極めるチェック方法を解説します。

まず第1に、口臭が出るのが起床時や空腹時、あるいは緊張して口が乾燥したときだけ、という方は「生理的口臭」の可能性が高いです。

ここは飛ばして、次の健康な人でもおこる「生理的口臭」をご覧ください。

起床時や空腹時に限らず口臭があり、また歯磨きをしても口臭が残る場合は、「病的口臭」の可能性があります。

中でも、下記項目の1つでも該当する場合は、口腔内のトラブルが原因の「病的口臭」の可能性があります。

歯茎からの出血がある
歯茎がよく腫れる
ぐらついている歯がある
歯の間に食べ物がよく挟まる
硬いものが噛みにくい/噛むと痛む
冷たいものや熱いものがしみる

全く当てはまらないという人は、体の病気からくる口臭かもしれません。

においから、病気の種類を推定してみましょう。

原因 におい
耳鼻咽喉系疾患
(鼻炎・蓄膿症・扁桃腺 )
タンパク質の壊疽(えそ)臭
※肉が腐ったようなにおい
呼吸器系疾患
(気管支炎・肺膿腫 など)
消化器系疾患
(胃炎・胃下垂・胃がん など)
糖尿病 アセトン臭
※リンゴの腐ったような甘酸っぱいにおい​​
肝硬変、肝臓癌 アンモニア臭
咽頭炎、気管支炎、
肺のカンジダ感染​​
甘いにおい

参照:口臭について|日本臨床歯周病学会

こうした体の病気が疑われる人は、なるべく早く医師の診察を受けるようにしてください。

病的口臭の8割以上の原因となる「口腔内の病気やトラブル」の対策については、2. 【病的口臭】口腔内のトラブル対策は“プラークを除去すること”で詳しく解説します。

1-2.健康な人でもおこる「生理的口臭」

「生理的な口臭」は、健康な人にも発生します。

いつ、誰でもおこる生理的な口臭について、​​くわしくみていきましょう。

1-2-1.生理的口臭とは

生理的口臭は、生活習慣や体調など自然な現象から発生する口臭です

生活をする中で誰にでも起こりうる口臭​​なので、病気などの心配はありません。

生理的口臭の、よくある例を表にまとめました。

起床時 就寝中に口の中に細菌が繁殖し、悪臭のガスを出す
緊張した時・ストレスがある時 唾液の分泌が減り、口臭が強くなる
ニンニクやニラを食べたとき アリシンという成分が元になり悪臭が発生する
空腹時・疲れたとき 肝臓がからだにエネルギーを供給しようとして​​作り出す成分(ケトン体)が悪臭のガスを放出する

このほか、お酒を飲んだり、煙草を吸ったあとも生理的口臭が発生します。

お酒を飲むと、肺から揮発性のアルコール成分が排出され、息が生臭くなります。

煙草を吸ったあとの口臭は、主にタールやニコチンのにおいです。

こうした生理的口臭は、いずれも、次に述べる対策や時間経過によって解消できることがほとんどです。

1-2-2.すぐ効く!「生理的口臭」対策

早く消したい「生理的口臭」の対策は、5つ挙げられます。

数分で効果が得られますので、外出先でも対応できるよう頭に入れておきましょう。

【すぐに何とかしたい!5つの口臭対策】
  • 口内の乾燥を防ぐために水を飲む
  • 消臭効果のあるガムやタブレットを口に入れる
  • 梅干しを食べて唾液を出す
  • 歯を磨く
  • マウスウォッシュで口をゆすぐ

唾液が減少すると、口の中に臭いの元となる揮発性硫黄化合物が増えるため、口臭が発生します。

梅干しは、その酸味から唾液が出やすくなり、口臭が解消できます。

レモンでも同様の効果が期待できます。

1-2-3.根本的な改善をめざすなら「口臭サプリメント」がおすすめ

上記以外の有効な対策として、口臭サプリメントの服用があります。

口臭サプリメントの多くは、腸内環境を整える成分が配合されていて、口臭を根本的に改善する可能性があります

歯磨きやガムなどの応急処置で生理的口臭を消しても、「またすぐにおいが戻る」という人は、腸内環境が乱れている可能性があります。

この場合、生理的口臭でも、においの元凶である腸内環境を整えない限り、一時的な対策でお悩みを解消することは難しいかもしれません。

チェック!

【腸内環境と口臭】

腸内環境の悪化で口臭が生じるのは、腸内細菌の悪玉菌によるものとも言われています。

腸内環境が乱れると腸内の悪玉菌が増え、腐敗物質によるガスが多量に発生します。

それが血液によって肺まで運ばれて嫌な口臭を強めてしまう恐れがあります。

腸内環境が整っていれば、腸内では善玉菌が優勢になるため、においは出にくくなるのではないでしょうか。

※悪玉菌:腸内細菌のうち体にとって悪い働きをするもの​​。悪玉菌が多くなると腸内での腐敗が進み、腸内環境がアルカリ性化していく
善玉菌:健康維持や老化防止などへ良い影響がある菌​​。代表的な善玉菌にはビフィズス菌、乳酸菌​​がある

吐く息にまじって口臭となる腐敗物質によるガスは、汗腺を通じて皮膚表面に送られれば、体臭になります。

つまり腸内環境が悪化すると、口臭だけでなく、やがては体臭も生じてしまいます。

また、悪玉菌の多い汚い腸は口臭や体臭以外にも、下図のように様々な不調を引き起こします。

生理的口臭の発生が慢性的になっている人、胃腸の状態が良好でない人は、根本的な改善がめざせる、口臭サプリメントの摂取をおすすめします。

【病的口臭】口腔内のトラブル対策は“プラークを除去すること”

2章では、「病的口臭」の8割以上の原因となる、“口腔内のトラブル” 対策を解説します。

まず先に結論をいうと、唯一無二の対策は『プラーク(歯垢)を除去すること』です

“口腔内のトラブル” とは、具体的には歯周病やむし歯のことであり、その症状を引き起こすのが「プラーク」だからです。

  • 口臭の元凶はプラーク(歯垢)
  • 歯ブラシで落とせるプラークは約60%だけ

順にみていきましょう。

2-1.口臭の元凶はプラーク(歯垢)

“口腔内のトラブル”からくる「病的口臭」の元凶は、プラーク(歯垢)です。

プラーク(歯垢)は、“歯に付着した細菌が繁殖したかたまり” のこと。

詳しくいうと、食物の残りカスが歯の表面について細菌が繁殖したもので、白くねばねばしています。

プラークには、歯周病やむし歯の原因菌が含まれており、この菌は、タンパク質を分解する際に悪臭を放つガスを発生します。

この腐った魚のようなにおいを放つガスが、口臭の元となります。

口臭は、菌が増殖し、歯周病が進行しているサインでもあります。

歯周病やむし歯が進行すると、歯と歯ぐきの境目​​(歯周ポケット)の中で膿が出はじめ、さらに強い不快なにおいが放出されます。

2-2.歯ブラシで落とせるプラークは約60%だけ

ここまで説明したように、口臭対策では、匂いの元となるプラークを取り除くのが最も重要なのですが、1つ問題があります。

口臭が一時的に取れても、プラークは簡単に除去できないのです。

プラークは、歯の表面に強く付着しているので、水を飲んだり、マウスウォッシュでうがいをしただけでは取れません。

歯ブラシを使うと多少はとれますが、それでも取りきることはできません。

実は、これまでの研究で、歯ブラシで落とせるプラークは約60%だけであることがわかっています

参照:山本ら、日歯周誌(1975)

一般的なマウスウォシュや、歯磨き粉をつけた歯ブラシは、プラークが原因で発生した口臭を取ることはできます

しかしながら、元凶であるプラークを取りきることはできないため、根本的な解決にはならないのです。

「口臭が発生」 → マウスウォッシュや歯磨き粉で口臭を取る → また「口臭が気になる」 → マウスウォッシュや歯磨き粉で口臭を取る​​…、というのを繰り返すことになってしまいます。

繰り返すうちに、磨き残したプラークは唾液の中のカルシウムと接着して、固い「歯石」になります。

こうなるともう、自分で取り除くことは難しくなります。

一般的には、プラークは1週間から10日程度で、歯石に変化するといわれています。

口臭を根本的に解消するには、そうなってしまう前に、歯ブラシでの歯磨きに加えて、歯間ブラシやフロスの利用や、他のプラーク対策が必要です。

次章では、最強のプラーク対策として注目を浴びる新素材CI(CIデキストラン)​​についてご紹介します

参照:厚生労働省e-ヘルスネット|プラーク/歯垢

最近ではCI入りのオーラルケアに注目が集まっている

プラークを自力で除去する方法として、これまでは、デンタルフロスや歯間ブラシを使う方法しかありませんでした。

前述のように、マウスウォッシュや歯ブラシでは、プラークを取りきることはできないからです。

ただ、デンタルフロスや歯間ブラシは毎食後に使うには時間も手間もかかるため、ケアが怠りがちとなり、知らないうちにプラークを磨き残し、溜め込んでしまうケースが多いのが現状です。

そんな中、国内砂糖メーカー日新製糖が、口腔内のトラブルの元凶「プラーク」を抑える、次世代の原料『CI(CIデキストラン)』を開発しました

CI(CIデキストトラン、以下CIと記載)は、オーラルケア向けの独自素材で、これを使用すれば、マウスウォッシュで誰でも手軽にプラークを除去できる画期的な発明です。

3章では、プラーク除去の救世主『CI』について、くわしく解説します。

  • CIとは
  • CI入りのオーラルケア商品を取り入れるメリット

口臭の根本的改善に役立つ情報ですので、しっかり把握しておきましょう。

3-1.CIとは

CIは、簡単にいうと環状オリゴ糖の一種です。

※環状オリゴ糖:ブドウ糖や果糖などの単糖類が2~10個ほどつながったものをオリゴ糖といい​​、通常、糖が一直線につながっているが、その両はじが結合して輪になったものを環状オリゴ糖(シクロデキストリン)という

もう少し詳しくいうと、CIの主成分であるサイクロデキストランが、黒糖などの食品にも含まれる環状オリゴ糖の一種になります。

サイクロデキストランの大きな特徴は、酵素の働きで「プラーク(歯垢)の形成を抑える」ことです。

プラークは、むし歯菌や歯周病菌などの細菌と、多糖(グルカン)の集合体です。

むし歯菌は ”GTF” という酵素の働きによって糖から不溶性グルカンを合成し、プラークが形成されます。

CIの主成分サイクロデキストランは、この ”GTF”の働きを阻害する機能を持っています。

【イメージ|CIはGTFの働きを阻害する】

出典:日新製糖|歯垢の形成を抑制する

オリゴ糖という「糖」なのに、むし歯を防ぐというと違和感を覚える方がいるかもしれませんが、CIは虫歯菌の力をブロックする「糖」、いわば、「虫歯菌に糖を利用させないオリゴ糖」なのです。

子どもから大人まで摂取できる安全な素材​​である上に、無味無臭で、一般的な糖分と一緒に摂っても効果を発揮するCIは、オーラルケア商品以外にも、​​チョコレートなどのお菓子に積極的に使用されています。

3-2.CI入りのオーラルケア商品を取り入れるメリット

CI入りのオーラルケア商品を特におすすめしたいのは、他にはないメリットがあるからです。

  • 形成されたプラークを除去できる
  • プラーク指数が下げられる
  • 糖と一緒に摂っても効果を発揮する

順にみていきましょう。

3-2-1.形成されたプラークを除去できる

CI入りのオーラルケアを取り入れる大きなメリットは、形成されたプラークを除去できることです

形成されたプラーク(バイオフィルム※)に対する影響を調べた実験で、CIには、プラークを破壊して減少させる効果があることがわかりました。

【検証|CIは形成されたバイオフィルム(プラーク)を破壊し減少させる】

※バイオフィルム:細菌および細菌が産生する菌体外粘性多糖体が固相表面に形成した集合体。ここでは、プラークをさす

バイオフィルム(プラーク)は、なかなか取れない排水口のヌメリをイメージしていただくとわかりやすいでしょう。

先述のように、これまではデンタルフロスや歯間ブラシを使わない限り、粘り気のあるプラークは除去できず、溜め込まれてしまっていました。

しかし上記の研究で、CIを使えばプラークを破壊し減少させられることが判明したのです。

CI入りのマウスウォッシュや歯磨き粉なら、デンタルフロスや歯間ブラシに頼ることなく、簡単にプラークを取りきって、口臭問題の解決につながる可能性があります。

3-2-2.プラーク指数が下げられる

一般的な口腔スプレーは一時的に口臭を消すだけですが、CI入りの口腔スプレーは、口内環境を根本的に改善します

既に形成されたプラークを除去するだけでなく、口臭の元となるプラークの発生自体を抑えることができるのです。

【ヒト試験での検証|口腔スプレーのプラーク形成抑制効果】
1日三回、食後の口腔ケア実施後、5プッシュずつ噴霧するし、試験前、1週間後、2週間後とプラーク指数と口臭スコアを調べた試験で、共に顕著に低下した結果が得られた。

時間と共にプラーク指数が低下していった結果から、CIには徐々にプラーク形成を抑制していく効果があることが分かりました。

3-2-3.糖と一緒に摂っても効果を発揮する

CIは同じ目的で使用される他の素材と違い、糖と一緒に摂っても効果を発揮します

たとえば、よく知られるキシリトールは、「虫歯菌が利用できる一般的な糖分」と一緒に摂ると大きな効果は発揮されません。

糖と一緒に摂っても効果があるのは、プラークの原因である不溶性グルカンの合成を阻害できる『CI』だけです

【検証|他のオーラルケア商品との違い】
むし歯菌によるグルカン生成量を測る実験で、CIだけが糖の存在下でも強いグルカン生成阻害効果を示し、プラークの形成を抑制することが分かっています。

このため、CIは、オーラルケア商品だけでなく、糖分を多く含むチョコレートやガム、グミなどにも使用され、「糖を摂ってむし歯やプラークの発生を抑える」独自の効果を発揮しているのです

いかがでしょう。

CIは、これまで課題であったプラーク対策ができるオーラルケア素材として、医学界からも注目を集めています。

天然にも存在する安心・安全な素材でありながら、口内トラブルの根本原因であるプラークにアプローチする強力な効果が複数の実験で検証されてきたからです。

現在CIは、日常使いのオーラルケア商品だけでなく、歯磨きが難しい外出中や災害時の対策や、要介護者やペット向けのケア商品などにも採用が広まりつつあります。

口臭を元からケアして発生しにくくしたい方、お使いの歯磨き粉やマウスウォッシュに満足できていない方は、ぜひ一度、CI入りのオーラルケア商品を試してみることをおすすめします。

自分の口臭をチェックする方法

口臭対策について述べてきましたが、対策をしっかり講じても、「においは完全に消えた」と確信を持つのは難しいですよね。

口臭は自分ではわかりづらいので、まだ「におうのでは…」と、不安に思われる方が少なくないと思います。

ここでは、口臭が消えているか、まだあるのかをセルフチェックする方法をご紹介します。

唾液をチェック
息をチェック
舌の状態をチェック
口臭チェッカーを使用する

①と②に関しては、生理的口臭が起こりやすい起床時、空腹時を避けてチェックしてください。

生理的口臭は、1-2-2.すぐ効く!「生理的口臭」対策でご紹介した方法で解消できることが殆どです。

生理的口臭が起きやすい時を避けた状態でチェックしたにも関わらず、においが感じられた場合、病的口臭の可能性があります。

気になる方は、今すぐチェックしてみましょう。

4-1.唾液をチェック

一番簡単なチェック方法は、唾液のにおいを嗅ぐことです。

口臭があるときは、唾液自体ににおいがあることが多いです。

また、唾液が臭いと、それが乾燥して口臭発生につながる可能性もあります。

【唾液チェックの方法】
手を清潔にしてから、指で歯や歯茎の間、舌の上などに触れます。
触れた指のにおいを嗅いで嫌なにおいがする場合、口臭があると思って良いでしょう。

唾液がにおう原因として、歯周病や、歯の表面や舌に汚れが残っていることが考えられます。

4-2.息をチェック

唾液に直接触れることに抵抗がある人は、コップやビニール袋を使って、息で口臭を確認してみましょう

【息をチェックする方法】
コップ、あるいはビニール袋に息を吹き込み閉じ込めてから、においを確認します。
不快なにおいがする場合、口臭がある可能性が高いでしょう。

正確に確認するために、使用するコップやビニールは清潔で無臭のものを使用してください。

4-3.舌の状態をチェック

舌の状態でも、口臭の有無がチェックできます。

舌苔(ぜったい)が付着して、舌が白くなっていると不快なニオイのする「揮発性硫黄化合物」が発生​​し、これが口臭の原因となることがあるのです。

舌苔:皮膚でいう垢。舌の表面に付着する白い苔状のもので、食べカスや粘膜、細菌などで構成されている。​​

【舌の状態をチェックする方法】
鏡の前で舌を出して、舌の状態を確認します。
白や黄色っぽい苔のようなものが付着している人は、口臭が疑われます。

あまり歯を磨かない人、ストレスの溜まっている人は舌苔が溜まりやすい傾向があります。

4-4.口臭チェッカーを使用する

口臭の度合いを数値で知りたい人は、市販の口臭チェッカーを使用する方法があります

【薬局等で購入できる口臭チェッカー】
薬局や家電量販店で手軽に購入できる口臭チェッカーは、息を吹きかけるだけで口臭を測定、数値化して表示できます。
小型で、乾電池で稼働するものが多く、外出先でも自分の口臭をチェックできます。

専門のクリニックで受けるものに比べると精度は劣りますが、他の方法より客観的な判断が得られますので、試して見る価値はあるでしょう。

まとめ

口臭には、健康な人でもおこる「生理的口臭」と、病気が原因の「病的口臭」の2種類があります。

「生理的口臭」は誰にでもおこるものですが、発生が頻繁で慢性的になっている人は、一時的な処置に加えて、腸内環境を整える口臭サプリメントの摂取をおすすめします。

「病的口臭」には、口腔内のトラブルに起因するものと、体の病気からのものがありますが、約8割は「口腔内のトラブル」で、歯に付着したプラーク(歯垢)が元となっています。

ケアをしっかり行っているつもりでも、プラークは磨き残されていることが多いので、有効なオーラルケア商品を使って、できる限り取り除きましょう。

あなたの口臭のお悩み解消に、この記事を大いに役立てて頂けたらと思います。

監修

歯学博士(予防歯科) 加藤 大明