「食事制限しても体重が落ちない…」
「若い頃みたいにすぐに痩せられない…」
50代に入ってから、思うようにダイエット効果が出ないと悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
実は50代が痩せにくいのには、代謝の低下や筋肉量の減少、ホルモンバランスの変化といった明確な原因があります。
今回の記事では、以下の内容を解説します。
この記事でわかること |
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これから本気で体を変えたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
50代がダイエットしても痩せないといわれる3つの原因

50代がダイエットしても痩せないといわれる原因として、以下の3つが挙げられます。
- 基礎代謝が落ちている
- 運動量が落ちている
- エストロゲンの分泌が減っている
それぞれどのような理由なのか、チェックしていきましょう。
1-1. 基礎代謝が落ちている
50代になると筋肉量が減少し、基礎代謝が低下するのが一般的です。
基礎代謝とは、呼吸や体温維持など生命を保つために必要な最低限のエネルギーのことを指します。
その基盤となる筋肉量の減少や内臓機能の低下により、50代になると何もしていない状態で消費されるエネルギーの量が減少してしまいます。
そのため、40代までと同じ食生活を続けていると、消費しきれなかったエネルギーが脂肪として蓄積されやすくなるのです。
基礎代謝が落ちていることを理解し、食生活や運動習慣の改善に励みましょう。
1-2. 運動量が落ちている
50代は仕事や家庭の事情により運動時間を確保しにくく、体力の衰えからも運動量が減少しがちです。さらに在宅ワークの普及やエスカレーターを選ぶ習慣など、日常生活での活動量の低下も拍車をかけています。
運動不足は、カロリー消費の減少だけでなく、筋肉量のさらなる減少を招き、結果的に基礎代謝を低下させる悪循環に陥りかねません。
また、膝や腰の痛みなど身体の不調によって、運動不足になるケースも多く、痩せにくさの背景にあります。
意識的にジョギングやランニングなど、取り組みやすい有酸素運動を始めてみましょう。
1-3. エストロゲンの分泌が減っている
40代後半から50代にかけて、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量は急激に減少します。
エストロゲンには脂肪の燃焼を助け、内臓脂肪の蓄積を抑える働きがありますが、その効果が弱まることで脂質代謝が低下し、体に脂肪がつきやすくなります。
特に内臓脂肪の増加によって、体重が変わらなくても体型の崩れが目立つようになってしまうでしょう。
このホルモンバランスの変化こそが、50代女性が「痩せにくい」といわれる大きな理由です。
更年期の体重増加が気になる方は、以下の記事も参考にしてみてください。
更年期の体重増加が止まらない!5つの原因といつまで続くのかを解説 >>
50代がやりがちな間違ったダイエット方法

50代がやりがちな間違ったダイエット方法として、以下3つに注意しましょう。
- 過度な糖質・脂質制限をしている
- 食事制限だけで痩せようとしている
- 全力で筋トレをしている
これらに1つでも当てはまる場合は、今日から改善するのがおすすめです。
2-1. 過度な糖質・脂質制限をしている
50代からの極端な糖質制限は、筋肉を作るために必要なホルモンの分泌を妨げ、筋肉量の減少を招きやすくなります。
筋肉が減れば基礎代謝も下がり、かえって脂肪をため込みやすい体質へと変化してしまいます。
また、糖質は体の主要なエネルギー源であり、不足すると代謝そのものが低下しかねません。
さらに、脂質もホルモン生成に欠かせない重要な栄養素で、極端に制限すると健康リスクが高まります。
偏った食事制限は50代に逆効果であり、必要な栄養素をバランスよく摂取することが大切です。
以下の記事も参考にして、糖質・脂質制限を行いましょう。
安易な糖質制限は危険!正しい知識で実践しよう。【管理栄養士監修】 >>
2-2. 食事制限だけで痩せようとしている
食事制限のみで体重を落とそうとすると、脂肪だけでなく筋肉まで減少してしまいます。
筋肉が減れば基礎代謝が下がり、痩せにくくリバウンドしやすい体質につながりかねません。
特に筋肉量が減少しやすい50代では、体重が落ちても健康的な引き締まりが失われ、老け込んだ印象になりやすいのが難点です。
健康的に痩せるには、食事管理に加えて筋トレや有酸素運動などを並行して取り入れましょう。
2-3. 全力で筋トレをしている
運動習慣のない状態から、いきなり高負荷の筋トレを始めるのは怪我のリスクを高め危険です。
50代からの筋トレで最も大切なのは「正しいフォーム」であり、重量や回数を追うことではありません。
誤ったフォームで続ければ効果が薄れるだけでなく、関節を痛める原因になります。また、負荷が軽すぎても効果が出にくいため、正しいフォームで少しずつ強度を上げていくことが理想です。
正しいフォームを習得し、無理のない範囲で継続できる環境を整えることが、50代からの筋トレを成功させる秘訣といえるでしょう。
本当に効果のある50代向けのダイエット方法

効果のある50代向けのダイエット方法として、以下が挙げられます。
- 有酸素運動と筋トレを組み合わせて行う
- タンパク質、食物繊維をしっかりと摂る
- 普段の食事で食べる順番を意識する
- 習慣的にストレッチを行う
- 十分な睡眠を取る
1つずつ取り組みやすいものから、対策を行っていきましょう。
3-1. 有酸素運動と筋トレを組み合わせて行う
50代以降は筋肉量が減少し基礎代謝が下がりやすいため、筋トレで筋肉を維持・向上させることが欠かせません。
筋トレを行うと成長ホルモンが分泌され、体脂肪の分解が促進されます。
その後にウォーキングなどの有酸素運動を行うと、分解された脂肪が効率よく燃焼されるため、順番を意識することが大切です。
特に「筋トレを先、有酸素運動を後」の流れは脂肪燃焼効果を最大化できる方法といえます。
ただし、過度な有酸素運動は筋肉量の維持を妨げる可能性があるため、適切なバランスを守ることが重要です。
以下の記事も参考にしつつ、体作りを行いましょう。
自宅で美しいからだに必要な筋肉をつける ボディメイクのスペシャリストが解説 >>
3-2. タンパク質、食物繊維をしっかりと摂る
筋肉の主成分であるタンパク質は、基礎代謝を支えるために不可欠です。体内に貯蔵できないため、朝昼晩の3食でこまめに取り入れることが理想的といえます。
さらに、野菜や海藻、きのこなどに含まれる食物繊維は、血糖値の急上昇を抑え、満腹感を持続させる効果もあります。
鶏ささみや牛もも肉といった高タンパク食材、ごぼうやひじきなどの食物繊維豊富な食品を日常的に取り入れることが効果的です。
タンパク質を手軽にとりたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
プロテインの4つの効果 ダイエットや筋トレに本当に役立つのか専門家が解説 >>
3-3. 普段の食事で食べる順番を意識する
食事の内容を大きく変えなくても、食べる順番を工夫するだけでダイエット効果が期待できます。
まずは、野菜や海藻、きのこなど食物繊維の多い副菜から食べることで血糖値の急上昇を抑えましょう。
その後に、肉や魚などタンパク質を摂取し、最後にご飯やパンといった炭水化物を口にするのが理想的です。
この方法は脂肪をため込みにくい体質づくりにつながり、手軽に始められる点も大きな魅力といえます。
3-4. 習慣的にストレッチを行う
ストレッチを習慣化すると筋肉の柔軟性が高まり、関節の可動域が広がるため体を動かしやすくなります。血行も良くなるので、50代に多い肩こりや腰痛の緩和、疲労回復にもつながるでしょう。
筋肉がしなやかになることで、運動時や日常生活でのけが防止にもつながります。
ただし、長時間行う必要はなく、1回5〜15分程度でも頻度を高めて継続することが大切です。
以下のストレッチはいずれも取り組みやすいため、ぜひ参考にしてみてください。
おすすめなストレッチ | 特徴 |
股関節ストレッチ |
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太もも前面ストレッチ |
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肩甲骨はがし |
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3-5. 十分な睡眠を取る
質の高い睡眠は、心身の疲労回復やストレスの軽減に不可欠です。睡眠不足はホルモンバランスを乱し、食欲増進につながることもあるため、ダイエット中は特に注意が求められます。
最適な睡眠時間は個人差がありますが、日中に強い眠気が起こらない程度を目安にしましょう。
睡眠の質を高めるには、朝に日光を浴びて体内時計を整える、日中に適度な運動を行う、寝室の環境を快適に保つ(室温18〜22度、湿度50〜60%)などが対策としておすすめです。
短時間でも確実に睡眠を確保することが、50代の健康的なダイエットを支える重要な要素になります。
睡眠に関しては、以下の記事も参考になるのでぜひチェックしてみてください。
【医師監修】寝ても寝ても眠いのはなぜ?原因と対処法を詳しく解説 >>
50代がダイエットする際の3つの注意点

50代がダイエットする際の3つの注意点として、以下が挙げられます。
- 朝食は抜かない
- ハードな運動は控える
- 無理のないペースで継続する
それぞれどのような内容になっているのかチェックした上で、ダイエットに取り組みましょう。
4-1. 朝食は抜かない
50代のダイエットで注意したいのは、朝食を抜かないことです。
朝食を抜いてしまうと、夕食から昼食までの間が長時間空いてしまい、体に大きなストレスがかかります。これにより、ストレスホルモンであるコルチゾールが過剰に分泌され、体が脂肪をため込みやすい状態になってしまいます。
さらに、朝食は1日のうちで最もエネルギー消費が高い食事です。特にタンパク質をしっかり摂ることで、代謝が活性化されます。
朝食を抜いて一時的に体重が減ったとしても、長期的には代謝が低下し、かえって痩せにくい体になるリスクがあります。
健康的に、そして長期的にダイエットを成功させるためには、毎日の朝食を習慣にすることが大切です。
4-2. ハードな運動は控える
若い頃の感覚でいきなりハードな運動を始めるのは、50代の体にとって大きな負担となり、怪我のリスクを高めます。
長距離のジョギングや過度な筋トレは関節や腰を痛めやすく、ダイエットどころか健康を損なう可能性も否めません。大切なのは、無理なく続けられる運動を取り入れることです。
例えば、ウォーキングやラジオ体操など、少し息が上がる程度の軽い運動から始めると良いでしょう。
4-3. 無理のないペースで継続する
ダイエットで最も重要なのは、無理のないペースで継続することです。目標体重を達成しても、運動や食事管理をやめてしまえばすぐにリバウンドしてしまいます。
焦らずに、1ヶ月で現在の体重の2〜2.5%を目安にゆっくり減量することが理想です。
日々の小さな体重の変化に振り回されず、長期的な視点で健康的な食事や運動を生活に根付かせましょう。
50代のダイエット成功は、短期的な成果ではなく、持続可能な習慣を築くことにかかっています。
中年太りに悩む方は、以下の記事もあわせて参考にしてみてください。
女性の中年太りはなぜ起こる?中年太りの原因と解決策を紹介 >>
50代のダイエットではサプリメントによる補助も大切

50代になると基礎代謝が低下し、脂肪が落ちにくく戻りやすい体質へと変化していきます。
そのため、食事や運動だけでなく、サプリメントを賢く取り入れることがダイエット成功につながるでしょう。
サプリメントに求められる効能は大きく2つあり、「ついてしまった脂肪を燃焼させること」と「リバウンドを防ぎ、脂肪のつきにくい体へ改善すること」です。
脂肪燃焼をサポートする成分は体のエネルギー代謝を助け、効率的に余分な脂肪を減らします。
一方で、代謝を整えリバウンドを防ぐ成分は、中長期的に脂肪が蓄積しにくい体質づくりに役立ちます。
今だけでなく未来の健康を見据え、サプリメントを補助的に活用することで、無理のない持続的なダイエットが実現できるでしょう。
詳しくは「50代こそ綺麗に痩せたい!50代女性のダイエットを成功させる方法」の記事も参考にしてみてください。
まとめ
50代がダイエットしても痩せないといわれる原因には、基礎代謝や運動量が落ちていること、エストロゲンの分泌が減っていることが挙げられます。
そのため、過度な糖質・脂質制限、食事制限だけで痩せようとするといった50代がやりがちな間違ったダイエット方法を行ってしまうと、一向に効果は得られません。
有酸素運動と筋トレを組み合わせる、タンパク質・食物繊維をしっかり摂取するといった本当に効果のある50代向けのダイエット方法を行うことで、痩せやすくなります。
無理のないペースでダイエットを継続し、痩せやすい体づくりを行いましょう。
補助的にサプリメントを取り入れ、リバウンドを防ぎ、脂肪のつきにくい体へ改善することも大切です。運動や食事制限などと組み合わせ、より効果的なダイエットを行いましょう。