頭皮の嫌なニオイをどうすれば消せる。多岐にわたる原因と対策を専門家が解説

最終更新日 2024年4月17日

監修:健康管理士・サプリメントアドバイザー・漢方養生指導士
望月 みどり

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頭皮のニオイは、実は多くの人が抱える悩みの一つです。

毎日シャンプーをしても改善しない嫌な頭皮のニオイは、どうすれば消せるのでしょうか?

本記事では、頭皮のニオイの原因とその根本からの解決方法について、詳しく解説します。

特に、女性のニオイについて、年齢と共に変化するニオイの特性や対策方法についても触れますので、ぜひ最後までご覧ください。

頭皮のニオイの原因とは

1-1.頭皮のニオイの原因は体の内側から

頭皮は汗をかきやすく、皮脂やフケなどをエサに雑菌が繁殖しやすいため、ニオイが発生しやすい環境にあります。

しかし、頭皮のニオイの発生の原因は、頭皮だけにあるとは限りません。

頭皮(スカルプ)を健康な状態に保つことを考えて作られたスカルプシャンプーや洗浄力の高いシャンプーを使ってもなかなか解決しない頭皮のニオイは、頭皮だけでなく、身体の内側に原因が潜んでいることも多いのです。

1-2.加齢臭による頭皮のニオイ

加齢臭は加齢に伴って発生する「油臭く青臭い」ニオイで、40代以降の方に多い特有のニオイです。

男性、女性にかかわらず、皮脂の酸化によって生じる「ノネナール」という成分が原因といわれています。

加齢臭は全身から発生しますが、特に皮脂腺の多い頭や首の後ろ、胸元、背中などは強くなりやすい部位です。

そのため、40代以降の頭皮のニオイの原因は加齢臭である可能性があります。

1-3.ミドル脂臭による頭皮のニオイ

ミドル脂臭とは、30代〜40代の男性に多く見られる「使い古した油」のようなニオイの体臭のことで、汗のニオイとも加齢臭とも異なる、ミドル世代特有のニオイです。

特に、後頭部から強く臭うことが知られています。

ミドル脂臭の原因は、汗の中の乳酸が皮膚の常在細菌(ブドウ球菌)に代謝されることによって発生する「ジアセチル」とよばれる成分です。

これが皮脂の中鎖脂肪酸と混ざることで、不快なニオイとなります。

ジアセチルの分泌量が最も多いのが、30代〜40代の男性なのです。

そのため、40代~50代以降になるとミドル脂臭は減少する一方で、加齢臭が漂う人の割合が多くなります。

1-4.ホルモンバランスの乱れによる頭皮のニオイ

女性の身体は、月経、妊娠、出産、更年期と生涯にわたって女性ホルモンの影響を受けます。

ホルモンの変動によって皮脂の分泌量や質が変化し、頭皮のニオイが生じることもあります。

とくに更年期には、ホットフラッシュで頭部に多量の汗をかいたり、女性ホルモンの減少により皮脂の分泌量が増えたりすることで、頭皮のニオイが強くなることもあるのです。

1-5.女性は35歳を境にニオイが変わる

10代~20代の女性には、体臭に「ラクトン」とよばれる成分が存在していて、これが若い頃特有の甘いニオイをかもし出しているといわれています。

ラクトンは35歳を境に減少するため、この頃から身体のニオイが変化し始めます。

さらに、ホルモンバランスの変化や、新陳代謝の低下により、嫌なニオイが気になることも多くなります。

1-6.生活習慣の影響による頭皮のニオイ

1-6-1.食事の影響

食事の量や内容は、体内の代謝や分泌物の質に大きな影響を与えるため、頭皮のニオイにも深く関わっています。

特に、脂っこいものや動物性の脂肪、乳製品等が多いと皮脂の分泌量が増え、頭皮のニオイが強くなることがあります。

また、加工食品やアルコールなどの摂取が過剰な場合は、体内の活性酸素が増えるために、皮脂が酸化して加齢臭や頭皮のニオイが強くなります。

1-6-2.睡眠の影響

睡眠不足や睡眠の質の低下はホルモンバランスを乱し、また、免疫力の低下や代謝機能の乱れも引き起こします。

これが皮脂の分泌を促進して頭皮のニオイの原因となる可能性があります。

頭皮のダメージを修復したり新しい頭皮の細胞分裂を促進したりする成長ホルモンは、睡眠中に分泌されます。

頭皮の健康を保つためには、質の良い睡眠が必要です。

頭皮のニオイと頭皮のかゆみの関係

頭皮のニオイと頭皮のかゆみは、どちらも同じ原因によって引き起こされることがあります。

頭皮にかゆみが出ているということは、何らかの菌が増殖して頭皮に炎症が起こっていると考えられます。

例えば、汗や過剰な皮脂分泌、頭皮の乾燥、細菌やカビの繁殖などによって頭皮に異常が起こると、その代謝産物による刺激がかゆみやニオイを発生させるのです。

さらに、頭皮の強いかゆみで、かきむしったり頭皮をこすったりすると、頭皮にダメージを与えて細菌の繁殖が促進され、頭皮のニオイが強くなってしまうこともあります。

頭皮のかゆみを伴った頭皮のニオイが持続する場合は、頭皮に何らかのトラブルが起きている可能性が考えられます。

頭皮に過剰な刺激を与えないようにして、異常がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。

今すぐ消したい頭皮のニオイには、頭皮スプレーがおすすめ

今すぐに何とかしたい頭皮のニオイには、頭皮スプレーを活用して、一時的にニオイを消す方法があります。

頭皮スプレーは、頭皮に直接吹き付けて臭いを消すものがおすすめです。

ここでは頭皮スプレーについて解説します。

3-1.頭皮スプレーのメカニズム

ニオイを消す代表的なメカニズムは、以下の3つです。

1. 香りによるマスキング

最も一般的なメカニズムは、良い香りを付けることで、嫌なニオイを感じにくくするものです。

香りの種類はさまざまで、柑橘系、フローラル系、ムスク系などがあります。

2. 化学的な反応

中和反応や、分子の立体構造のすきまにニオイ成分を取り込む性質を利用するなど、化学反応によって無臭化するものです。

代表的な成分は、シクロデキストリン、亜鉛イオン、カテキンなどです。

3. 殺菌・抗菌

ニオイの原因となる菌を殺菌したり、繁殖を抑制したりすることで、頭皮のニオイの発生を抑えます。

代表的な成分は、エタノール、イソプロパノール、塩化ベンザルコニウムなどです。

ただし、マスキングや化学的な反応の機能を備えたスプレーの中には、成分によって注意が必要なものがあります。

以下の点に注意しましょう。

  • 肌の弱い人は、事前にパッチテストを行う
  • 目に入らないように注意する
  • 子供の手の届かないところに置く
  • 直射日光を避けて保管する

3-2.頭皮の臭いを解消する、頭皮スプレーおすすめの成分

以下に紹介する成分は、直接スプレーを吹き付けることでニオイを消し、肌にも安心なのでおすすめです。

メントール 乳酸メンチル
  • 清涼感を与える
  • 殺菌・抗菌作用
  • 痒み止め効果
  • 清涼感を与える
  • 皮膚の血行促進
  • 殺菌・抗菌作用
ハッカ油 o-シメン-5-オール
  • 清涼感を与える
  • 殺菌・抗菌作用
  • 殺菌・抗菌作用
  • 消臭効果
柿タンニン 茶葉エキス
  • 抗酸化作用
  • 抗菌・抗ウイルス作用
  • 消臭効果
  • 抗菌・抗炎症作用
  • 抗酸化作用
  • 消臭効果
  • 皮膚の保護作用
サトウキビエキス
  • 保湿効果
  • 消臭効果
  • 抗菌・抗炎症作用

これらの成分は、単独で使用するよりも、複数組み合わせることで相乗効果が期待できます。

例えば、メントールや乳酸メンチルで清涼感を与え、柿タンニンや茶葉エキスで抗菌・消臭効果を高めるといった組み合わせが考えられます。

頭皮スプレーは、ニオイの発生を根本的に解決するものではありません。

生活習慣や食生活の改善、体臭サプリメントとの併用も合わせて行うことが大切です。

外からだけじゃない!頭皮のニオイを根本から解決する方法

4-1.加齢臭を減らし根本解決

加齢臭による頭皮のニオイの場合は、体の内側から、加齢臭の発生を抑えるアプローチが効果的です。

加齢臭の原因となる「ノネナール」は皮脂の酸化によって生じるため、酸化を抑える抗酸化対策が大切です。

抗酸化作用のある成分を積極的に摂取しましょう。

4-2.ミドル脂臭を減らし根本解決

ミドル脂臭による頭皮のニオイの場合は、正しいシャンプーの仕方で頭皮までしっかり洗うことが大切です。

また、皮脂の分泌量を増やす脂っこい食事やスナック菓子、動物性の脂肪や乳製品は控えめにしましょう。

甘草や桂皮などの生薬は、ミドル脂臭の原因物質「ジアセチル」の発生を抑える効果があるといわれています。

4-3.頭皮のニオイを根本から消すサプリメントとは

頭皮のニオイの改善に有効な成分は、サプリメントでも効果的に補うことができます。

外からだけでなく、体の内側からのアプローチで、頭皮のニオイの根本解決を目指しましょう。

4-3-1.消臭成分

植物由来のポリフェノールには、さまざまな悪臭成分に対して優れた消臭効果を発揮するものがあります。

それらの消臭成分をサプリメントで摂取することで、体臭の発生を体の内側から抑えることができます。

どのような臭いに効果を発揮する成分が、どれくらい入っているのかを確認するといいでしょう。

4-3-2.抗酸化成分

体の中に活性酸素が増えると、皮脂も酸化が進んでニオイの原因になります。

活性酸素は加齢とともに増えていきますが、飲酒や喫煙、ストレスなどでも多く発生します。

活性酸素を抑える抗酸化成分が含まれたものを選ぶことも大切です。

4-3-3.乳酸菌

ストレスや疲れ、食生活の乱れなどで善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れて腸内環境が悪化すると、腸内で老廃物が腐敗して臭いを発生させます。

腸の中で発生した腐敗臭は、腸管から血液中に取り込まれるために、臭い成分を含んだ血液が全身をめぐることになります。

これが皮膚表面に送られると、汗などに混じって頭皮からも排出されて頭皮のニオイになってしまいます。

そのため、臭わない体を作るには、腸内環境を整えることがとても重要です。

善玉菌を増やす乳酸菌が含まれた体臭サプリメントを選ぶといいでしょう。

4-3-4.安心で飲みやすい

サプリメントは毎日継続して飲むものです。飲みやすい小粒のものが続けやすいでしょう。

タブレットやチュアブルタイプなど口の中で溶かすものは、爽快感の演出や、食べやすく見た目をおいしそうに見せるために、香料や甘味料、着色料などの添加物がたくさん含まれていることも多いです。

毎日口にするものなので、できるだけ添加物等が入っていないものが安心です。

4-3-5.安全品質

サプリメントを選ぶ際は、GMPマークがあるかどうかを確認しましょう。

GMPとは、原料の仕入れから製造、出荷にいたる全ての過程において、製品が安全に作られ、一定の品質が保たれるように定められた規則とシステムのことです。

ガイドラインに則った製造・品質管理が実施されているGMP認定工場で製造された安全なものを選びましょう。

ただし、スペースの関係で、パッケージには表記されていない場合もあります。

ホームページやパンフレット等でより詳しい内容を確認するといいでしょう。

結論!頭皮のニオイの解決は、頭皮スプレーとサプリメントの併用がおすすめ

頭皮のニオイは、皮脂や汗、古い角質などが混ざり合い、雑菌が繁殖することで発生します。

頭皮のニオイを解決するには、以下の2つのアプローチが有効です。

  • 頭皮にあるニオイの原因物質を除去する
  • 体内から体臭の原因物質を抑制する

頭皮スプレーは頭皮に直接吹きかけることで、ニオイの原因物質を除去し、ニオイの発生を抑制することができます。

一方、体臭サプリメントは、体の内側から体臭の原因物質を抑制することで、頭皮のニオイだけでなく、体全体のニオイを改善することができます。

つまり、頭皮スプレーと体臭サプリメントを併用することで、頭皮のニオイをより効果的に解消することができるのです。

ただし、頭皮のニオイ対策には適切なケアと生活習慣の見直しも重要です。

以下は、頭皮のニオイ対策のポイントです。

  • 正しい洗い方で頭皮を清潔に保つ
  • 食生活の見直し
  • ストレス解消
  • 質の良い睡眠

これらのポイントを意識することで、頭皮のニオイを根本的に改善することができます。

自分の頭皮の状態やニオイの原因を理解して、最適な対策を講じることで、清潔感のある快適な毎日を手に入れましょう。

まとめ

頭皮は汗をかきやすく、皮脂やフケなどをエサに雑菌が繁殖しやすいため、ニオイが発生しやすい環境にあります。

しかし、頭皮のニオイの発生の原因は、頭皮だけにあるのではなく、身体の内側に原因が潜んでいることも多いのです。

頭皮の嫌なニオイの原因は、

  • 加齢臭による頭皮のニオイ
  • ミドル脂臭による頭皮のニオイ
  • ホルモンバランスの乱れによる頭皮のニオイ
  • 生活習慣の影響による頭皮のニオイ

など多岐にわたります。

今すぐ何とかしたい頭皮のニオイには、頭皮のニオイを抑えるスプレーを取り入れることでニオイのストレスから解放されるかもしれません。

しかし、頭皮のニオイを根本から解決するには、頭皮のニオイの原因物質を除去する頭皮スプレーと、体の内側からニオイの発生を抑えるサプリメントの併用が効果的です。

「頭皮のニオイは、なかなか消えない」という印象を持っている方も、ぜひご紹介した対策をできることから実践してみてください。

実践する度に、徐々にニオイが軽減されていくことを実感できるはずです。
さっそく今日から始めてみましょう。

監修

健康管理士・サプリメントアドバイザー・漢方養生指導士 望月 みどり