サジー(沙棘)の期待できる7つの効果、効果的な摂取方法、どんな人におすすめであるかを専門家が詳しく解説

2023. 04. 24
監修:望月みどり プロフィールを見る >

漢方養生指導士・サプリメントアドバイザー・健康管理士
女性の健康に関する専門性の高い記事を数多く執筆。 漢方養生指導士、サプリメントアドバイザーの知識を活かし、女性向けサプリメントの開発にも携わる

「サジーの効果が知りたい」
「サジーってよく聞くけど、本当に効果があるのかな?」

このようにお考えではないですか?

サジーはユーラシア大陸産のグミ科の植物です。

果実だけでなく、花や葉、種子が健康食品や薬として使用されます。日本では、ジュースとして取り入れられることが多いです。

サジーとは…
ユーラシア大陸産のグミ科の植物

サジーに期待できる効果としては、主に以下のようなものがあります。

サジーに期待できる7つの効果
肌の健康を守る
心臓の健康促進
血糖値の調整
免疫力の向上
更年期症状の緩和
冷え、むくみの改善
抗酸化作用

このような効果が期待できるとされているサジーですが、「実際に本当に効果があるの?」と気になる方もいるかもしれません。

実は、サジーの効果を実証する科学的根拠はそれほどありません。

しかし、実際にサジーを取り入れた人の多くは、その効果を実感している方が多いのも事実です。

サジーの効果には十分な科学的根拠がないものの…
サジーは栄養価が高く
実際に効果を実感している人も多い

サジーは、一般的な栄養食品がそうであるように、必ず誰にでも効果があらわれるというものではありません。

しかし効率的に豊富な栄養素を摂取できる補助食品として、サジーを取り入れるのがよさそうです。

この記事では、サジーに期待できる効果や摂取方法など、以下の内容を詳しく解説しています。

この記事のポイント
  • サジーに期待できる効果
  • サジーは栄養素が豊富な補助食品
  • サジーの適切な摂取量
  • サジーを効果的に摂取する方法
  • サジーの注意点
  • サジーをおすすめできる人

この記事をお読みいただくことで、サジーの効果や摂取方法等を網羅的に理解していただけるかと思います。

ぜひこの記事を参考に、日常生活にサジーを取り入れるかどうかをご検討ください。

サジーに期待できる7つの効果

この章では、サジーに期待できる効果について解説していきます。

サジーには以下のような栄養素が豊富に含まれているため、さまざまな健康効果が期待できます。

サジーの主な栄養素
ビタミンA、C、K、E、鉄分、カルシウム、マグネシウム、カリウム、銅、亜鉛、フィトステロール(種子と葉)、パルミトレイン酸、不飽和脂肪酸、抗酸化物質、カロテノイド など

これらの栄養素が実際の健康にどのように影響するか、期待できる効果は以下の通りです。

サジーに期待できる7つの効果
肌の健康を守る
心臓の健康促進
血糖値の調整
免疫力の向上
更年期症状の緩和
冷え、むくみの改善
抗酸化作用

ただし、サジーの研究はまだ発展途上です。

ここで上げるような効果を裏付ける十分な科学的根拠があるわけではない点については、注意が必要です。

それでは、それぞれ見ていきましょう。

1-1.肌の健康を守る

サジーを摂取することで、肌の健康の維持を期待できます。

サジーに含まれるビタミンE、K、不飽和脂肪酸、抗酸化物質、フィトステロール、カロテノイドなどの栄養素が、肌の健康を保護したり再生を促進したりする効果が見込まれるからです。

サジーは元々、何世紀にもわたって肌を守る目的でオイル等で使用されてきました。

その用途は美容だけにとどまらず、火傷や炎症の治療にも用いられています。

また、サジーには人間の皮膚に最も多く含まれるオメガ6脂肪酸が豊富に含まれています。これは、湿疹を減らし、乾燥やにきびの改善にも役立つと言われています。

さらに、サジーは古くからシワを減らすなどアンチエイジングを目的として利用されてきました。

【こちらの記事も読まれています】
肌が綺麗になるサプリの選び方 >>

1-2.心臓の健康促進

サジーには、心臓の健康を促進する効果も期待できます。

サジーには心臓病などの病気の改善に役立つ抗酸化及び抗炎症機能をもつ植物化合物である「フィトステロール」が豊富なためです。

フィトステロールは、食事からのコレステロールの吸収をブロックするのにも役立ちます。

悪玉コレステロールによる血管や動脈の閉塞を防げる可能性があるのです。

ある研究によると、高血圧の方が30日間毎日ティースプーン1杯のサジーオイルを摂取し続けることで、血圧レベルの低下が見られました。

コレステロール値の高い方が同じ実験をしたところ、悪玉コレステロールが低下するという結果が出ました。
(ただし、正常値の方への影響はあまりありませんでした。)

このように、サジーによって心臓の健康を促進する効果は期待できるものです。

1-3.血糖値の調整

サジーは、血糖値を健康的な数値に調整することを期待できます。

2021年に行われた実験によると、サジーのピューレを5週間摂取したところで、空腹時の血糖値がわずかに低下したとの結果が出ました。

また、動物実験によると、サジーによってインスリン分泌とインスリン感受性を高めることで、血糖値が下げられる可能性があると言われます。

ただしこれらの実験は、小規模であったり人に対して行われていなかったりと、さらなる研究の余地のあるものです。

とはいえ、現時点で血糖値を調整できる効果が否定されるものではありません。

1-4.免疫力の向上

サジーによって、免疫力の向上が期待できます。これは、サジーのフラボノイド含有量が高い為です。

フラボノイドはポリフェノールの一種で、免疫力の向上が期待できる栄養素です。

サジーにはこのフラボノイドが多く含まれているため、摂取することで免疫力の向上が見込まれます。

人での研究ではまだ証明されていませんが、ある試験管研究によると、サジーの摂取でインフルエンザやヘルペス、HIVウィルスから保護されたという研究があります。

1-5.更年期症状の緩和

更年期の症状は、女性ホルモンのバランスの乱れが原因で、のぼせやほてり、倦怠感、イライラや気分の落ち込みなど、さまざまな症状としてあらわれます。

サジーに含まれるオメガ3脂肪酸には、女性の更年期症状を和らげる効果があると言われています。

オメガ3脂肪酸は人間の体内でつくることのできない「必須脂肪酸」ですので、毎日の食事で補う必要があります。

更年期になると代謝が落ちて太りやすくなるため、油を控えるダイエットを行う方もいるかもしれませんが、体内で女性ホルモンの材料となるのは、脂質です。

サジーなら、ビタミンやミネラルなど豊富な栄養素とともに、ホルモンの材料となる必須脂肪酸も摂取することができるのです。

1-6.冷え、むくみの改善

サジーには血流をよくする作用があるため、冷えやむくみ改善の効果を期待できます。

冷えやむくみは、血行不良が原因で、血液が手足の先まで行きわたりにくくなったり、余分な老廃物がたまってしまったりしている状態です。

毛細血管を広げて血液の流れを良くするビタミンEや、全身に酸素を運ぶヘモグロビンをつくる鉄分が豊富なサジーの摂取で、血流が改善すれば、冷えやむくみなどの症状の改善につながります。

1-7.抗酸化作用

サジーは、フラボノイドやSOD酵素など活性酸素を除去する抗酸化作用を持つ成分を豊富に含んでいます。

活性酸素は細胞を傷つけ、老化やガン、生活習慣病を引き起こす原因となる物質です。

抗酸化成分を豊富に含んだサジーで、体の中を錆びつかせる活性酸素から身を守ることは、老化や、がん、生活習慣病などの予防につながります。

サジーは栄養素が豊富な補助食品

ここまでにも解説してきたように、研究対象とされる機会が少ないことから、効果に対する科学的な根拠は十分ではありませんが、サジーには豊富な栄養素が含まれています。

たとえサジーを摂取する効果としての科学的根拠が少なかったとしても、十分な栄養素を効率的に摂取できるという点については疑う余地がありません。

また、やせた土壌や高地など寒暖差の激しい厳しい環境でも育つため、サジー(沙棘)は「生命の果実」とよばれ、中国大陸では古くから食品や薬として愛用されてきました。

5千年以上にわたって、人々の健康を守ってきた実績があるのです。

もちろん、「サジーを飲んだから絶対にアンチエイジングができる」「肌の艶が戻ってくる」「免疫力が上がる」などの絶対的な期待を寄せることはおすすめできません。

あくまでも栄養素が豊富な補助食品として、サジーを日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

サジーを効果的に摂取するには

それではここで、サジーを効果的に摂取するために知っておくべきことを見ておきましょう。

ここでは、以下の2つについて解説します。

この章のポイント
サジーの適切な摂取量
サジーの摂取方法

それぞれ、見ていきましょう。

3-1.サジーの適切な摂取量

サジーの適切な摂取量に関しては、実は十分な研究がなされているわけではありません。

ジュースで摂取する場合には、1日30~60mlを摂取することが推奨されます。

商品の濃度や形状にもよるため、サジーの商品を購入したら必ず注意書きに記載の摂取量を確認し、それを守るようにしましょう。

サジーは現時点では、飲料として摂取する場合に明確な副作用が報告されているわけではありません。摂取量に関してはあまり気にしすぎる必要はないでしょう。

3-2.サジーの摂取方法

サジーの一般的な摂取方法としては、以下の3つが挙げられます。

  • ジュースでの摂取
  • サプリメントからの摂取
  • オイルからの摂取

サジーは「シーバックソーン」という呼び名で海外でも古くから注目されており、ジュース以外にもサプリメントやオイルとして良く活用されています。ただし日本においてはジュースでの摂取が一般的です。

近年は日本でも、ジュース以外にもサプリメントやサジーオイル(又はサジーオイルを含んだ美容液)が手に入ります。

目的や効能をみながら、自分に合ったものを取り入れてみましょう。

サジー摂取の3つの注意点

サジーを摂取する場合、以下の3点については気を付けておきましょう。

  • 肌から摂取する場合には、赤くなったりかゆくなったりすることがある
  • リンゴ酸などを多く含むため、胃が弱い方お腹が痛くなることもある
  • 薬の効果に影響する可能性がある

ここまでにも解説した通り、サジーには特に副作用が報告されていないため、摂取量や摂取の仕方などにそれほど気にしすぎる必要はありません。

ただしオイルで肌から摂取する場合には、人によっては赤くなったりかゆくなったりすることがあります(これはサジーに限らず、どのような化粧品にも言えることです)。

またサジーにはリンゴ酸などを多く含むため、飲むことでお腹が痛くなってしまうことがあります。

胃の弱い方はなるべく空腹時をさけ、牛乳や水で割って飲むことをおすすめします。

最後に、サジーを飲むことで薬の効果に影響することがあります。

例えば、サジーには血液をサラサラにする効果があるとされています。

もしすでに、血液をサラサラにする薬を服用している場合には、効果を促進しすぎてしまうといった可能性があります。

サジーを飲むことで、薬の効きを良くしすぎてしまったり、逆に低減させたりといった可能性もあります。

薬を服用されている方は、摂取の前に必ず医師に相談するようにしましょう。

サジーをおすすめできる人

それでは最後に、サジーをおすすめできる人についてみていきましょう。

  • 免疫力を高めたい方
  • 肌の健康を維持したい方
  • 血糖値の上昇を抑えたい方
  • 血圧を下げたい方
  • 血栓症などの疾患を予防したい方
  • 更年期症状を緩和したい方
  • 冷え、むくみを改善したい方

サジーに含まれる栄養素は、健康維持や病気の予防を期待できます。

サジーは年齢に関わらず、誰にでもおすすめできるものです。

ただし、ここまでにも解説した通りサジーを摂取することで必ず明確な効果を約束できるわけではありません。

あくまでも補助食品として、日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

まとめ

以上この記事では、サジーに期待できる効果や摂取方法など、以下の内容を詳しく解説してきました。

この記事のポイント
  • サジーに期待できる効果
  • サジーは栄養素が豊富な補助食品
  • サジーの適切な摂取量
  • サジーを効果的に摂取する方法
  • サジーの注意点
  • サジーをおすすめできる人

この記事をお読みいただくことで、サジーの効果や摂取方法等を網羅的に理解していただけたかと思います。

ぜひこの記事を参考に、日常生活にサジーを取り入れるかどうかをご検討ください。

Recommend
おすすめ記事

サプリ辞典
40代女性に必要なサプリを症状別に解説。更年期指数セルフチェック付き
サプリ辞典
50代女性におすすめのサプリ。必要成分、効能について専門家が解説。
サプリ辞典
イソフラボンサプリはアグリコン型を選ぶべき。その理由を解説
女性の不調
女性が飲むべきサプリと、その摂り方を専門家が紹介