「50代に入ってから、体重がどんどん増える…」
「更年期の体重増加を止める方法はあるの?」
そんなふうに悩んでいませんか?更年期に入ると、「今までと同じ生活をしているのに急に体型が変わった」と感じる女性は多いものです。
本記事では、更年期に体重が増えやすくなる5つの原因や、更年期で痩せる人と太る人の違い、更年期太りの対処法などについて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
そもそも更年期とは

更年期とは、閉経前後の約10年間のことを指します。日本人女性の平均的な閉経年齢は50歳前後のため、更年期はおおよそ45〜55歳ごろです。
更年期において、女性の身体では卵巣の働きが徐々に低下し、女性ホルモンである「エストロゲン」の分泌量が大きく減少します。
エストロゲンは、女性の心と身体のバランスを保つために欠かせないホルモンで、自律神経や感情、脂質代謝、骨の健康などにも深く関わっています。
そのため、エストロゲンが急激に減ると、下記のようなさまざまな不調があらわれやすくなります。
- のぼせ
- 過度な発汗
- イライラ
- 不安感
- 睡眠の質の低下 など
体型の変化や体重増加も、更年期において起こりやすい症状のひとつです。次の章からは、更年期に体重増加が止まらない理由について解説します。
更年期に体重増加が止まらない5つの原因

更年期に入ると体重が増えやすくなる原因は、「年齢のせい」だけではありません。女性ホルモンの急激な変化や、代謝・筋肉量の低下、ストレスによる食欲の乱れなど、さまざまな要因が考えられます。
ここでは、更年期の体重増加につながる主な原因について見ていきましょう。
2-1. 女性ホルモンの減少
更年期に入ると卵巣の機能が低下し、女性ホルモンである「エストロゲン」の分泌量が急激に減少します。
エストロゲンは脂肪の代謝や分布に関係しており、内臓脂肪の蓄積を抑える働きもあります。そのため、エストロゲンの分泌量が減ると脂肪がつきやすくなってしまうのです。
また、エストロゲンは、食欲を抑えるホルモンである「レプチン」の分泌もサポートしています。更年期でエストロゲンが減少し、レプチンが減って満腹感を得にくくなることも、食べ過ぎや体重増加につながる原因のひとつとして考えられます。
2-2. 基礎代謝の低下
基礎代謝とは、身体を動かさなくても生命維持のために消費されるエネルギーのことです。日本人女性の基礎代謝は12~14歳ごろがピークであり、その後は年齢とともに低下します。
基礎代謝が下がると、若いころと同じ食事量や運動量でもエネルギーを消費しにくくなり、余分なカロリーが脂肪として蓄積されやすくなります。その結果、これまでと変わらない生活を送っていても、太りやすく痩せにくい体質になってしまうのです。
2-3. 筋力量の低下
筋肉の量は、年齢とともに徐々に減少していきます。筋肉は基礎代謝を維持するうえで重要な組織であり、筋肉量が減ると、その分エネルギー消費量も低下してしまいます。
とくに運動習慣がない方や、デスクワーク中心の生活をしている方は、筋肉の減少スピードが速まりやすく、運動習慣がある方よりも太りやすくなるでしょう。
2-4. ストレスによる過食・自律神経の乱れ
更年期で女性ホルモンの分泌が乱れると、イライラや不安感といった精神的なストレスを感じることがあります。
こうしたストレスは食欲を過剰に刺激することがあり、暴飲暴食を招いて体重増加につながることもあります。とくにストレスを「食べること」で解消しようとする傾向がある方は、体重の増加が加速しやすくなります。
2-5. 睡眠の質の低下
更年期は、ホルモンバランスの変化により、「寝つきが悪い」「夜中に何度も目が覚める」といった睡眠の悩みが生じやすい時期です。睡眠不足になると、エネルギー代謝が下がって脂肪が燃えにくくなります。
また、睡眠不足だと、食欲を高めるホルモンである「グレリン」が増え、食べ過ぎを抑えるホルモンである「レプチン」が減ります。その結果、空腹感を感じやすくなり、食べ過ぎにつながりやすくなってしまうのです。
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更年期の体重増加はいつまで続くの?

更年期の体重増加は、ホルモンバランスが落ち着く閉経後数年でゆるやかになるといわれています。しかし、ホルモンバランスが安定しても、自然に体重が元に戻るとは限りません。
更年期が過ぎたあとも、加齢による筋肉量の減少や基礎代謝の低下は続き、脂肪が燃えにくい状態が続くためです。何も対策をしなければ、少しずつ体重が増え続ける可能性もあります。
東洋医学で考える|更年期の体重増加の原因

東洋医学において、身体の健康は「気・血・水」のバランスによって保たれていると考えられています。
- 気(き):身体のエネルギー
- 血(けつ):身体の栄養
- 水(すい):身体の水分
更年期にはこの「気・血・水」のバランスが崩れやすく、代謝が下がったり、身体の水はけが悪くなったりすることもあります。その結果として、脂肪の蓄積やむくみが生じ、体重増加につながります。
また、更年期は、東洋医学でいう「腎(じん)」の機能が低下しやすい時期です。腎の働きが衰えると水分代謝が落ち、老廃物や脂肪が体内に蓄積することで太りやすくなると考えられています。
体重増加が止まらないとどうなる?放置するリスクとは
更年期の体重増加を「年齢のせいだから仕方ない」と放置すると、高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病のリスクが高まる恐れがあります。
また、体型の変化によって自己肯定感が下がり、ストレスやイライラ、うつ症状といったメンタル面に影響することもあります。
こうしたリスクを避けるためにも、「年齢のせい」とあきらめずに、食事の見直しや適度な運動といった生活習慣の工夫をすることが大切です。
更年期で痩せる人と太る人の違い

同じ更年期でも、「太る人」と「痩せる人」がいるのはなぜでしょうか。その違いには、体質や遺伝、生活習慣の違いなどが関係しています。
基礎代謝や筋肉量は、加齢とともに徐々に低下します。その状態で若いころと同じような生活を続けていると、消費しきれないエネルギーが脂肪に変わるため、「太りやすくなった」と感じる方も多いでしょう。
一方で、代謝が落ちにくい体質の方や、日ごろから運動やバランスの取れた食事を心がけている方では、更年期でも体型があまり変わらない、もしくは痩せるといったケースもあります。
更年期で「痩せる人」と「太る人」の違いについてより詳しく知りたい方は、下記の記事もぜひご覧ください。
更年期で「痩せる人」と「太る人」の違いは?痩せ体質になるための5つの習慣を解説 >>
更年期太りを止める5つの習慣

「何をしても痩せない……」
「年々、身体が重くなってきた……」
そんな悩みを抱える方にこそ知ってほしいのが、毎日の小さな習慣の積み重ねです。更年期の体重増加には、ホルモンや代謝の変化だけでなく、日々の生活習慣が深く関係しています。
ここでは、更年期の体重増加を食い止めるために実践したい「5つの習慣」を紹介します。
- 高タンパク・低糖質の食事を意識する
- 無理せずにできる運動を続ける
- 睡眠の質を高める
- イライラ・不安を鎮める
- サプリメントや漢方薬の活用
今日からすぐに実践できることばかりなので、ぜひ取り入れてみてください。
7-1. 高タンパク・低糖質の食事を意識する
更年期は筋肉が減りやすく、基礎代謝も落ちやすいため、筋肉の材料となる「タンパク質」の摂取が重要です。肉、魚、卵、大豆製品などのタンパク源をバランスよく食事に取り入れましょう。
また、白米やパン、お菓子、ジュースなどの糖質を摂りすぎると、血糖値の急上昇を招き、脂肪が蓄積しやすくなります。
過度な糖質制限をする必要はないので、「いつもよりご飯を少なめに盛る」「4枚切りの食パンを6枚切りにする」など、無理のない範囲でできる工夫を取り入れてみましょう。
7-2. 無理せずにできる運動を続ける
運動習慣をつけることで、筋肉量の維持や、代謝の低下を防ぐ効果が期待できます。
激しい運動でなくても、日常のなかで続けやすい運動を習慣化することが大切です。ウォーキングや、ストレッチ、通勤ついでの早歩きといった軽い運動でもOKなので、無理のない範囲で続けてみましょう。
7-3. 睡眠の質を高める
更年期における体重管理には、良質な睡眠を確保することが大切です。睡眠不足になると、ホルモンバランスの乱れや基礎代謝の低下を引き起こし、太りやすくなってしまいます。
睡眠の質を高めるためにも、寝る前のスマホの使用やカフェインの摂取は避けましょう。軽いストレッチやアロマの使用などで、リラックスする時間を設けるのもおすすめです。
7-4. イライラ・不安を鎮める
更年期は、ホルモンの変動によって、イライラや気分の落ち込みが起こりやすくなります。その結果、ストレスによる過食につながることもあります。
ストレスをゼロにすることは難しいので、ヨガやアロマ、好きな音楽を聴くなど、自分に合った方法でストレスを溜めない工夫をしましょう。
7-5. サプリメントや漢方薬の活用
「食事制限や運動だけではなかなか体重が減らない……」とお悩みの方は、サプリメントや漢方薬を取り入れるのもひとつの方法です。
たとえば、女性ホルモンに似た作用をもつ「エクオール」や「大豆イソフラボン」を含むサプリメントは、更年期特有の不調の緩和に役立つとされています。
また、医師や薬剤師と相談しつつ、体質や症状に合わせた漢方薬を活用するのも効果的です。
更年期太りにおすすめのサプリメント

更年期は、ホルモンバランスの乱れや代謝の低下により、体重が増えやすくなります。
そんなときに活用したいのが、糖質カットサプリメントです。糖質カットサプリメントには、食事で摂った糖の吸収を抑える働きがあり、脂肪として蓄積されるのを抑える効果が期待できます。
糖質は、そのままの状態では身体に吸収されず、「α-グルコシダーゼ」と呼ばれる酵素によって分解されたあとに体内に取り込まれます。
糖質カットサプリメントは、この酵素の働きを抑えることで、糖の体内への吸収量を減らします。
<糖質の吸収を抑える成分の例>
- セキレンカ
- 桑葉
- グアバ
- サラシア
- ギムネマ
もちろん、ダイエットの基本は食事や運動といった生活習慣の見直しですが、「外食が続く日」や「甘いものを食べたい日」のサポートとして、上手に取り入れるのもおすすめです。
更年期の体重増加に関するよくある質問

ここからは、更年期の体重増加に関するよくある質問に回答します。
9-1. 40~50代の女性が太る原因は更年期だけですか?
更年期は、ホルモンバランスの変化により太りやすくなる時期ですが、それだけが原因とは限りません。加齢によって筋力が低下し、基礎代謝が落ちることも大きな要因です。
さらに、仕事や家庭でのストレスが重なり、つい食べ過ぎてしまうケースも少なくありません。「仕事で責任のある立場に就いた」「子どもの反抗期や親の介護が重なった」といったことでストレスを感じ、無意識のうちに食べ過ぎて体重が増えてしまうこともあります。
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9-2. 更年期の体重増加が止まらない場合、病院の何科を受診すべきですか?
生活習慣を見直しても体重の増加が止まらず、医療機関の受診を検討する場合は、婦人科や内科に相談しましょう。
更年期の体重増加には、女性ホルモンの変動だけでなく、甲状腺機能の低下や糖尿病などの病気が隠れている可能性もあります。不安な方や、いつもと異なる症状が見られる方は、医療機関で詳しい検査を受けてみましょう。
まとめ
更年期の体重増加には、ホルモンバランスの乱れだけでなく、加齢や生活習慣、ストレスなどのさまざまな要因が関係しています。
「年齢のせいだから仕方ない……」と感じるかもしれませんが、体重増加の原因を知って対策することで、理想の体型や健康的な身体に近づくことは十分可能です。
日々の生活習慣の工夫に加えて、サプリメントなどのサポートアイテムを上手に取り入れるのもひとつの方法です。無理をせず、自分のペースで向き合いながら、更年期を健やかに過ごしていきましょう。