【医師監修】肌悩み別の解決法。シミ・くすみ・赤みまで今日からできるケアを徹底解説

2025. 12. 04
監修:師井美樹 プロフィールを見る >

皮膚科医
医療法人スリーエム天神美容皮膚科 師井美樹クリニック 院長
美容医療に携わって16年、1人1人のお悩みをしっかり伺い、その方に合った治療法をご提案。メディアへの出演、執筆も行う。

(https://www.tenjin-skincareclinic.com/about/message/)


「毎日スキンケアを頑張っているのに、なぜか肌の調子がよくならない」

そのような経験はありませんか? もしかしたら、そのケア方法はあなたの肌悩みの原因に合っていないのかもしれません。

乾燥やシミ、シワ、ニキビといった代表的な肌トラブルには、それぞれ異なる原因があり、自己流のケアではかえって悪化させてしまう可能性もあります

本記事では、代表的な肌悩みを7つに分類し、それぞれの原因と解決法を美容皮膚科医師が詳しく解説します。

肌悩みを解決し、理想の美しい肌を手に入れたい方はぜひ参考にしてみてください。

【この記事の概要】
シミ、くすみ、赤みといった肌悩みは、原因に合わせた正しいスキンケアと、食事・睡眠・運動から成る生活習慣の改善を両立させることが鍵となります。

よくある肌悩み一覧とその解決法

監修:医師 師井美樹

ここでは、多くの人が抱える代表的な7つの肌悩みをピックアップし、それぞれの肌悩みが起こる原因や解決方法について解説します。

  1. 乾燥肌
  2. 肌の赤み
  3. 毛穴の開き・黒ずみ
  4. シミ・くすみ
  5. シワ・たるみ
  6. ニキビ・吹き出物
  7. 敏感肌

1-1. 乾燥肌

まずは、乾燥肌の原因と解決法について見ていきましょう。

1-1-1. 原因

肌の乾燥の主な原因としては、加齢や女性ホルモンの低下、栄養不足による肌の水分保持力の低下や、皮脂の分泌量の低下などが挙げられます

また、「熱いお湯で洗顔する」「スキンケアの際にゴシゴシこする」といった間違ったスキンケアも、肌を乾燥させる原因のひとつです。

1-1-2. 解決法

乾燥肌対策には、徹底した保湿ケアが重要です。肌のカサつきが気になる方は、セラミドやヒアルロン酸など、保湿力の高い成分が入ったスキンケアアイテムを選びましょう

化粧水で肌に水分を与えたあとは、乳液やクリームで油分を補い、水分の蒸発を防ぐことが大切です。とくに乾燥が気になる目元や口元には、クリームを重ね付けするとよいでしょう。

肌のうるおいを保つためには、外側からの保湿に加えて、内側からの水分補給も重要です

1日あたり1.2Lを目安に、こまめに水分を摂りましょう。そして肌の潤いを守る天然保湿因子や角質細胞間脂質を作るための栄養(アミノ酸、ビタミン、ミネラル、良質な脂質)がしっかり摂れる食事を心がけましょう。

1-2. 肌の赤み

肌の赤みが出る原因と解決法については、次のとおりです。

1-2-1. 原因

肌の赤みは、乾燥や摩擦などの外部刺激で肌のバリア機能が低下し、炎症が起きることで生じます。また、肌の赤みが長引く場合は、ニキビや酒さ(しゅさ)といった皮膚疾患が隠れている可能性もあります。

1-2-2. 解決法

肌の赤みが目立つ場合、刺激を与えないシンプルなケアを心がけることが大切です。なるべくアルコールや香料を含まない低刺激性の化粧品を選び、肌のバリア機能を高めるために保湿も丁寧に行いましょう。

1-3. 毛穴の開き・黒ずみ

毛穴の開き・黒ずみの原因や対処法について解説します。

1-3-1. 原因

毛穴の開きや黒ずみの主な原因は、過剰な皮脂分泌や角栓の詰まりです

また、紫外線や加齢の影響で真皮のコラーゲンが減少すると、毛穴のハリが失われ、たるみによる毛穴目立ちも起こります。

メイク残りや、不十分な洗顔による汚れの蓄積も黒ずみを引き起こす原因のひとつです。

1-3-2. 解決法

毛穴の開きや黒ずみを改善するためには、クレンジングや洗顔で毛穴汚れをきちんと落とすことが大切です。また、保湿を徹底することで肌がうるおうと、キメが整い、毛穴が目立ちにくくなります。

毛穴の引き締めには、皮脂の分泌を抑えてコラーゲン生成を促す「ビタミンC誘導体」や「レチノール」などが配合された化粧品の使用がおすすめです。

過剰な皮脂分泌を引き起こす原因となる食べ物(高糖質+高脂肪の食べ物;ドーナツ、クロワッサン、パイ、甘い飲み物、白米、パン、ラーメン、ハンバーガー、ポテト、乳製品など)は控えましょう。

1-4. シミ・くすみ

シミ・くすみの原因や解決方法は次のとおりです。

1-4-1. 原因

シミは主に、紫外線によって過剰生成されたメラニンが肌に蓄積することで生じます。また、くすみの原因は、血行不良や糖化、角質肥厚などさまざまです。

加齢や生活習慣の乱れによるターンオーバーの遅れも、メラニンの排出をさまたげ、シミやくすみを悪化させる要因となります。

1-4-2. 解決法

透明感のある明るい肌を目指すなら、徹底した紫外線対策が欠かせません。そのうえで、メラニンの生成を抑える成分(ビタミンC誘導体やトラネキサム酸など)やターンオーバーを促進してメラニンの沈着を防ぐ成分(レチノールなど)が配合された化粧品を取り入れるとよいでしょう。

糖質の摂りすぎに注意し、ビタミンCやポリフェノールなどの抗酸化作用のある食品を積極的に摂ることも、シミやくすみ予防につながります。

1-5. シワ・たるみ

シワ・たるみの原因や解決策について見ていきましょう。

1-5-1. 原因

シワやたるみの主な原因は、加齢によって、肌のハリを支えるコラーゲンやエラスチンが減少・変性することです

紫外線を長年浴び続けていると、「光老化」によってコラーゲンやエラスチンが破壊され、深いシワやたるみを引き起こす要因になります。

また、肌の乾燥によって細かいシワができたり、表情筋の衰えや姿勢の悪さでたるみが生じたりすることもあります。

1-5-2. 解決法

シワ・たるみを改善するには、紫外線対策と保湿ケアが重要です

また、レチノールやペプチドといった成分が配合された化粧品で、ハリや弾力の元となるコラーゲンの生成を促すのも効果的です。

また、肌のハリを保つにはタンパク質とビタミンCと鉄分の摂取が欠かせません。肉や魚、卵、大豆製品など、タンパク質が豊富な食材と緑黄色野菜を積極的に摂取しましょう。

1-6. ニキビ・吹き出物

ニキビ・吹き出物ができる原因や対処法について見ていきましょう。

1-6-1. 原因

ニキビや吹き出物ができる原因には、ホルモンバランスの乱れによる過剰な皮脂分泌や、毛穴詰まり、アクネ菌の増殖などが考えられます

また、睡眠不足や食生活の乱れ、ストレスなどもニキビや吹き出物を悪化させる要因のひとつです。

1-6-2. 解決法

ニキビや吹き出物ができにくくするためには、まずは生活習慣を見直すことが大切です。炎症が強い場合や、ニキビが繰り返しできる場合は、皮膚科へ相談すると早期に改善できるでしょう。

1-7. 敏感肌

敏感肌の原因や対処法については次のとおりです。

1-7-1. 原因

敏感肌の主な原因は、外的刺激やストレス、栄養不足などが原因で肌のうるおいが減少し、バリア機能が低下することです

バリア機能が弱まると、化粧品成分や花粉、マスクの摩擦といったわずかな刺激でも、赤みやかゆみ、ヒリヒリ感などを引き起こしやすくなります。

1-7-2. 解決法

敏感肌のケアで重要なのは、肌のバリア機能を高めることです

スキンケアは、アルコールや香料を含まない低刺激性の製品を選び、保湿を徹底して肌のバリア機能を高めましょう。「肌をこすらない」「紫外線を避ける」など、日々の生活のなかの刺激を徹底的に避けることが大切です。

食事でタンパク質、ビタミン、ミネラル、良質な脂質をしっかり摂り、栄養を消化吸収できるよう腸活も大切です。

参考:NIH

東洋医学における肌悩みの原因と解決法

執筆:サプリメントアドバイザー、漢方養生指導士 望月みどり

東洋医学では、肌トラブルは「気(き)・血(けつ)・水(すい)」のバランスの乱れや、内臓の不調などによって起こると考えられています。

  • 気:身体のエネルギー
  • 血:血液や栄養分
  • 水:体液やうるおい

たとえば、乾燥や敏感肌は「血」や「水」の不足、くすみやクマは「血」の滞り(瘀血)が原因で生じるとされています。

また、東洋医学における「肺」は身体のバリア機能との関連が深いと考えられていて、乾燥による「肺」の防御機能の低下も肌トラブルを引き起こす要因のひとつです。

東洋医学では、漢方薬や鍼灸、季節や体質に合わせた食養生を行うことで、体の内側からバランスを整え、肌悩みの根本的な改善を目指します。

自力で肌悩みを改善する生活習慣

執筆:サプリメントアドバイザー、漢方養生指導士 望月みどり

美しい肌を目指すには、外側からのスキンケアだけでなく、体の内側からもケアすることが大切です。ここでは、美肌づくりのためにおすすめの生活習慣を紹介します。

3-1. 食生活で意識したい栄養素

健康で美しい肌を手に入れるためには、栄養バランスの整った食生活を送ることが大切です

とくに、タンパク質は肌細胞の材料となるので、肉や魚、卵、大豆製品などタンパク源を積極的に取り入れるようにしましょう。

また、シミ予防やコラーゲン生成を助けるビタミンCや、肌の新陳代謝をサポートする亜鉛といったビタミン・ミネラルの摂取も重要です。

一方で、糖質の多いお菓子やジュースの摂りすぎは、肌のくすみやたるみの原因となる「糖化」を招くため注意が必要です。食事の際は、血糖値の上昇がゆるやかな低GI食品を選ぶとよいでしょう。

3-2. 十分な睡眠でホルモンバランスを整える

睡眠中は、肌のダメージを修復し、再生を促す「成長ホルモン」が分泌される時間です。

睡眠不足が続くと、肌を修復する時間が取れないだけでなく、ホルモンバランスが乱れて皮脂が過剰になったり、肌のバリア機能が低下して乾燥やニキビを招いたりと、多くの肌トラブルを引き起こす要因になります。

質のよい睡眠を確保するためにも、就寝前はスマートフォンやPCの操作を控え、リラックスして眠れる環境を整えましょう。

3-3. 運動で肌のターンオーバーを整える

美肌づくりのためには、適度な運動習慣をもつことも大切です。

ウォーキングやサイクリングなどの有酸素運動を取り入れると全身の血流がよくなり、肌のすみずみにまで酸素と栄養が行き渡るようになります。その結果、肌のターンオーバーが整い、乾燥やゴワつき、シミ、くすみなどの肌トラブルが起きにくくなる効果が期待できます。

肌悩みに関するよくある質問

ここからは、肌悩みに関してよくある質問について回答します。

5-1. 肌荒れを治す、即効性のある食べ物はありますか?

食べ物ですぐに肌荒れを治すのは難しいですが、食事内容を工夫することで、肌の修復をサポートすることは可能です

肌の材料となるタンパク質をはじめ、肌の再生を助けるビタミンB群、抗酸化作用のあるビタミンCといった栄養素をバランスよく摂るとよいでしょう。

5-2. 肌質改善には何がいいですか?

肌質を根本から改善したい場合は、スキンケアや美容医療といった外側からのケアだけでなく、「食事・睡眠・運動」といった生活習慣の土台を整えることが重要です

そのうえで、現在の肌悩みに合わせた成分(レチノール、ビタミンC誘導体、ナイアシンアミドなど)をスキンケアで取り入れると、より効果的に肌悩みの改善ができるでしょう。

肌悩みには複合成分を含むサプリメントの活用がおすすめ

執筆:サプリメントアドバイザー、漢方養生指導士 望月みどり

肌悩みの原因には、紫外線や加齢、生活習慣などの複数の要因がからむため、単一成分だけでは対応が難しい場合があります。

複合成分を配合したサプリメントなら、下記のような、肌によい成分をまとめて摂取できるため、総合的に美肌づくりをサポートできます。

  • 肌のハリや弾力を保つ「コラーゲン」
  • 肌の老化を抑制する「ローヤルゼリー」
  • メラニンの生成を抑える「ビタミンC」
  • 皮膚細胞を活性化する「プラセンタ」

サプリメントを選ぶ際は、主に次のような事項を確認してみてください。

  • 天然由来で複合成分が含まれているか
  • 販売元の信頼性
  • 摂取量や注意点の記載

ただし、サプリメントだけで劇的な変化を得るのは難しく、基本的には食生活や生活習慣を改善することが重要です。

サプリメントを選ぶ際は、レビューや値段の安さだけに惑わされず、自分の肌悩みに合った成分を含んだ製品を選んでみてください。

まとめ

この記事では、代表的な肌悩みを7つに分類し、それぞれの原因と解決法を紹介しました。

「スキンケアを工夫したり、美容医療を受けたりしているのに肌の悩みが尽きない」とお悩みの方は、食事や睡眠、運動などの生活習慣の部分を見直してみてください。

肌に必要な栄養素を食事から摂れていないと感じる方は、食生活の改善とあわせて、肌にうれしい成分が配合されたサプリメントを活用するのもおすすめです

この記事を参考にご自身の肌と向き合い、今日からできるケアをはじめてみてくださいね。

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