【医師監修】肌のたるみの原因は?たるみが起きやすい部分や対策も解説

2025. 10. 29
監修:師井美樹 プロフィールを見る >

皮膚科医
医療法人スリーエム天神美容皮膚科 師井美樹クリニック 院長
美容医療に携わって16年、1人1人のお悩みをしっかり伺い、その方に合った治療法をご提案。メディアへの出演、執筆も行う。

(https://www.tenjin-skincareclinic.com/about/message/)


「最近、肌のたるみが気になる」
「スキンケアはしてるのに、どうしてたるむんだろう?」
「たるみの原因を把握して対策したい」

このようなお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?肌のたるみの原因として、皮膚の弾力低下や表情筋の衰えなどが挙げられます。

そこで、この記事では肌のたるみについて、以下の内容を美容皮膚科医師が解説します。

この記事でわかること
  • 肌のたるみの3つの原因
  • 肌のたるみが起きやすい部分
  • やっておきたい5つの肌のたるみ対策

肌のたるみの原因や適切な対処法を知っておきたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。

【この記事の概要】
肌のたるみの主な原因は、皮膚の弾力低下、表情筋の衰え、皮下脂肪の変化の3つです。
たるみを防ぐための対策として、紫外線対策、正しいスキンケア、丁寧な保湿、表情筋のエクササイズ、生活習慣を整えるという5つの習慣を取り入れることが重要です。特にたるみが起きやすい部分は、頬、目の下、あごが挙げられます。

肌のたるみの3つの原因

監修:医師 師井美樹

肌のたるみの原因として、主に以下が挙げられます。

  1. 皮膚の弾力低下
  2. 表情筋の衰え
  3. 皮下脂肪の変化

順番にそれぞれの原因について見ていきましょう。

1-1. 皮膚の弾力低下

肌のたるみの大きな要因のひとつが、皮膚の弾力低下です。加齢や紫外線、乾燥などによって真皮層に存在するコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸が減少・変性し、肌を内側から支える力が弱まってしまいます

参考: 加齢に伴う皮膚の変化 – 獨協医科大学リポジトリ​​

特に紫外線による「光老化」は線維芽細胞にダメージを与え、弾力成分の生成力を奪ってしまいます。その結果、肌は重力に抗えず、徐々にたるみが目立つようになるので対策が必要です。

1-2. 表情筋の衰え

顔の皮膚や脂肪を支える役割を持つ表情筋も、加齢や生活習慣によって衰えやすい部分です。

近年はスマートフォンの長時間使用や、コミュニケーションの変化により無表情の時間が増え、筋肉が使われにくくなっています。

表情筋が弱まると皮膚や脂肪を支える力が不足し、重力で下がることでたるみが生じます。

さらに、口呼吸や噛む回数の少ない食生活も筋肉の低下を助長し、フェイスラインの緩みに直結してしまうので意識的に対策するように心がけましょう。

1-3. 皮下脂肪の変化

加齢に伴い、皮下脂肪の量や位置が変化することもたるみの一因となります。額やこめかみの脂肪が減少し、下方へ移動することで口元やフェイスラインにボリュームが集中し、もたついた印象を与えかねません。

逆に脂肪が増えすぎると、筋肉が支えきれずに二重あごを招きやすくなってしまうでしょう。

また、急激なダイエットで脂肪が減少しすぎると皮膚が余り、かえってたるみが目立つ場合もあります。皮下脂肪は落としにくいため、日常的なケアが重要です。

なお、50代の方で顔のたるみを改善したいと考えている方は、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。

肌のたるみが起きやすい部分

監修:医師 師井美樹

肌のたるみが起きやすい部分として、以下の3つが考えられます。

  1. 目の下
  2. あご

多くの方に現れやすい部分なので、ぜひ参考にしてみてください。

2-1. 頬

頬は脂肪細胞が多く、顔の中でも特にたるみが目立ちやすい部位です。皮膚の弾力低下や表情筋の衰えに加え、皮下脂肪の増加や下垂によって重みがかかりやすく、下方向に引っ張られることでたるみが進行します。

その結果、ほうれい線やマリオネットラインが深く刻まれ、顔全体の輪郭が崩れやすくなります。頬のたるみは見た目を大きく左右するため、早めのケアが重要です。

2-2. 目の下

目の下は皮膚が非常に薄く、加齢の影響が出やすい部分です。皮膚の弾力低下や目の周囲の筋肉の衰えにより、皮下脂肪が前に押し出されることでたるみが目立ちます。

その下にできるくぼみが影となり、クマのように見えて老けた印象を与えることも少なくありません

また、加齢による骨の萎縮も皮膚を支える力を弱め、目の下のたるみをさらに進行させる要因となってしまうでしょう。

目の下のたるみで悩む方は、以下の記事もチェックしてみてください。

2-3. あご

あごや口周りの筋肉は日常生活であまり使われにくいため、加齢による衰えが早く現れます

筋力が低下すると皮膚や脂肪を支える力が不足し、フェイスラインが崩れて二重あごが目立ちやすくなってしまうでしょう。特にあご下は重力が強くかかる部位であり、皮膚の弾力が低下するとすぐにたるみが進行します

さらに、あご下に脂肪が蓄積することもたるみの原因となり、顔面全体の印象を老けさせてしまうこともあります。

やっておきたい5つの肌のたるみ対策

監修:医師 師井美樹

やっておきたい5つの肌のたるみ対策として、以下が挙げられます。

  1. 紫外線対策を行う
  2. 正しいスキンケアを行う
  3. 丁寧な保湿を心がける
  4. 表情筋のエクササイズを行う
  5. 生活習慣を整える

肌のたるみが気になる方は、今日から取り入れてみてください。

3-1. 紫外線対策を行う

肌のたるみを防ぐ上で欠かせないのが紫外線対策です。紫外線はコラーゲンやエラスチンを破壊し、光老化と呼ばれるダメージを引き起こします。

これによりシミやシワが増えるだけでなく、肌の弾力低下が進み、たるみが目立ちやすくなります。

参考: 皮膚の光老化とその予防に関するコンセンサスステートメント-日本香粧品学会誌​​

日焼け止めは季節や天候に関係なく毎日使用し、帽子や日傘を取り入れることで紫外線対策が可能です。日常的な習慣として徹底し、美しい肌を維持できるようにしましょう。

以下の記事もチェックし、美肌を保つためのコツを掴んでみてください。

3-2. 正しいスキンケアを行う

スキンケアにおいては、摩擦を避けて肌に優しく触れることがたるみ予防の基本です。洗顔はたっぷりの泡で包み込むように行い、こすらないことを意識しましょう。

また、化粧水や美容液を選ぶ際には、コラーゲンやエラスチンの生成をサポートする以下の成分が配合されているかを確認することが大切です

成分 特徴
レチノール
  • ビタミンAの一種で、肌のターンオーバーを促す働きがある
  • 真皮でコラーゲンやエラスチンの生成をサポートし、ハリや弾力を改善
  • シワやたるみの予防・改善に有効とされ、エイジングケアの定番成分とされる
ビタミンC誘導体
  • 活性酸素を除去する強力な抗酸化作用で、シミやくすみを防ぐ
  • メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすの改善や美白効果をサポート
  • コラーゲン生成を助け、ハリや弾力のある肌に導く
ペプチド
  • アミノ酸がいくつもつながった成分で、肌のタンパク質の材料になる
  • 肌細胞に信号を出す働きがあり、ハリ改善に直結
  • バリア機能を整えて水分保持力を高め、乾燥小ジワ対策につながる

マッサージをする際はクリームなどをたっぷり使い、肌への負担を減らすことを心がけましょう。

プロのスキンケア法は、以下の記事で詳しく解説しています。

3-3. 丁寧な保湿を心がける

乾燥は肌のバリア機能を弱め、ハリを失わせる大きな要因です。化粧水や美容液で水分を補給した後には乳液やクリームでしっかりと蓋をし、水分が蒸発しないように守りましょう。

ヒアルロン酸やセラミド、シアバターなどの高保湿成分を含む製品を取り入れると、潤いを長時間キープできます。肌の内側までうるおいを届けることで、弾力のある若々しい印象を維持することにつながるでしょう

内側からの乾燥肌対策として、以下の記事をチェックしてみてください。

3-4. 表情筋のエクササイズを行う

顔の表情筋は使わなければ衰えてしまい、肌を支える力が弱まってたるみの原因になります

特にマスク生活やリモートワークで表情が乏しくなりがちな今、意識的に筋肉を動かすことが大切です。

口を大きく動かす「あいうえお体操」や舌で歯茎をなぞる「舌回し体操」などは、隙間時間に手軽に行えるエクササイズです。

対策として、以下の習慣を取り入れてみましょう。

体操名 手順 メリット
あいうえお体操
  1. 口を大きく「あ」→「い」→「う」→「え」→「お」と形を変えて発声
  2. 各ポーズを5秒ほどキープして2〜3回繰り返す
顔全体の表情筋をまんべんなく動かせて、シワやたるみの対策にもおすすめ
舌回し体操
  1. 口を閉じたまま舌先で歯茎の外側を時計回りに20周させる
  2. 次に反時計回りに20周
舌と口周りの筋肉を同時に動かせるため、ほうれい線やたるみの改善にもつながる
割り箸エクササイズ
  1. 割り箸を歯(犬歯)で軽く挟む
  2. 口角を割り箸よりも上に引き上げるように意識
  3. そのまま30秒キープ
  4. ゆっくり戻していく
笑顔をつくる筋肉、大頬骨筋がしっかり鍛えられ、口元のリフトアップが期待できる

3-5. 生活習慣を整える

外側からのケアに加え、生活習慣を整えることもたるみ予防には欠かせません

肌や筋肉の材料となるタンパク質や、コラーゲン生成を助けるビタミンC、鉄分を意識的に摂取することで内側からのサポートが可能です。

さらに、睡眠不足やストレス、喫煙、アルコールや糖質の摂り過ぎは肌老化を加速させるため改善が必要です。姿勢にも注意し、猫背やうつむき姿勢を避けることでフェイスラインの崩れを防ぎましょう。

肌の若返りを実現するために、以下の記事もおすすめです。

肌のたるみに関するよくある質問3選

監修:医師 師井美樹

肌のたるみに関するよくある質問として、以下をご紹介します。

  1. 肌のたるみは痩せると治る?
  2. 肌がたるみやすい人の特徴は?
  3. 肌がたるみやすい骨格があるって本当?

それぞれ詳しく見ていきましょう。

4-1. 肌のたるみは痩せると治る?

肌のたるみが痩せることで改善するかどうかは、一概には言えません。脂肪の増加によって皮膚が押し広げられている場合、体重を減らすことでハリが戻る可能性はあります。

しかし、急激なダイエットで脂肪だけを落とすと、皮膚がその変化に追いつけず余ってしまい、かえってたるみが目立つこともあるでしょう

特に無理なダイエットを繰り返した経験は、顔のたるみやすさに直結すると考えられています。そのため、たるみ改善を目指す場合は、元の肌状態や痩せ方によって結果が大きく異なることを理解しておきましょう。

4-2. 肌がたるみやすい人の特徴は?

肌のたるみやすさには、加齢や遺伝による肌質だけでなく、日常の生活習慣も深く関わっています

紫外線を長時間浴びることや、睡眠不足、ストレス、喫煙、食生活などの習慣は肌の老化を加速させ、ハリを失わせやすい要因です。さらに、表情をあまり動かさない生活や姿勢の悪さは表情筋の衰えを招き、たるみにつながりかねません。

無理なダイエットの繰り返しやむくみやすい体質(タンパク質不足)もリスクとなるため、自身の習慣や体質を見直すことが予防の第一歩といえるでしょう。

4-3. 肌がたるみやすい骨格があるって本当?

実際に骨格の違いは、肌のたるみに大きく影響します。骨は皮膚や筋肉を支える土台であり、生まれつきくぼみやへこみの多い骨格は支えが弱いため、その部分にシワやたるみが生じやすくなります。

さらに加齢によって顔の骨密度は低下し、骨自体が痩せて萎縮していきます。

その結果、皮膚や脂肪を十分に支えられなくなり、重力の影響で下へ引っ張られてしまうので注意が必要です。

肌のたるみを解決したいならサプリメントの併用もおすすめ!

執筆:サプリメントアドバイザー 望月みどり

肌のたるみを解決したい場合は、基本的な対策はもちろん、サプリメントで栄養成分の補給をするのもおすすめです。

肌のたるみを解決する成分としては、以下のようなものが挙げられます。サプリメントで、内臓や血管を整えるのを助け、体の内側から肌を輝かせましょう。

  • 肌のハリや弾力を保つ「コラーゲン」
  • 抗酸化・アンチエイジング効果が見込める「ローヤルゼリー」
  • メラニンの生成を抑える「ビタミンC」
  • 皮膚細胞を活性化する「プラセンタ」

一度たるんだ肌は、どんなに高価な化粧水を塗っても、すぐさま目に見えるほどの改善は見込めません。

一方で、サプリメントを短期間飲むだけでも、すぐにハリが劇的に回復することは難しいでしょう。

一番効果的な方法としては、肌トラブルの原因に沿った対策を取りつつ、サプリメントで栄養素を補っていく方法が考えられます。

数多く販売されている肌悩みのサプリメントの中から、効果の出やすいものを選ぶ際の6つのポイントは、以下の通りです

  1. 天然由来成分のサプリメントを選ぶ
  2. 複合成分配合のサプリメントを選ぶ
  3. レビューや体験談だけを指標にしない
  4. 販売業者の名前・相談窓口の有無を確認する
  5. 摂取量や注意点など必要な情報の有無を確認する
  6. 安価な商品にとびつかない

加えて、失敗しないサプリの選び方を理解するために、以下の記事も参考にしてみてください。

まとめ

肌のたるみの原因として、皮膚の弾力低下、表情筋の衰え、皮下脂肪の変化などが挙げられます。

さらに頬、目の下、あごなどは特にたるみが目立ちやすい部分であることを把握しておくことが大切です。

普段から、紫外線対策や適切なスキンケアなどを行って、肌のたるみを食い止めましょう。

肌のたるみを改善したいと考えているのであれば、基本的な対策はもちろん、コラーゲン、ローヤルゼリー、ビタミンC、プラセンタなどが含まれたサプリメントの摂取がおすすめです。

肌のたるみを効果的に防ぐために、サプリメントもぜひ取り入れてみましょう。

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