更年期関節痛に効くサプリの選び方!3つのポイントを徹底解説

2025. 06. 03
監修:望月みどり プロフィールを見る >

漢方養生指導士・サプリメントアドバイザー・健康管理士
女性の健康に関する専門性の高い記事を数多く執筆。 漢方養生指導士、サプリメントアドバイザーの知識を活かし、女性向けサプリメントの開発にも携わる

「最近、膝がギシギシして階段が辛い…」
「手がこわばって動かすと痛い」
「関節痛を和らげる方法を知りたい」

更年期障害とは、閉経の前後10年ほどに起こる心身の不調が日常生活に支障をきたす状態です。日本人女性においては、概ね50歳前後で更年期を迎える方が多いとされています。

更年期に表れる心身のさまざまな不調のなかでも、悩んでいる方が多いのが関節痛。動くたびに痛みがあると、日常生活でずっとストレスを感じることになります。

そこで、この記事では以下の4点について解説します。

この記事でわかること
  • 更年期関節痛の原因と症状
  • 更年期関節痛に効果的な栄養素
  • サプリメントの選び方
  • 更年期関節痛を和らげるサプリメント以外の方法

多くの女性が避けて通れない更年期の不調。うまく付き合って毎日を快適に過ごすためにも知っておきたい内容なので、ぜひ最後までお読みください。

更年期関節痛の原因と症状を解説

更年期の関節痛は、女性ホルモン「エストロゲン」の減少が大きな原因です。エストロゲンが減ると、関節を包む薄い膜である「滑膜(かつまく)」の働きが低下することがわかっています。

滑膜は軟骨の働きを助け、関節をスムーズに動かす役割を担っているため、働きが低下すると関節がギシギシしたり痛んだりします。また、加齢によって関節内の水分量が減ることや、筋肉や軟骨が衰えることも、関節痛の原因です。

更年期の関節痛には、以下のような症状が見られます。

  • 関節がポキポキ鳴る
  • 肩・手指・膝などが痛む、あるいは動かしにくい
  • 朝起きたとき、関節がこわばって動かしにくい
  • 関節が腫れているように見える
  • 皮膚の下を虫が這うような感覚がある

手や膝など、日常的によく使う関節に不調が出やすいのが特徴です。

また、以下のような症状が出た場合も、更年期による関節痛を疑うとよいでしょう。

  • 階段の上り下りがしにくくなった
  • 重い物を持ち上げたあと手が固まる
  • お気に入りのヒールが履けない

放置すると関節が変形し、二度と元に戻らなくなる可能性があります。違和感を感じたら、すぐに対策を練ることが重要です。

更年期関節痛に効くサプリメントに含まれる5つの成分

こちらでは、関節痛の緩和にとくに効果が期待されている成分を紹介します。それぞれ少しずつ効果が異なるので、自身の症状に合ったものを選び、サプリメント選びの参考にしてくださいね。

  1. エクオール
  2. オメガ3脂肪酸
  3. コラーゲン
  4. カルシウム
  5. マグネシウム

それぞれ詳しく確認していきましょう。

2-1. エクオール

エクオールは、女性ホルモンのエストロゲンの代わりとして働き、更年期の関節痛をやわらげるサポートをしてくれる成分です。

大豆イソフラボンが腸内細菌によって分解されるとエクオールに変わり、体内のエストロゲン受容体と結びつくことで、エストロゲンと同じような働きをします。そのため、エストロゲンが急激に減少する更年期には、代わりとなるエクオールを摂取することは非常に効果的です。

エストロゲンのように滑膜の働きをサポートできるので、関節の痛みやこわばりをやわらげる効果が期待できます。

しかし、日本人の約半分は腸内でイソフラボンからエクオールを作れないため、サプリメント等で積極的に摂取するのがおすすめです。イソフラボンよりもエクオールを摂取した方が、更年期障害の改善には高い効果が望めます。

エクオールのサプリについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご確認ください。

2-2. オメガ3脂肪酸

オメガ3脂肪酸は関節の炎症を抑える働きを持つ栄養素で、更年期の関節痛に非常に効果的です。

オメガ3脂肪酸は青魚や亜麻仁油に多く含まれ、体内で炎症をやわらげる作用を持つことで知られています。主な種類は以下の3つです。

  • α-リノレン酸(ALA)
  • エイコサペンタエン酸(EPA)
  • ドコサヘキサエン酸(DHA)

オメガ3脂肪酸を定期的に摂ることで体の中から炎症を鎮め、関節の違和感を軽減できるでしょう。サプリメントを選ぶ際は、ぜひ注目してみてくださいね。

2-3. コラーゲン

コラーゲンは関節のクッション材のような役割を担っており、関節の滑らかな動きを支えています。

更年期に入ると女性ホルモンの減少が原因でコラーゲンの生成量が少なくなってしまうため、骨同士が直接ぶつかるようになり、関節痛が引き起こされます。

関節が滑らかに動くようにするため、コラーゲンは意識して補いましょう。吸収率の高い低分子コラーゲンが配合されたサプリメントもあるので、チェックしてみてくださいね。

2-4. カルシウム

更年期のカルシウム不足は骨をもろくして骨折のリスクを上げるだけではなく、関節痛の原因になります。また、更年期に減少する女性ホルモンのエストロゲンは、骨からカルシウムが流出するのを防ぐ効果があります

そのため、更年期以降はカルシウムが骨から流れ出やすく、骨密度が低下しやすい状態になります。骨密度が下がると骨は衝撃を吸収できなくなり、吸収できなかった衝撃が関節まで及ぶことで、関節痛が引き起こされます。

カルシウムを効果的に摂取するためには、併せてビタミンDなどを摂取するのがおすすめです。サプリメントを選ぶ際は、両方含まれているものを選んでくださいね。

2-5. マグネシウム

更年期の関節の痛みには、女性ホルモンエストロゲンの減少に加えて筋肉や神経の緊張が関与している場合があります。

マグネシウムには骨の形成を助ける働きに加え、筋肉を緩めたり、神経の興奮を抑えたりする作用があります。

そのため、関節そのものの痛みだけでなく、周囲の筋肉の緊張による違和感や動かしづらさを軽減することが期待できるでしょう。

ストレスや睡眠不足によってマグネシウムは体内から失われやすいので、サプリメントで積極的に摂取するのがおすすめです。

更年期関節痛に効くサプリメントの選び方のポイント3選

「更年期の関節痛が辛い」「不調を少しでも和らげたい」という方のために、こちらでは更年期の関節痛に効くサプリメントの選び方のポイントを解説します。

  1. 複合成分配合のサプリメントを選ぶ
  2. 医学的根拠があるか確かめる
  3. 継続しやすさを考える

あなたの不調に直接アプローチできるものを選ぶことが重要です。それぞれ詳しく確認していきましょう。

3-1. 複合成分配合のサプリメントを選ぶ

更年期の関節痛には、2種類以上の成分が配合された「複合成分配合」のサプリメントがおすすめです。更年期には関節痛だけではなく、以下のようにさまざまな不調が同時に表れることが多いからです。

  • 冷え
  • 疲労感
  • 情緒不安

複数の不調が複雑に絡み合って別の不調として表れていることも多いため、根本的な解決を目指すためにも、さまざまな成分が配合されているものを選びましょう。

東洋医学由来の成分やスーパーフードが配合されているものは、とくにおすすめです。伝統生薬をベースにしたサプリメントには、体全体のバランスを整える働きがあるとされており、根本的なケアにつながります。

さまざまな不調が組み合わさって表れる更年期の症状と、体全体のバランスにアプローチして不調を解決していく東洋医学の考え方は、非常に相性がよいといえるでしょう。

女性特有のホルモンからくる不調には、悩みに総合的にアプローチする複合成分配合の総合サプリメントを選んでみてください。

3-2. 医学的根拠があるか確かめる

「サプリメントに医学的根拠があるのか」は必ず確かめて買うようにしてくださいね。「このサプリメントで元気になった!」という感想が多いから、という理由で選ぶのはおすすめできません。

以下のような科学的なエビデンスがあるかどうかを、必ず確認しましょう。

  • 医師や専門家の監修があるか
  • 臨床試験のデータがあるか
  • 第三者機関による認証があるか

科学的なエビデンスがないサプリメントは、確かな効果が保証されていないため、お金や時間を無駄にしてしまう可能性があります。最大限の効果を得て不調を改善するためにも、購入を検討する際は、エビデンスがあるかどうかを調べてみるのがおすすめです。

3-3. 継続しやすさを考える

効果を実感するためには、毎日しっかり飲み続けることが非常に重要です。ところが、粒が大きすぎて飲みにくかったり価格が高すぎたりすると、続けるのがストレスになってしまいます。

サプリメントを購入する際には、以下のポイントも確認しておきましょう。

  • 粒の大きさや飲みやすさ
  • 1日あたりのコスト
  • 入手できる場所

取り入れやすさは、サプリメントの効果を最大限引き出すために重要です。無理をせずに続けられるものを選びましょう。

更年期関節痛を和らげるサプリメント以外の方法3選

「薬に頼りすぎたくない」「できることから始めたい」という方におすすめの、3つのセルフケア方法を紹介します。

  1. 適度に運動する
  2. お風呂で温まる
  3. 食事に気を遣う

すぐにできる、日常の少しの工夫でも痛みを軽減できることがあります。それぞれ詳しく確認していきましょう。

4-1. 適度に運動する

体をこまめに動かすことで、関節痛などの更年期の症状全般の緩和につながります。毎日10分間のストレッチを3週間続けた人たちは、運動をしていない人と比べて更年期症状および抑うつ症状が有意に低いという実験結果もあります。

参考: 中年女性の更年期症状および抑うつ症状に対する ストレッチの効果​​

ハードな筋トレである必要はなく、気軽にできる有酸素運動やストレッチがおすすめです。買い物に歩いて行ってみる、掃除中に意識して体を動かしてみる、など日常生活で無理なくできることから始めてみましょう。

4-2. お風呂で温まる

お風呂にゆっくり入ることも、更年期の関節痛にとって大切なケアになります。湯船に浸かることで血流が良くなり、筋肉の緊張がほぐれるため、痛みが和らぐ効果が期待できます。

自律神経のバランスも整いやすくなるので、落ち込みやすいといった精神面の症状緩和にも効果的です。

38〜40度のぬるめのお湯に、就寝の1〜2時間前に入るのがおすすめです。

湯船の中で軽くマッサージをしたり、アロマや入浴剤を使ったりして、リラックスしながら入浴することも更年期関節痛の緩和効果が期待できます。

4-3. 食事に気を遣う

栄養素が不足すると骨や筋肉が衰えるため、関節痛を悪化させる可能性があります。とくに、以下の栄養素は普段の食事で意識して摂るようにしましょう。

  • カルシウム:骨を強く保つ
  • ビタミン類:疲れにくい体をつくる
  • 鉄分:ふらつきや貧血の予防に役立つ

不足する栄養素はサプリメントで補うことを検討してもよいですが、まずはなるべく日常の食事を改善していくことがおすすめです。

また、カフェインやアルコールはホルモンバランスを乱す可能性があるため、摂りすぎには気をつけてくださいね。

更年期関節痛に効くサプリメントは複合成分配合のものを選ぼう

更年期の女性特有の不調には、単一成分よりも複合成分の総合サプリメントがおすすめです。更年期の不調は関節痛に限らず、生理不順や冷え、めまいなど多岐に渡り、複雑化しているからです。

複雑化した悩みにアプローチするためには、さまざまな成分を組み合わせて摂る必要があります。なかでもおすすめしたいのは、東洋医学の見地から生まれた伝統生薬やスーパーフード由来のサプリメントです。

伝統生薬やスーパーフードは、心身のバランスを整えることにアプローチしており、目的に沿った成分がバランスよく配合されています。

東洋医学では、からだの不調や症状を「からだ全体のバランスの崩れ」ととらえます。そのため、東洋医学をベースとしたサプリメントはからだ全体のバランスにアプローチできるので、複雑化した更年期の不調との相性が抜群です。

まとめ

更年期には女性ホルモン「エストロゲン」が減少することで、さまざまな不調が起こります。とくに関節痛は日常生活において大きなストレスとなりやすく、悩んでいる方も多い症状です。

関節痛を緩和できる栄養素を効率的に摂取できるサプリメントは心強い味方ですが、自分に合ったものを選ぶためにも効果的な栄養素の種類や、選び方のポイントを知っておきましょう

なんとなく選ぶのではなく、栄養素や科学的根拠などをしっかりと確認し、納得してから飲み始めることでよりよい効果が期待できるでしょう。

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