【医師監修】肌のくすみがひどい原因|5つのタイプ別にくすみの改善方法を解説

2025. 11. 17
監修:師井美樹 プロフィールを見る >

皮膚科医
医療法人スリーエム天神美容皮膚科 師井美樹クリニック 院長
美容医療に携わって16年、1人1人のお悩みをしっかり伺い、その方に合った治療法をご提案。メディアへの出演、執筆も行う。

(https://www.tenjin-skincareclinic.com/about/message/)


鏡を見たときに「なんだか顔色が暗い」「疲れて見える」と感じることはありませんか?

それは肌の透明感が失われた「くすみ」のサインかもしれません。肌のくすみには加齢だけでなく、乾燥や血行不良、生活習慣などのさまざまな要因が関係しています

本記事では、美容皮膚科医師が肌のくすみの主な原因をタイプ別に解説し、それぞれに適した対策を紹介します。明るく透明感のある肌を手に入れたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

【この記事の概要】
肌のくすみとは、肌本来の透明感や明るさが失われ、顔全体が暗く疲れて見える状態です。主な原因は、血行不良(青ぐすみ)、乾燥、角質肥厚、糖化(黄ぐすみ)、メラニンの蓄積(茶ぐすみ) の5つのタイプに大別されます。くすみを改善するためには、ご自身の原因タイプを見極めた上で、高保湿スキンケアやピーリングなどのスキンケア と、バランスの取れた食事や質の良い睡眠といった生活習慣の改善 の両面からアプローチすることが重要です。

肌のくすみとは

監修:医師 師井美樹

肌のくすみとは、肌本来の透明感や明るさが失われ、顔全体が暗く疲れて見える状態のことです。

くすみには「青ぐすみ」「黄ぐすみ」「茶ぐすみ」などの種類があり、血行不良や角質肥厚、紫外線によるダメージといった複数の要因が関係しています。

肌のくすみは、加齢や生活習慣の乱れ、ホルモンバランスの変化などによっても生じやすいとされています。

くすみを改善するには、原因を見極めたうえで、スキンケアと生活習慣の両面からアプローチすることが大切です。

肌のくすみの主な5つの原因

監修:医師 師井美樹

肌のくすみはさまざまな種類があり、生じる原因は主に以下の5つに大別されます。

くすみタイプ 主な原因 見た目の特徴
青ぐすみ 血行不良 顔色が悪く、青白く見える
乾燥くすみ 乾燥による角質層の乱れ 肌のキメが乱れ、ツヤがなく見える
角質肥厚によるくすみ 肌のターンオーバーの乱れ 肌がゴワついて見える
黄ぐすみ 糖化 肌が黄色っぽく見える
茶ぐすみ メラニンの蓄積 肌が茶色っぽく見える

それぞれのくすみの原因や特徴について詳しく見ていきましょう。

2-1. 血行不良(青ぐすみ)

睡眠不足や冷え、運動不足などで血流が悪くなると、顔色が青白く、不健康に見えることがあります。とくに皮膚が薄い目元や口元に影響が出やすく、疲れたような印象を与えることも。

とくに女性は冷え性や月経による鉄分不足も影響しやすく、顔色がくすみやすい傾向にあります。

2-2. 乾燥

肌が乾燥すると、水分不足で角質が乱れ、光が乱反射することで肌がくすんで見えやすくなります。

冬場の乾燥した空気や、夏場のエアコンによる影響も、乾燥によるくすみを悪化させる要因のひとつです。洗顔時の摩擦や保湿不足なども、くすみを悪化させる可能性があるため注意しましょう。

さらに更年期では、女性ホルモン(エストロゲン)の減少によって肌のうるおいを保つ力が低下するため、乾燥によるくすみがより進行しやすくなります。

2-3. 角質肥厚(かくしつひこう)

「角質肥厚(かくしつひこう)」とは、肌のターンオーバーが乱れることで、本来剥がれ落ちるはずの古い角質が肌表面にたまり、層が厚くなることです。

角質が厚くなると、肌に光が均一に当たらず、くすんだ印象になります。加齢や不適切なスキンケア(洗顔時の摩擦や強い成分のクレンジングなど)、紫外線ダメージなども角質が厚くなる原因のひとつです。

2-4. 糖化(黄ぐすみ)

甘い物や白米、パンなど糖質を摂りすぎると、「糖化」が進行して黄ぐすみが生じることがあります。

「糖化」とは、食事から摂取した糖質が体内のタンパク質と結びつき、「AGEs(終末糖化産物)」と呼ばれる物質が生成される現象のことです。

AGEsは黄褐色なので、肌の内部に蓄積すると、肌を黄色くくすませる「黄ぐすみ」の原因となります。

2-5. メラニンの蓄積(茶ぐすみ)

紫外線を浴びたり、肌を強くこすったりすると、物理的な刺激によって色素細胞である「メラノサイト」が活性化し、メラニンが過剰に生成されます

通常、メラニンは肌のターンオーバーによって排出されますが、過剰に生成されると肌の内部に蓄積して色素沈着を起こし、シミやそばかす、茶ぐすみとなって現れるのです。

東洋医学における肌のくすみの原因

執筆:漢方養生指導士 望月みどり

東洋医学では、肌のくすみは、体の栄養である「血(けつ)」の不足や滞りによって起こると考えられています

「血」の流れをさまたげる要因には、ストレスや冷え、睡眠不足、過労など、さまざまな生活習慣が挙げられます。

血の巡りが滞る「瘀血(おけつ)」の状態になると、皮膚細胞の代謝やメラニンの排出がスムーズに行われず、新しい血液や栄養が十分に届きません。その結果、肌のツヤやうるおいが失われ、くすんだ印象につながってしまうのです。

肌のくすみの原因別の改善策とケア方法

監修:医師 師井美樹

ここからは、くすみの原因別の改善策を紹介します。

  1. 血行不良(青ぐすみ)
  2. 乾燥
  3. 角質肥厚(かくしつひこう)
  4. 糖化(黄ぐすみ)
  5. メラニンの蓄積(茶ぐすみ)

どれも日常生活に取り入れやすい習慣ばかりですので、ぜひこれから紹介する方法を参考にくすみ対策に取り組んでみてください。

4-1. 血行不良(青ぐすみ)

血流をよくするためには、体を温めることが大切です。

毎日シャワー浴の方でも、体を温めるために、なるべく湯船に浸かる習慣をつけてみてください。また、ウォーキングやストレッチなどの軽い運動を日常的に取り入れることでも、全身の血流が改善されやすくなります。

デスクワークが多い方は、首や肩周りのマッサージでコリをほぐすことも効果的です。「1〜2時間に1回は立ち上がって歩くようにする」といったルールを決めておくのもよいでしょう。

食事面では、血液の材料となる「鉄分」や、血流を促す働きのある「ビタミンE」が豊富な食品、体を温める作用のある食材などを積極的に摂ることもおすすめです。また、ホットタオルを顔に当てるといった、直接的な温熱ケアもくすみ対策に役立つでしょう。

4-2. 乾燥

肌の乾燥が気になる方は、セラミドやヒアルロン酸、コラーゲンといった高保湿成分が配合された化粧品を選びましょう。洗顔する際はぬるま湯で、たっぷりの泡で優しく洗うのがポイントです。

スキンケアの際は、目のキワや小鼻、口周りにも指を沿わせて、顔全体に保湿成分を押し込むようなイメージでつけ、最後はハンドプレスで浸透させましょう。手に肌が吸い付くような状態になったら、保湿成分が肌に行き渡ったサインです。

とくに冬場は乾燥しやすいため、加湿器を利用して室内の湿度を50〜60%に保つこともおすすめです。

4-3. 角質肥厚(かくしつひこう)

古い角質が溜まらないようにするためには、2〜4週間に1回程度のピーリングや、酵素洗顔の使用がおすすめです。ただし、やりすぎると肌を傷めたり、乾燥を招いたりする可能性があるので、適切な頻度を守るようにしましょう。

スキンケアアイテムのなかでも、レチノールやビタミンC誘導体などの成分が配合されたものは、肌のターンオーバーを促進し、肌の再生をサポートする働きが期待できます。

スキンケアの際は摩擦レスを徹底し、肌に余計な刺激を与えないよう心がけましょう。

4-4. 糖化(黄ぐすみ)

糖化による黄ぐすみを防ぐためには、糖質を摂りすぎないことが大切です

お菓子やジュース、白米やパンなどの過剰摂取を控え、野菜やきのこ類から先に食べる「ベジファースト」を実践しましょう。これにより、血糖値の急激な上昇を抑えることができます。

カモミールティーやルイボスティー(緑茶はカフェインが含まれるので日常的に摂ることはおすすめしません)など、抗糖化作用のある飲み物を日常的に摂ることも効果的です。

4-5. メラニンの蓄積(茶ぐすみ)

メラニンの蓄積を防ぐためには、美白有効成分が配合された化粧品の使用がおすすめです。

美白作用が期待できる成分には、トラネキサム酸やナイアシンアミド、ビタミンC誘導体などが挙げられます。これらの成分は、メラニンの生成を抑制し、すでにできてしまったメラニンの排出を促す効果も期待できます。

また、茶ぐすみを防ぐためには紫外線対策を徹底し、洗顔やスキンケアなどにおける摩擦ダメージを防ぐことも重要です。日焼け止めを日常的に使用するだけでなく、日傘や帽子などで紫外線を物理的に防ぐ工夫も行いましょう。

肌のくすみに関するよくある質問

監修:医師 師井美樹

ここからは、肌のくすみに関してよくある質問と回答について記載します。肌のくすみの原因や対処法についてより詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

5-1. 肌のくすみの原因になる食べ物はありますか?

お菓子や揚げ物、ジャンクフード、加工食品などの糖質や脂質の多い食品を摂りすぎると、糖化や酸化を促進し、肌の黄ぐすみや茶ぐすみの発生につながることがあります

くすみ対策には、メラニンの生成を抑える「ビタミンC」や、抗酸化作用のある「ポリフェノール」を豊富に含む野菜や果物を積極的に摂ることがおすすめです。バランスの取れた食生活を心がけ、抗酸化作用のある食材を積極的に取り入れましょう。

5-2. 顔の茶色いくすみがひどい場合の原因はなんですか?

顔全体が茶色くくすんでいる場合、長年の紫外線ダメージの蓄積や、摩擦によるメラニン色素の沈着などが原因として考えられます

頬骨の高い位置に、左右対称にモヤモヤと広がるくすみがある場合は、主に女性ホルモンの乱れが原因で生じる「肝斑(かんぱん)」である可能性もあります。セルフケアでも長期間改善が見られない場合は、皮膚科の専門医へ相談するとよいでしょう。

透明感のある肌を目指すには複合成分を配合したサプリメントがおすすめ

執筆:サプリメントアドバイザー 望月みどり

肌のくすみの原因は多岐にわたるため、外側からのスキンケアだけでは対応できない場合もあります。そのようなときには、体の内側からアプローチするインナーケアとして、サプリメントを活用するのもひとつの方法です。

コラーゲンやローヤルゼリー、ビタミンC、プラセンタなどの複数の成分を組み合わせることで、くすみに対して体の内側から総合的にアプローチできるでしょう。

ただし、サプリメントはあくまで食事の補助として取り入れるものです。バランスの取れた食事を基本とし、ご自身のライフスタイルや肌悩みに合わせて、賢く取り入れてみてください。

まとめ

肌のくすみが生じる原因には、血行不良や乾燥、角質肥厚、糖化、メラニンの蓄積など、さまざまなものが挙げられます。

透明感のある美しい肌に近づくためには、まずご自身のくすみタイプを正しく理解し、原因に合ったケアを続けることが大切です。

くすみを改善するためには、日々のスキンケアを見直すだけでなく、バランスの取れた食事や質のよい睡眠といった生活習慣を整えることも重要です。

仕事や家庭のことで忙しく、なかなか必要な栄養素を食事から摂れない方や、美肌に必要な成分を効率よく摂りたい方は、食事の補助としてサプリメントを活用する方法もあります。

明るく美しい肌を手に入れたい方は、ぜひ本記事で紹介した対処法を試してみてくださいね。

Recommend
おすすめ記事

美容
美肌を目指す!アンチエイジングサプリ完全ガイド。サプリの選び方を専門家が解説
美容
【医師監修】50代の美容サプリ「総合サプリ」がおすすめな理由を美容皮膚科医が解説
美容
肌が綺麗になるサプリの選び方。美肌になる条件を専門家が詳しく解説
美容
【医師監修】50代の顔のたるみを改善したい!顔のたるみの原因と対策について専...