更年期の肌荒れはいつまで?赤みやブツブツの原因と対策を解説

2025. 10. 02
監修:望月みどり プロフィールを見る >

漢方養生指導士・サプリメントアドバイザー・健康管理士
女性の健康に関する専門性の高い記事を数多く執筆。 漢方養生指導士、サプリメントアドバイザーの知識を活かし、女性向けサプリメントの開発にも携わる

更年期に入ると、肌質が急に変化し、赤みやブツブツ、かゆみなどの肌荒れに悩まされることがあります。「いつになったら肌荒れから解放されるのだろう…」と不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

更年期は一般的に45〜55歳ごろだとされており、ホルモンバランスが落ち着けば肌の不調も徐々に改善するケースが多いといわれています。

ただし、生活習慣やストレスの影響によっては、更年期を過ぎても肌荒れが長引く可能性があるため注意が必要です。

この記事では、更年期に肌荒れが起こる原因や特徴、具体的な対策方法について詳しく解説します。

更年期の肌荒れはいつまで続く?

個人差はありますが、更年期にともなう肌荒れは数年程度で落ち着くケースが多いとされています。

ただし、ホルモンの分泌が落ち着いても、偏った食生活や睡眠不足、ストレスなどが原因で閉経後も症状が続くことがあります。

また、加齢とともに肌老化も進むため、何も対策せずに放置するとシワやたるみ、くすみといった肌トラブルが目立ちやすくなることも。

「更年期が終われば自然に治る」と油断せずに、生活習慣の改善や適切なスキンケアを続けることが大切です。

更年期に肌荒れが起こる原因

更年期に肌荒れが起きる原因には、主に次のようなものがあります。

  • エストロゲンの減少
  • 肌のターンオーバーの乱れ
  • ストレスや自律神経の乱れ

それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。

2-1. エストロゲンの減少

更年期に生じる肌荒れの原因には、女性ホルモンのひとつである「エストロゲン」の減少が大きく関わっています。

エストロゲンには、肌の弾力性や保湿力を維持する「コラーゲン」の生成を促す働きがあります。そのため、更年期になってエストロゲンの分泌量が低下すると、乾燥やたるみ、小ジワといったトラブルが現れやすくなるのです。

さらに、皮脂分泌をコントロールする「プロゲステロン」も同時に減少するため、水分と油分の両方が不足し、肌荒れを引き起こしやすくなると考えられます。

2-2. 肌のターンオーバーの乱れ

更年期に入ると加齢やホルモンバランスの変化によってターンオーバーが遅くなる傾向があります。

肌のターンオーバーが正常に行われないと、古い角質が肌に残り、毛穴が詰まりやすくなってニキビやブツブツの原因になります。

2-3. ストレスや自律神経の乱れ

更年期は、職場での責任増加や家庭環境の変化、親の介護などが重なり、心理的なストレスが大きくなりやすい時期です。

強いストレスは血流を悪化させ、肌に必要な栄養や酸素が届きにくくなるため、乾燥やかゆみが悪化しやすくなります。

また、女性ホルモンであるエストロゲンの減少は自律神経の乱れを引き起こし、血行不良や肌のバリア機能低下を招くことで肌荒れが悪化します。

更年期に起こる肌荒れの特徴

更年期に入ると、肌の乾燥や赤み、かゆみ、ニキビなどの肌トラブルが起きやすくなります。

ここからは、更年期に生じる肌荒れの特徴とそのメカニズムについて見ていきましょう。

3-1. 乾燥・ひりつき

更年期に入ると、女性ホルモンの分泌量が減少し、肌の水分保持力や皮脂の分泌量が低下します。その結果、肌の潤いと油分が不足し、乾燥によって肌のバリア機能が弱まってしまうのです。

バリア機能が低下した肌は、外部刺激に過敏になるため、乾燥やひりつきを感じやすくなります。肌が乾燥すると、つっぱり感やひりつきのほか、角質層がはがれることで肌のツヤがなくなったり、ゴワつきによって化粧ノリが悪くなったりすることもあります。

3-2. 赤み

更年期には、肌の乾燥が進んで外部刺激に敏感になるため、少しの摩擦や刺激でも赤みや炎症が出やすくなります。とくに頬や鼻まわりは毛細血管が集中しているため、赤みが目立ちやすい部位です。

また、更年期特有の「ホットフラッシュ」も肌の赤みの原因になります。自律神経の乱れによって体温が上がると、顔や首周りの血管が拡張し、一時的にほてりや赤みが現れます。

3-3. かゆみ

エストロゲンの低下によって肌が乾燥すると、外部刺激に敏感になり、かゆみが出ることがあります。

肌の水分が不足すると、洋服の繊維との擦れといった少しの刺激に反応して、かゆみやチクチク感を感じることも。肌をかきむしると炎症が悪化し、さらにかゆみや赤みなどが悪化する可能性があるので注意しましょう。

3-4. ニキビ(ブツブツ)

ホルモンバランスの乱れによって皮脂分泌が不安定になると、毛穴に古い角質が詰まりやすくなります。

年齢とともに肌のターンオーバーが遅くなると、古い角層が剥がれ落ちずに肌表面に残り、毛穴が詰まりやすくなってアクネ菌が増殖します。その結果、大人ニキビがアゴやフェイスラインを中心に出やすくなるのです。

参考:AAD

更年期の肌荒れ対策

更年期の肌荒れは、日々の生活習慣の見直しやスキンケアの工夫で改善できる可能性があります。

  • スキンケアを徹底する(洗顔・保湿・紫外線対策)
  • 食事を工夫する
  • 睡眠時間を確保する
  • サプリメントを活用する
  • 必要に応じて医師に相談する

それぞれの対策方法のポイントについて、詳しく見ていきましょう。

4-1. スキンケアを徹底する(洗顔・保湿・紫外線対策)

更年期の肌は乾燥しやすく、とてもデリケートな状態です。

洗顔時は肌に負担をかけないようたっぷりの泡で優しく洗い、ぬるま湯で丁寧にすすぎましょう。ゴシゴシ擦るような洗い方は、肌のバリア機能をさらに低下させるため避けてください。

スキンケアの際は、セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分が配合された化粧品を選び、水分を補った後は、乳液やクリームでしっかりフタをして潤いを保ちましょう。

紫外線は、肌の乾燥やバリア機能の低下をさらに加速させるため、紫外線対策は季節や天候を問わず行いましょう。日焼け止めを塗るのはもちろん、帽子や日傘なども活用するのがおすすめです。

また、紫外線は窓ガラスを通り抜けるため、家にいるときにも紫外線対策を行いましょう。

4-2. 食事を工夫する

肌荒れを改善するには、スキンケアだけでなく、食事による内側からのケアも重要です。ホルモンバランスの乱れや加齢により、肌の潤いや修復力が低下しやすくなるため、必要な栄養素を意識的に摂りましょう。

肌によい栄養成分の例としては、主に次のようなものが挙げられます。

成分 働き 食品の例
コラーゲン 肌のハリや弾力を保つ 鶏手羽、魚の皮、ゼラチン
ビタミンA 肌のターンオーバーを促す ニンジン、ほうれん草、レバー
ビタミンC コラーゲン生成を助け、抗酸化作用で紫外線ダメージを防ぐ 柑橘類、イチゴ、ブロッコリー
ビタミンE 抗酸化作用、血流促進作用 ごま、アーモンド、アボカド
ビタミンB群 肌のターンオーバーを整え、皮脂分泌をコントロールする 豚肉、納豆、乳製品
大豆イソフラボン 女性ホルモンに似た働きをし、更年期の肌荒れ改善に役立つ 豆腐、納豆、豆乳

上記のような成分を含む食材を、普段の食生活に積極的に取り入れましょう。糖分や脂質、添加物の多い食品は肌荒れを悪化させるため、なるべく控えるのがおすすめです。

4-3. 睡眠時間を確保する

睡眠時間が短い、睡眠の質が悪いといった状況だと、成長ホルモンが不足し、肌のターンオーバーが乱れて肌荒れが悪化しやすくなります。

睡眠の質を低下させないように、就寝前のスマホの使用やカフェインの摂取は避けることが大切です。

「長時間の昼寝は避ける」「日中になるべく動くように心がける」といった工夫でも、睡眠の質が向上しやすくなるでしょう。

4-4. サプリメントを活用する

更年期の肌荒れ対策では、食事から必要な栄養素を摂ることが基本です。

しかし、日々忙しくしていることで、肌に必要な栄養を十分に摂取できないとお悩みの方も多いのではないでしょうか。そのような方は、日々の栄養不足を補う手段としてサプリメントを活用する方法もあります。

たとえば、「大豆イソフラボン」や「エクオール」といった成分は女性ホルモンに似た働きをするため、乾燥や赤みといった更年期特有の肌荒れの改善効果が期待できます。

また、更年期の肌は乾燥しがちなので、肌の潤いやハリをサポートする成分である「コラーゲン」や「ヒアルロン酸」を含むサプリメントを活用するのもおすすめです。

4-5. 必要に応じて医師に相談する

更年期の肌荒れが長引いたり悪化したりする場合は、自己判断せず医師に相談しましょう。

肌荒れの原因がホルモンバランスにある場合は、婦人科でホルモン補充療法(HRT)を受けたり、体質に合わせて処方された漢方薬を服用したりすることでよくなる可能性があります。

また、肌荒れの原因が強いストレスといった精神的なものである場合では、心療内科でのケアで改善されることもあります。

更年期の肌荒れ・ブツブツにおすすめの漢方由来成分

更年期の肌荒れやブツブツは、女性ホルモンの減少による乾燥や自律神経の乱れ、血流不足などが重なって起こりやすいものです。

こうした不調に対しては、体の内側から肌の調子を整える、漢方由来の成分を取り入れるのもひとつの方法です。

肌の健康におすすめの漢方由来成分には、次のようなものがあります。

<クコの実>
肌のターンオーバーを整えるビタミンAが豊富で、皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあります。

<沙棘(サジー)>
ビタミンEやK、抗酸化物質、カロテノイドなどの栄養素を含み、肌のバリア機能を整えて再生を促す効果が期待できます。

これらの成分は普段の食事で摂るのが難しい場合もあるため、健康食品などで補うことがおすすめです。

更年期の肌荒れには女性ホルモンの変化に対応した美容成分を複合配合したサプリがおすすめ

「忙しい毎日の中で、必要な栄養すべてを食事だけで補うのは難しい…」

そんなお悩みをもつ方には、日々の食事の工夫に加えて、サプリメントの活用もおすすめです。

更年期は、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの急激な減少により、肌荒れ、不眠、倦怠感、イライラ、気分の落ち込みなど、複数の不調が同時に現れることがあります。

一つの症状に特化したサプリメントでは、これらの複合的な悩みに十分な効果を感じられない場合も少なくありません。

こうした複合的な不調には、女性ホルモンの変化に対応した複数の成分をバランスよく配合したサプリメントがおすすめです。

単一の成分ではカバーしきれない多岐にわたる悩みに、体の内側から総合的に働きかけ、より効果的にアプローチします。

サプリメントを選ぶ際は、単に症状を和らげるだけでなく、複数の不調に総合的に対応できる成分が含まれているかを確認しましょう。

まとめ

更年期の肌荒れの原因には、女性ホルモンの減少や肌のターンオーバーの乱れ、さらにストレスや生活習慣の影響など、さまざまな要因が挙げられます。

肌荒れ改善の第一歩は、スキンケアや食事、睡眠といった日常生活の見直しです。栄養バランスの取れた食事や質のよい睡眠を心がけることで、肌の回復力を高めましょう。

また、更年期の肌は乾燥しやすいため、保湿や紫外線対策を徹底することも重要です。

仕事や家事、育児、介護など忙しい毎日を送る更年期世代の女性が、日々の食事だけで必要な栄養をすべて補うのは難しいものです。

そんな時は、サプリメントを上手に活用して栄養を補う方法もあります。より綺麗な肌を手に入れ、心身ともに健やかに過ごしていきましょう。

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