更年期の乗り越え方。不調を軽くするための食べ物や飲み物も解説

2025. 09. 29
監修:望月みどり プロフィールを見る >

漢方養生指導士・サプリメントアドバイザー・健康管理士
女性の健康に関する専門性の高い記事を数多く執筆。 漢方養生指導士、サプリメントアドバイザーの知識を活かし、女性向けサプリメントの開発にも携わる

40代半ば〜50代にかけて訪れる「更年期」。心や体にさまざまな不調が現れ、不安や戸惑いを感じる方も少なくありません。

「つらい症状がこの先ずっと続くのではないか」と心配している方も多いでしょう。

この記事では、更年期を乗り越えるための具体的な方法を詳しく解説します。

更年期症状の緩和におすすめの食べ物や飲み物、生活習慣の工夫など、日常に取り入れやすい対策も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

更年期とは

更年期とは一般的に、閉経前後の10年間(45〜55歳ごろ)を指します。この時期は卵巣機能が徐々に低下することで、女性ホルモンである「エストロゲン」の分泌量が大きく減少し、心身にさまざまな影響を及ぼします。

1-1. 更年期の主な症状

個人差はありますが、更年期には主に次のような多様な症状が見られます。

<身体的な症状の例>

  • ホットフラッシュ(のぼせ、ほてり、多汗)
  • 肩こり
  • 頭痛
  • めまい
  • 疲労感、倦怠感
  • 不眠
  • 動悸、息切れ など

<精神的な症状の例>

  • イライラ、怒りっぽくなる
  • 不安感
  • 気分の落ち込み
  • 集中力の低下
  • 無気力感 など

更年期症状の中でも、日常生活に支障が出るほど強い症状が出る場合は「更年期障害」と呼ばれます。

参考: 厚生労働省 働く女性の心とからだの応援サイト​​

1-2. 更年期症状が現れる原因

更年期に心身の不調が起こる主な要因は、女性ホルモンである「エストロゲン」の急激な減少 です。

エストロゲンは、自律神経の働きや感情の安定、骨の健康などに深く関わっています。

そのためエストロゲンの分泌量が減ると、体温調節がうまく行かずにほてりや発汗が起きたり、気分の落ち込みやイライラなど精神的な不調が現れやすくなったりします。

さらに、更年期は仕事での責任増加や、親の介護、家族関係の変化など、心理的・社会的なストレスが増えやすい時期です。

こうしたストレス要因とホルモンの変化が重なり合うことで、不調がより強く現れる場合もあります。

更年期障害が起こりやすい人の特徴

更年期は誰にでも訪れる自然な変化ですが、とくにつらい症状が出やすい人にはいくつかの共通点があります。

ここでは、更年期につらい症状が出やすい人の特徴を見ていきましょう。

2-1. 真面目で責任感が強い

真面目で責任感が強く物事を完璧にこなそうとする人は、ストレスを溜め込みやすく更年期の不調が強く出やすい傾向にあります。

「人に迷惑をかけられない」「弱音を吐けない」といった考え方が、知らず知らずのうちに心身に対する大きな負担となり、不調を加速させる要因となることもあります。

2-2. 家庭環境や職場環境で悩んでいる

更年期世代は、親の介護や家族関係の変化、職場での責任増加といった複数のライフイベントが重なりやすい時期です。

こうした環境によるストレスが続くと自律神経が乱れやすく、休息が十分に取れないことで症状が悪化しやすくなります。

2-3. 生活習慣が乱れている

睡眠不足や不規則な食生活、運動不足などの生活習慣の乱れは、ホルモンバランスを乱す大きな要因です。

とくに更年期は女性ホルモンの分泌が急激に減少するため、生活習慣が乱れている場合はその影響を受けやすく、不調の悪化につながりやすいと考えられます。

更年期の乗り越え方|更年期を軽くする6つの方法

更年期を少しでも快適に過ごすには、毎日の生活習慣や生活環境を整えることが大切です。

ここでは、具体的な更年期の乗り越え方を6つ紹介します。

  • 食生活を整える
  • 無理なく続けられる運動を習慣化する
  • ストレスを溜めない工夫をする
  • サプリメントを活用する
  • 家族に協力してもらう
  • 医療機関に相談する

それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。

3-1. 食生活を整える

栄養バランスのよい食事を心がけることは、更年期の不調を乗り越えるための基本です。

日々の食生活に取り入れやすい、おすすめの食べ物や飲み物について紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

3-1-1. 更年期におすすめの食べ物

更年期を健やかに過ごすためには、1日3食の規則正しい食事が基本です。そのうえで、次のような食材を意識して取り入れてみましょう。

更年期におすすめの食べ物 働き
大豆食品(納豆、豆腐、味噌など) エストロゲンと似た作用をもつ「大豆イソフラボン」が豊富で、女性ホルモンの減少を補う
牛や豚のヒレ肉やささみ、白身の魚 脂肪の少ない良質なたんぱく質は丈夫な骨をつくり、ホルモンのバランスの調節に役立つ
緑黄色野菜、果物 冷え性の場合はキャベツ、ニンジン、リンゴ、ミカンなどの秋冬にとれるもの、のぼせやほてりで悩んでいる場合はトマト、キュウリ、ナス、イチゴ、スイ力、メロンなどの夏が旬ものを摂るとよい
海藻類 カルシウムや食物繊維が豊富で、骨の健康維持や神経を鎮める働きもある

昔ながらの和食のメニューは、更年期の不調を乗り切るために効果的な食事です。

ご飯に野菜がたっぷり入った味噌汁、豆腐、焼き魚、ひじきの煮物など、和食の定食を意識して日々のメニューを考えてみましょう。

3-1-2. 更年期におすすめの飲み物

更年期の不調を和らげ、心身のバランスを整えるためにおすすめの飲み物には次のようなものがあります。

更年期におすすめの飲み物 働き
豆乳 女性ホルモンに似た働きをする「大豆イソフラボン」を含む
緑茶 アミノ酸の一種である「テアニン」が含まれており、精神を落ち着ける作用や、睡眠の質を高める効果が期待できる
牛乳 カルシウムが豊富で、骨の健康維持だけでなく、神経の興奮を抑えて精神の安定に役立つ

コーヒーやエナジードリンクなどは、交感神経を刺激し、動悸や不眠、ホットフラッシュを悪化させる可能性があるので、摂り過ぎには注意しましょう。

3-2. 無理なく続けられる運動を習慣化する

適度な運動は、更年期症状の改善に効果的だとされています。

運動習慣があまりない方は、無理のない範囲で、次のような運動を取り入れてみてください。

  • ウォーキング
  • ピラティス
  • ストレッチ
  • ダンス
  • ヨガ

また、更年期世代は筋力が落ちやすく、筋肉量の減少が不調の原因になることもあります。

筋力を維持するために、スクワットや腕立て伏せなどの筋トレもあわせて取り入れるのがおすすめです。

3-3. ストレスを溜めない工夫をする

ストレスは、更年期症状を悪化させる大きな要因の一つです。日々の生活の中で、ストレスを溜めない工夫を意識的に行いましょう。

読書や音楽鑑賞、アロマセラピーなど、自分が心から楽しめる趣味の時間をもつようにすることもおすすめです。

悩みを一人で抱え込まず、信頼できる友人や家族、専門家に相談することで、なるべく心理的な負担を軽減しましょう。

3-4. サプリメントを活用する

食事のみで十分な栄養を摂るのが難しい場合は、サプリメントを活用するのもひとつの方法です。更年期の不調におすすめの成分には、主に次のようなものがあります。

成分 働き
大豆イソフラボン(エクオール) エストロゲンと似た働きをする成分。ホットフラッシュやイライラなどの更年期の不調を和らげる働きが期待できる
ビタミンB群 疲労回復やホルモンバランスの調整に役立つ
カルシウム 骨の健康を維持する
マグネシウム 神経の安定・骨の健康に役立つ

3-5. 家族に協力してもらう

更年期を穏やかに過ごすためには、本人の工夫だけでなく、家族の理解とサポートが欠かせません。

気分が不安定になりやすい理由や、具体的にどのような症状で困っているのかを伝えることで、家族も状況を理解しやすくなります。

更年期のつらさを理解してもらうことに加え、家事や育児をサポートしてもらうだけでも、心身の負担が軽減されるでしょう。

3-6. 医療機関に相談する

更年期の症状が強く、日常生活に大きな影響が出ている場合は、我慢せずに婦人科や心療内科などの医療機関へ相談しましょう。

更年期障害の治療で一般的なものは、女性ホルモンを補うことで症状を根本から改善する「ホルモン補充療法(HRT)」です。また、医師が個人の体質や症状を診たうえで、適した漢方薬を処方する場合もあります。

さらに、うつや不安といった精神的な症状が強い場合には、カウンセリングや心理療法など、心のケアを重視した治療が取り入れられることもあります。

東洋医学における更年期症状の対処法

西洋医学が特定の症状を抑える「対症療法」をベースとするのに対し、東洋医学では心身のバランスを整えて自然治癒力を高めることに重点を置きます。

その人の体質や症状に合わせて、様々な生薬を組み合わせた漢方薬を服用したり、体質や季節、体調に合わせて食材を選び、調理法を工夫する食養生を行ったりすることで、症状の改善を目指します。

そのため、副作用が比較的少なく、ホルモン補充療法(HRT)に抵抗がある方や、副作用を心配する方に選ばれるケースも少なくありません。

また、漢方成分は更年期の複数の症状に働きかけられる点も特徴で、のぼせや冷えといった身体的な不調から、イライラや不安といった精神的な症状まで幅広く対応できます。

更年期の乗り越え方に関するよくある質問

ここでは、更年期の乗り越え方に関するよくある質問と回答について紹介します。

5-1. 更年期に効く飲み物はありますか?

更年期の不調の緩和に役立つ飲み物には、豆乳や緑茶、牛乳などがあります。

豆乳には、女性ホルモンと似た働きをもつ「大豆イソフラボン」が含まれており、ホルモンバランスを整える働きが期待できます。

緑茶にはアミノ酸の一種である「テアニン」が含まれており、リラックスや睡眠の質の向上に効果的です。

更年期には骨がもろくなりやすいので、骨の健康維持のためにカルシウムが豊富な牛乳を積極的に摂るのもおすすめです。

5-2. 更年期の終わりのサインはありますか?

更年期の終わりには、明確なサインがあるわけではありません。

しかし、ホットフラッシュや不眠、イライラなどの不調が徐々に軽減されて体調が安定してくれば、更年期は終わりに近いといえるでしょう。

更年期は、最終的には閉経という形で生理的な区切りを迎えます。医学的には、生理が12ヶ月間こない場合、正式に閉経期に入ったことになります。

更年期が終わっても体調不良が続く場合は、別の病気が隠れている可能性もあるため、自己判断せずに医療機関に相談しましょう。

更年期の不調には複合成分を配合したサプリメントがおすすめ

更年期には、ホットフラッシュや頭痛、不眠、イライラなど、さまざまな不調が同時に現れることも少なくありません。

そのため、特定の症状だけに対応した単一成分のサプリメントでは、十分に効果を実感しにくい場合があります

そこで注目されているのが、東洋医学の考え方を取り入れたサプリメントです。東洋医学は体全体のバランスを整えることを重視しており、更年期特有の複雑な症状にも幅広く働きかけやすいとされています。

症状を一時的に抑えるのではなく、根本からケアしたい方には、東洋医学に基づく成分を取り入れたサプリメントがおすすめです。

とくに、複数の生薬を組み合わせた漢方薬のように、さまざまな成分をバランスよく配合したサプリメントは、更年期の多様な不調をサポートできるため、より高い効果が期待できるでしょう。

まとめ

更年期は、女性ホルモンの分泌が減少することで、ホットフラッシュやイライラなどの身体的・精神的な不調が現れる時期です。

症状は人によって異なり、生活習慣や性格の傾向によっては悪化することもあります。

しかし、食事の工夫や適度な運動、ストレスを溜めない工夫、サプリメントの活用など、日常生活の中でできる対策によって症状を和らげることは可能です

重い症状に悩まされている場合は、家族のサポートを得たり、我慢せずに医療機関に相談したりすることも大切です。

更年期のつらさを一人で抱え込む必要はありません。周囲の力を借りながら、自分らしく健やかに更年期を乗り越えていきましょう。

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