「シミができてしまった原因はなんだろう?日焼けしないように気をつけてたのに…」
「肌には投資してきたつもりなのに、どうしてシミになったの?高い薬も美容液も効果がないんだけど…」
こんなお悩みをお持ちのあなたは、「シミの原因=紫外線」と思い込んでいませんか?
シミの原因は紫外線だけではありません。
- 紫外線の影響
- ホルモンバランスの乱れ
- 肌の炎症
- 摩擦や刺激の強いスキンケア
- 生活習慣の乱れ
- ストレス
- 遺伝
このように、シミの原因はいくつもあり、それらが重なりあって発生することが多いため、紫外線だけを予防しても、シミを防ぐことはできないのです。
特に、ホルモンバランスの乱れや生活習慣、ストレスなど、一見、肌とは関係がなさそうに思える原因に注目してください。
これらは内臓の働きを悪くする要因のため、これによって、ターンオーバー(肌の新陳代謝)が滞り、メラニンが排出されにくくなることが、シミの発生や悪化につながります。
定着してしまったシミが、塗り薬や美容液などの表面的なケアをしても消えないのは、根本原因である内臓の働きの悪さを改善できていないためなのです。
本気でシミを減らしたいなら、肌に現れているサインの元=体の内側を整えることが必要になります。
そこで、この記事では、多くの女性が悩む顔にシミができる原因と、効果が実感できる対処法についてわかりやすく解説します。
この記事を読めばわかること |
|
記事を読み終えるころには、「今日から自分の肌のために、何を始めればいいのか」が見えてきます。
シミは消えないもの…と諦めかけていた方に希望を持っていただける内容ですので、ぜひ最後まで読み進めていただけたらと思います。
目次
1つじゃない!顔にシミができる原因7つは複雑に絡みあっている

顔にできるシミの原因は主に7つ挙げられます。
顔のシミの7つの原因と仕組み |
|
多くの場合、これらの1つではなく、いくつかが重なりあってシミの発生につながります。
たとえば…
35歳 女性(子育て中、マスク常用)
「頬のあたりに薄茶色いシミが左右対称に出てきた。以前はなかったのに…」
というケースの場合、以下のような原因が考えられるかもしれません。
考えられる原因:
- 妊娠・出産を経てホルモンバランスが変化した
- 紫外線対策が不十分(育児中は日焼け止めを塗り忘れる)
- マスクの擦れが刺激となり、摩擦による悪化
- 睡眠不足・ストレスによる自律神経の乱れ など
1章では、各々の原因から顔にシミができてしまう仕組みを解説します。
思い当たるところがないか確認しながらみていってください。
1-1. 紫外線の影響
顔にできるシミの原因として、まず1番に挙げられるのが「紫外線の影響」です。
メラニンが過剰に生成され、肌のターンオーバー(新陳代謝)で排出しきれずに肌に残ってシミ化するのです。
具体的な仕組みは以下の通りです。
紫外線を浴びると、肌はダメージから自分を守ろうとして、メラノサイト(メラニンをつくる細胞)からメラニン色素を多く作り出します。

本来、メラニンの生成は紫外線から肌細胞を守る「防御反応」なのですが、問題はその量と排出のバランスです。
また紫外線を浴びると表皮細胞がダメージを受けて「活性酸素」※が発生し、これがメラノサイトをさらに刺激することから、メラニンが過剰に発生し、ターンオーバーでの排出が追いつかなくなります。
結果として、肌に残ってしまったメラニンが色素沈着を起こし、やがてはシミとして定着してしまいます。
活性酸素は、他の物質を酸化させる力が非常に強い酸素のこと。
元々は体内でウイルスや細菌と戦う働きをしますが、紫外線を浴びると必要以上に発生し、正常な細胞まで酸化させてしまいます。
この酸化ダメージが、シミやシワを引き起こす一因になることが知られています。
参照: | J-Stage|皮膚のアンチエイジング|オレオサイエンス 第 18 巻第 3 号(2018) |
以下のような点に心当たりがある方は、紫外線の影響を強く受けているかもしれません。
日焼け止めを塗り忘れる日がよくある | |
日焼け止めをこまめに塗り直さない | |
洗濯やゴミ出しなど、短時間の外でも日焼け止めは塗らない | |
外出時、帽子や日傘を使う習慣がない | |
「昔、よく焼いてたな〜」と思い当たる(学生時代や旅行など) |
1-2. ホルモンバランスの乱れ
特に女性の場合、ホルモンバランスの乱れが、シミの発生に影響を与えます。
女性ホルモンの「エストロゲン」には、肌のターンオーバー(新陳代謝)を整えたり、メラニンの過剰生成を抑えたりする働き、逆にメラニンの産生を促進する働きがあるからです。
※エストロゲン:主に卵巣から分泌されるホルモン。女性の生殖器の発達や機能維持、肌の美しさ、骨や血管の健康維持など、女性の体の多くの機能を担っている
エストロゲンは、思春期、更年期、月経周期、ストレスなどの影響で分泌に乱れが生じます。

エストロゲンの分泌が乱れると、肌のターンオーバーが悪くなり、過剰なメラニンが正常に排出されずにシミとして定着してしまうことがあります。
たとえば、
- 生理周期が乱れてニキビや吹き出物ができた
- 更年期を迎えて肌荒れやくすみが気になる
といった症状が、いつのまにかシミへと発展することは少なくありません。
ホルモンバランスに代表される体の内側の変化は、肌状態となって表面に現れるということを把握しておきましょう。
参照: | 日本香粧品学会誌Vol. 47, No. 2, pp. 117–126 (2023)|第47 回教育セミナー(2022)・「老化について考える~原因追究から治療まで,不変の課題への挑戦~」|しみのメカニズムから治療まで |
以下のような点に心当たりがある方は、ホルモンバランスがシミに影響しているかもしれません。
生理周期が乱れがち、またはPMSが重い | |
妊娠・出産・更年期などホルモン変化のタイミングにある | |
肌状態が月ごとに安定しない(生理前は特に荒れる) | |
低用量ピルやホルモン治療を受けている | |
疲れやすく、メンタルの浮き沈みも気になる |
1-3. 肌の炎症
見逃されがちですが、「肌の炎症」もシミの原因の1つになります。
炎症で発生したメラニンが肌にとどまり、色素沈着(=シミ)として残ってしまうのです。
ニキビや虫刺され、軽いやけどが元の赤みなどの炎症が起きると、肌はダメージを修復しようとし、その過程でメラノサイトが刺激されてメラニンを生成します。
通常であれば、そのメラニンはターンオーバーによって排出されますが、炎症が繰り返されたり、長引いたりすると、メラニンが肌にとどまり、その部分に色素沈着が起きてしまいます。
たとえば、
- マスクや髪の毛の摩擦で頬がかぶれて赤くなった
- ニキビ(吹き出物)のあとがずっと茶色く残った
- 虫刺されやかぶれを強く掻いてしまった
といった「ちょっとした肌トラブル」からでも、消えない色素沈着につながるケースは少なくありません。
以下のような点に心当たりがないか、チェックしましょう。
ニキビや吹き出物ができやすく、跡が残りがち | |
肌がかゆくなって掻いてしまうことがある | |
乾燥による赤みやピリつきを感じることが多い | |
アトピーや敏感肌の傾向がある | |
「赤み」「ヒリつき」「かさつき」をよく感じる |
1-4. 摩擦や刺激の強いスキンケア
4つめの原因は、摩擦や刺激の強いスキンケアです。
バリア機能を壊す刺激から肌を守ろうとして、メラニンが過剰に生成されてしまうのです。
肌は皆さんが思っている以上にデリケートです。
擦るようなクレンジングやスクラブ洗顔はもちろん、タオルで強く拭くだけでも、バリア機能が壊れ、潤いを失って、目に見えないレベルの炎症が引き起こされます。
目に見えない炎症も毎日のスキンケアで積み重なると大きなダメージとなり、メラニンが肌にとどまって色素沈着(=シミ)として残ってしまうのです。
たとえば、
- コットンにクレンジング剤をつけて、こするように化粧を落としている
- 洗顔ブラシやスクラブでゴシゴシ洗っている
- 洗顔後はタオルで強くこすって水気を拭き取っている
こうしたスキンケアは、炎症を引き起こしシミの原因になりますので、今すぐやめた方が良いでしょう。
そのほかにも、以下のような点に心当たりがある方は、摩擦や刺激の強いスキンケアがシミの原因になっているかもしれません。
拭き取りクレンジングやピーリングを頻繁に使っている | |
マスクをつけると、頬や口まわりがヒリつく | |
つい顔を触るクセがある(頬杖、かゆみなど) |
1-5. 生活習慣の乱れ
食事や睡眠といった日々の生活習慣が乱れると、肌に悪影響を及ぼし、シミができやすい環境をつくってしまいます。
不規則な生活によって腸内環境が乱れると、内臓の働きが低下し、新陳代謝や肌のターンオーバーが滞り、メラニンが肌にとどまりやすくなるためです。
たとえば、以下のような生活が続いている人は注意が必要です。
- 栄養バランスの偏った食生活(ファストフード・お菓子・脂っこい食事など)
- 夜ふかしや睡眠不足
- 慢性的な運動不足
これらは、肌の再生力を妨げるため、メラニンの排出が追いつかず、色素沈着のリスクを高める要因となります。
特に睡眠不足は、肌の修復機能を阻害するため、日中に受けた紫外線や摩擦によるダメージが蓄積されやすくなり、シミの発生に拍車をかけます。
【喫煙はシミの元になる】
生活習慣の中でも要注意なのが、喫煙の習慣です。
煙草を吸うことで、体内には強い紫外線を浴びたときと同じように活性酸素が作られます。
活性酸素によりメラノサイトが活性化して、メラニンが過剰発生してしまうのです。

また煙草は、血行を促進し、メラニンの生成を抑制するのに欠かせない栄養素=ビタミンCを大量に消費することでも知られています。
シミが気になる人、シミを作りたくない人は、喫煙は控えた方が良いでしょう。
参照: | 厚生労働科学研究成果データベース|美肌のために・・・Let’s Thinkタバコはお肌の老化と肺の炎症を悪化させます! |
生活習慣の乱れは多くの人に当てはまるのではないでしょうか。
上記であげた例のほかにも、以下の点に心当たりがあれば、生活習慣が乱れている可能性が高いでしょう。
食事の時間や内容がバラバラ(朝食抜き、外食中心など) | |
偏食 | |
血行が悪いと感じる・冷え性 | |
肌の調子が季節関係なく「なんとなくイマイチ」 |
1-6. ストレス
ストレスは、シミの発生に深く関わっています。
ストレスがかかると体内で活性酸素が増え、肌のバリア機能が低下して炎症が起きやすくなるためです。
ストレスによって発生した活性酸素は肌細胞を傷つけ、それが炎症を引き起こし、メラニンの過剰生成を促します。
またストレスによってホルモンバランスが乱れたり、胃腸の働きが低下して腸内環境が悪化し肌に炎症を引き起こしたりターンオーバーを遅らせたりして、メラニンが過剰生成されやすくなります。
ストレスだけでシミができるわけではありませんが、紫外線や肌荒れなどで肌にダメージがあるときにストレスが重なると、炎症が悪化し、生成されたメラニンが排出されにくくなります。
その結果、活性酸素の影響とバリア機能の低下によって、本来は自然に治るはずの炎症が長引き、やがてシミとして残ってしまう可能性が高まるのです。
以下のような点に心当たりがある方は、ストレスがシミの原因になっているかもしれません。
最近イライラ・不安が続いている | |
寝ても疲れが取れず、朝からぐったり | |
肌荒れが「気分の浮き沈み」と連動している気がする | |
食欲や睡眠などの基本的な欲求が乱れている | |
肌に元気がない、くすんで見えると感じる |
1-7. 遺伝
遺伝は、シミの発生に影響を与える要因のひとつです。
実際、親にそばかすが多い場合、子どもにもそばかすやシミができやすいことがあります。
これは、生まれつきメラニンの生成が多かったり、メラニン色素が多い肌質を持っていたりするためで、日光を浴びない幼児の頃からそばかすが見られたり、肌の色が黒っぽかったりする傾向があります。
そのような肌質の人は、他の人よりも日焼けしやすく、濃いシミができやすいといわれています。
肌の色素沈着に関わる遺伝子の違いが影響しているためです。
ただし、遺伝だからといって必ずしも治らないわけではありません。
対処法は、3. 本気でシミをなくしたいなら “体の内側を整える” のが一番の近道 以降にお伝えしていきます。
自分の肌質を理解したうえで、できる対策を講じていきましょう。
参照: | Research at UOsaka|遺伝的な日光過敏症疾患の原因を解明 |
紫外線由来シミ・ソバカスの原因(DNA損傷)の修復機構解明へ 皮膚美白対策への応用に期待 |
自分のシミが遺伝的なものなのかは、以下の点をチェックしてみましょう。
家族にシミが出やすい人がいる | |
子どもの頃からソバカスや色ムラができやすかった | |
紫外線に当たるとすぐ赤くなりやすい体質 | |
肌が白くて薄いタイプ(皮膚がデリケート) |
いかがでしたか。
このように、シミの原因には、直接的なものだけでなく、それに影響を与える要因も含まれます。
また、原因によってできやすいシミの種類にも違いがあります。
次章では、代表的なシミの種類と、それに関わる原因について詳しく見ていきましょう。
あなたはどのタイプ?4つの種類別シミの原因と特徴

顔のシミには主に4つの種類があり、それぞれに関与する原因が異なります。
人によっては、異なる種類のシミが同時に現れるケースもあるでしょう。
まずは、シミの種類ごとに関与する原因を分類した下表をご覧ください。
なお、赤字で示しているものが主な原因で、それ以外は主原因に影響を与える「悪化要因」です。
前章で触れたように、多くのシミは単一の原因ではなく、複数の要因が重なって表面化します。

シミの種類 | 原因 |
日光黒子 (にっこうこくし) 別名:老人性色素斑 ![]() |
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雀卵斑 (じゃくらんはん) 別名:そばかす ![]() |
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肝斑 (かんぱん) ![]() |
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炎症性色素沈着![]() |
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それぞれの種類について特徴を解説しますので、自分はどのタイプにあてはまるか、複数のシミが混在していないかも意識しながら、しっかり判断していきましょう。
2-1. 日光黒子(にっこうこくし)
日光黒子は、別名「老人性色素斑」ともいわれる通り、中年以降、加齢に伴って増えることの多いシミです。
額や頬、こめかみなどにできる淡い茶色から黒っぽい色味の円形〜楕円形の斑点で、大きさは数mm〜数cmとさまざまですが、比較的はっきりとした輪郭をもって現れるのが特徴です。

主な原因は紫外線で、外の仕事やスポーツなどで長年紫外線を浴び続けてきた人はもちろん、現在は紫外線を避けていても、若い頃に日焼けを繰り返していた人にもできやすいことがわかっています。
紫外線を浴びると直接メラノサイトが活性化されるだけでなく、紫外線によって傷つけられた表皮細胞がメラノサイトを活性化することでメラニン顆粒が過剰に作られてしまいます。
その蓄積されたメラニンが、加齢とともにターンオーバーで排出されにくくなり、さらに生活習慣の乱れやストレスが引き金となって、肌表面に現れてくるのです。
なお、日光黒子は顔だけでなく、手の甲、腕、デコルテなど、紫外線が当たりやすい部位にも発症します。
日光黒子(別名:老人性色素斑) |
<原因>
<部位・大きさ・形状>
<特徴>
<できやすい人>
|
2-2. 雀卵斑(じゃくらんはん)
雀卵斑は、一般的に「そばかす」として知られているシミの一種です。
小さい(1〜3mm程度)の茶色の斑点が、鼻や頬を中心に散らばるように表れ、左右対称に出ることが多いのが特徴です。

遺伝的な要因が強く、早い人では3歳ごろから見られ、10代前後の思春期に濃くなって目立ちやすくなります。
40代頃まではより濃くなったり、増えたりする傾向があり、それは紫外線の影響が考えられます。50代以降は自然と薄くなっていきます。
生まれつき雀卵斑のある人は、もともと紫外線の影響を受けやすい肌質であるため、紫外線対策を特にしっかり行うことが、目立たせないための重要なポイントになります。
雀卵斑(別名:そばかす) |
<原因>
<部位・大きさ・形状>
<特徴>
<できやすい人>
|
参照: | Research at UOsaka|遺伝的な日光過敏症疾患の原因を解明 |
紫外線由来シミ・ソバカスの原因(DNA損傷)の修復機構解明へ 皮膚美白対策への応用に期待 |
2-3. 肝斑(かんぱん)
肝斑は、30〜50代の女性に多く見られるシミの一種です。
頬骨のあたりを中心に、鼻の下やあごなどにも、左右対称にほぼ同じような大きさ・形で表れるのが特徴です。
色は薄い茶色で、輪郭がぼんやりしていることが多く、顔全体がくすんで見えるように感じることもあります。

肝斑の主な原因はホルモンバランスの乱れと考えられ、妊娠中やピルの服用、更年期の時期に悪化しやすい傾向があります。
さらに、摩擦や洗顔などの物理的な刺激、紫外線の影響が重なることで、症状がより目立つようになることもあります。
肝斑(かんぱん) |
<原因>
<部位・大きさ・形状>
<特徴>
<できやすい人>
|
参照: | 日本香粧品学会誌Vol. 47, No. 2, pp. 117–126 |第47 回教育セミナー(2022)・「老化について考える~原因追究から治療まで,不変の課題への挑戦~」しみのメカニズムから治療まで |
2-4. 炎症性色素沈着
炎症性色素沈着は、ニキビや虫刺され、やけどなどによる炎症が治まったあと、肌に茶色っぽい色素が沈着して残る状態で、男女・年齢問わず発症する可能性があります。
虫刺されを掻きむしってしまったり、やけど跡の皮膚を傷つけてしまったりと、炎症を何度も繰り返すことで、色素が定着しやすくなります。

また、刺激や摩擦をともなうスキンケアによって生じる目に見えない炎症も、繰り返されることでメラニンが肌にとどまり、炎症性色素沈着として現れるケースが少なくありません。
さらに、炎症性色素沈着は日焼けや紫外線によって悪化することが知られており、日常的なUVケアが重要です。
特に、敏感肌の人や、睡眠不足やストレスなどで肌のバリア機能が落ちていると感じる人は、普段からの日焼け対策、肌にやさしいスキンケアに気を配りましょう。
炎症性色素沈着 |
<原因>
<特徴>
<できやすい人>
|
ここでは4つのシミの種類について解説してきました。1. 1つじゃない!顔にシミができる原因7つは複雑に絡みあっているの章で紹介した7つの原因が複数関連してシミになるということが、お分かりいただけたのではないでしょうか。
ご自身のシミの原因や種類がわかったところで、次の章からは、具体的なシミ改善の方法について解説していきます。
本気でシミをなくしたいなら “体の内側を整える” のが一番の近道

「原因や種類はわかったけど、もうできちゃったシミはどうすればいいの?」と、こんな疑問が頭に浮かんでいらっしゃるかと思います。
冒頭でもお伝えした通り、シミを改善するカギは、体の内側にあります。
体の中身(内臓)を整えることで、「もう治らない」と感じていたシミの改善が期待できるのです。
なぜなら、腸には全身の免疫細胞の約70%が存在しており、そのバランスが免疫力だけでなく肌の状態にも深く影響しているからです。
参考: | Scienceウェビナー「腸管免疫の理解:宿主-微生物相互作用と治療戦略の探究」 |
腸内の善玉菌・悪玉菌のバランスが崩れると、有害物質が発生し、血液を通して体内に有害物質が循環してしまいます。これが、肌トラブルの原因にもなります。
さらに、腸内環境が乱れると、以下のような状況に陥ります。
腸内環境が乱れていると起こること |
|
「肌は内臓を映す鏡」といわれるように、腸や肝臓、ホルモンバランスなど内側の健康状態が、肌に大きく影響しています。
シミなどの表面的なトラブルだけにアプローチしても、内臓が整っていなければ効果が続かず、再発しやすくなるのです。
肌が本当に変わるためには、まず“内側から”整えることが必要です。
プーラヴィータが全国30歳以上69歳以下の女性339名に実施した意識調査では、30%以上の方が、シミに強い悩みを抱えていると答えました。
確かに、どんなに悩んでも、過去に浴びた紫外線や生まれつきの体質は変えられません。
「もう手遅れかも…」と諦めたくなる気持ちもよくわかります。
ただ、まだあなたが自分の体の内側に目を向けていなかったとしたら…改善できる可能性は多いにあります。
何度もお伝えしますが、本気でシミを改善したいなら、まず整えるべきは “体の内側” です。
次の章では、そんな「体の内側からのケア」について、解説します。
シミの根本改善には「体の内側から整えるサプリメント」がおすすめ

結論からお伝えすると、シミの根本的な改善には、体の内側を整えることで肌の状態を立て直すサプリメントの活用がおすすめです。
サプリメントを習慣的に摂取することで、必要な栄養素を効率よく、安定的に補うことが可能になるからです。
前章で述べたように、シミができてしまった肌状態を本気で良くするには、体の中身(内臓)を整えること、つまりインナーケアが不可欠です。
しかしながら、食事や生活習慣の改善だけで短期間に体の内側を整えるのは、現実として容易ではありません。
食生活の見直しだけで肌の改善が難しい理由 |
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腸内細菌は、生活習慣や食事の内容によって日々変化を続けます。そのため、短期間だけ頑張っても元の状態に戻ってしまうことが多いので、中長期的に取り組む必要があります。
そして、中長期的に取り組むのに、毎日の食事で栄養素を気にして摂取するのはとても大変なので、継続することができない可能性が高いのです。
たとえば、腸内環境を整えるためには、以下のような食材が効果的ですが、3ヶ月以上毎日続けるのは大変でしょう。

腸内環境に良い食べ物 |
種類 | 食べ物(例) | 効果 |
善玉菌を多く含む食べ物 |
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善玉菌には、腸内の悪玉菌の増殖や活動を抑える効果があります。 継続的に摂取することで、腸のバリア機能の向上や、腸内フローラのバランスを整え安定した腸内環境の維持が期待できます。 |
食物繊維を多く含む食べ物 |
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食物繊維は、善玉菌のエサとなり、腸内フローラのバランスを整える効果があります。 また、食物繊維が腸の壁を刺激することで、ぜん動運動(腸が波のように収縮すること)を活発にするため、便通をスムーズにします。 |
オリゴ糖を多く含む食べ物 |
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オリゴ糖は、善玉菌のエサとなり、善玉菌の増殖を促します。 善玉菌が優位に働き、腸内環境の安定を図りやすくなります。 |
また、腸内環境だけでなく、シミの原因であるメラニンの生成を抑える「ビタミンC」の厚生労働省が成人の推奨量として掲げている1日あたり100mgをレモンで摂ろうとすると、毎日約5個分が必要になります。

さらに、メラニンの排出をサポートする「ビタミンA」は、にんじんに豊富に含まれていますが、成人女性の推奨量(650〜700µgRAE)を満たすには、毎日1本は食べなければなりません。
しかも、胃腸が回復していない弱った状態であれば、せっかく摂った栄養もきちんと吸収できない可能性がありますし、他の食材との組み合わせ次第では、思うように働かないことも考えられます。
このように、食事だけで腸内環境の改善やシミ対策に必要な栄養素をしっかり補うのは、現実的にハードルが高いと言わざるを得ないのです。
サプリメントなら、食事では難しい栄養補給が無理なく実現できるため、肌の回復を助ける環境が整い、健やかな肌づくりの土台が整います。
今あるシミが目立たなくなるだけでなく、新しいシミができにくい肌へと近づけていけるのです。
次章では、シミの改善をしっかりサポートするにはどんなサプリメントを選べばよいのか、そのポイントをわかりやすく解説していきます。
腸内環境を整える食べ物10選!おすすめレシピも解説 >>
シミの悩みを根本原因から改善するサプリメント|選ぶ際のポイント

数多く販売されているシミの改善や予防を謳ったサプリメントの中から、効果的な製品を選ぶ際のポイントを解説します。
シミの悩みを根本原因から改善するサプリメントを選ぶポイント |
|
サプリメント選びで失敗しないように、よく読んで把握しておきましょう。
5-1. 天然由来成分のサプリメントを選ぶ
1つ目のポイントは、合成ではなく、天然由来成分のサプリメントを選ぶことです。
天然由来の成分は、吸収率が高いため、栄養素が体内で効率的に働くことが期待できます。
天然由来の成分は、野菜、果物、魚介、酵母等の原料から抽出されています。
食べ物に近いため、吸収率が高いといえるのです。
また、天然由来の栄養素には、その栄養素と相性の良い栄養素も含まれていることが多く、より効率的な働きが期待できると言われています。
一方で、安価で高濃度といわれている合成成分は、分子の主要な構造を変化させて製造された合成原料が使われており、一概にはいえませんが、不要な化学物質混入のリスクがあります。
シミを改善するサプリメントを選ぶときは、安全性が高く、高い吸収率で栄養素の効率的な働きが期待できる、天然由来成分を選びましょう。
5-2. 複合成分配合のサプリメントを選ぶ
重要なポイントとして覚えておいて欲しいのが、単一処方ではなく、複合成分配合のサプリメントを選ぶということです。
複合成分配合サプリメントには、様々な原因にアプローチする複数の成分が含まれているため、多岐に渡る症状の改善が期待できます。
腸内環境を整える場合は、乳酸菌やビフィズス菌、植物酵素(発酵酵素)など腸内環境をサポートする成分が配合されたサプリメントがおすすめです。
とくに植物酵素は腸内フローラを整える手助けをするだけでなく、栄養素の消化・吸収プロセスをスムーズに行う働きも期待できます。
腸内細菌の集まりのことで、正式名称は腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)といいます。腸の中に細菌がびっしり生えている様子が花畑のように見えることから、名付けられました。
腸に善玉菌が豊富な環境をキープしていると、体調管理がスムーズになるばかりでなく、5年後、10年後も肌年齢を若々しく保ちやすくなりますよ。
上記の腸内環境をサポートするサプリメントの他に、シミやシワ、くすみ、目立つ毛穴、ニキビ…などの肌悩みに効果的な成分は以下の通りです。
【美肌をめざすサプリメントに配合されていると効果的な成分】
シミをはじめとする肌悩みを体の内側から改善するために、配合されていると良い、効果的な成分をご紹介します。
サプリメントを購入する際は原材料表示を確認し、以下に挙げるような、天然由来の成分が複合的に配合された製品を選びましょう。
ローヤルゼリー
- 肌の水分量増加
- シワの軽減
- 新陳代謝促進
- 美肌効果
ツバメの巣
- 肌の潤いの向上
- 表皮の再生
- 美白効果
プラセンタ
- 細胞を修復する
- シミの予防
- たるみの予防
- シワの予防
赤ブドウ葉エキス
- 肌の潤いの向上
- 美白効果
- むくみ改善効果
- 目の下のクマ改善効果
コラーゲン
- 抗酸化作用
- 肌に弾力を高める
- 乾燥から肌を守る
- 肌に艶を与える
単一成分で解消しようとすると、日々何種類ものサプリメントを摂取しなければならなくなります。
健康な美肌をめざすなら、シミだけでなく腸内環境と、肌全体の不調を改善する複合成分配合のサプリメントを選びましょう。
5-3. 摂取量や注意点など必要な情報の有無を確認する
インターネットでサプリメントを購入する場合は、商品または商品の紹介ページに、1日の摂取量や利用時の注意点などの情報の記載があるかどうかを確認しましょう。
購入したその日から正しくサプリメントを摂取できるように、必要な情報が明示されているのが良質なサプリメントです。
サプリメントの摂取量が目安として記載されていないと、体に必要な栄養素の摂取量を超えてしまう可能性があります。
必要な摂取量を超えてしまうと体に負担がかかり、健康被害を引き起こすことがあります。
また、特定の薬と相性が悪いなどの飲み合わせや、アレルギー反応の可能性など、注意点が示されていることも、健康被害を防ぐために重要です。
サプリメントを選ぶ際は、摂取量や利用時の注意点など必要な情報がきちんと記載されている、信頼性の高い商品を選びましょう。
5-4. 安価にとびつかない
最後のポイントとして注意して頂きたいのが、安価なサプリメントにとびつかないことです。
一定額より安価なサプリメントには、それなりの品質の原料しか使われていないと判断しなければなりません。
ほとんどの場合、天然成分より合成成分の方が安価ですが、その分、メインとなるべき有効な成分が少なく、添加物が多くなります。
たとえば、「ナイアシンアミド配合」「プラセンタ配合」と謳っていても、実際に入っているのはほんの少量だったり、ほとんどが合成の添加物であったりするのです。
また、そうした合成原料のほとんどは粗悪な場合が多い海外製ですので、国内のものと比べて安全性が低いことも見過ごせません。
良い原料を使用してきちんと管理し、製造するにはそれなりの費用がかかります。
高額なら良いというわけではありませんが、サプリメントに関して、少なくとも「破格の安さで質の高いものはない」という認識を持っておいた方が良いでしょう。
【原材料表示を確認しよう】
良質なサプリメントを見分けるには、まず、原材料表示を確認するようにしましょう。
原材料表示は、含有量の多いものから順番に記載するルールになっています。
表示の上位に添加物が多く並んでいるものは、有効成分よりも添加物が多く含まれているということ、つまり肝心の栄養素が少ない可能性があるという事です。
ちなみに、「ビタミン〇」など、栄養素の名称が直接書いてあるものは、原料が合成であるということです。
天然由来の原料を使用している場合には、ローヤルゼリーや大豆イソフラボンなど、食べ物に近い名称が記載されています。
また、広告等で特定の成分配合をアピールしていることがあるかと思いますが、原材料表示の上位にその成分が記載されていない場合、含有量が少ないということなので注意が必要です。
※良質なサプリメントの選び方については、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
【セルフチェックサプリ診断】失敗しないサプリの選び方を専門家が解説
サプリメントと並行して行なった方が良い習慣 |
いち早く腸内環境を整える場合は、サプリメントの摂取と合わせ、以下のことにも取り組みましょう。
具体的な方法は、こちらの記事で紹介しているためぜひチェックしてみて下さい。 |
もう増やさない!シミを予防するための2つの鉄則

記事の最後に、もうシミを作らない、増やさないために、今日から徹底して行うべき2つの予防法をお伝えします。
シミを作らないために行うべき予防法2つ |
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美肌を守るためには、日々の積み重ねがなにより大切です。
知っているつもりでも、できていないことがあるかもしれません。
順にみていきましょう。
6-1. 紫外線を徹底的にガードする
シミの最大の原因は紫外線です。
小さな炎症や、そばかすも、紫外線を浴びることでシミとして定着しやすくなってしまいます。
これから先、シミを増やさないために、今日から「紫外線対策」を徹底しましょう。
実践すべきポイントは次の通りです。
今日から実践すべき紫外線対策 |
塗りっぱなしでは効果半減!
室内にも紫外線は入ってくる!
紫外線は天候に関係なく降り注ぐ!
とにかく焼かない!
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意識していないかもしれませんが、紫外線は晴れの日だけでなく、曇りでも、雨でも存在し、日焼けの原因になります。
また紫外線には「UV-A」という波長の長いタイプがあり、窓ガラスをすり抜けて室内まで届くため、家の中でも油断はできません。
「今日は曇りだから」「屋内だから」と油断すると、気づかないうちに紫外線を浴びてしまいます。
毎日のちょっとした無防備が、将来のシミに繋がるのです。
シミを本気で予防したいなら、「365日紫外線対策」が鉄則です。
季節や天気に関係なく、肌を紫外線から守る意識を習慣にしていきましょう。
【日焼け止めで重要なのはSPFより回数】
日焼け止めには「SPF25〜50」など、紫外線の強さやブロックできる時間に応じた種類があります。
しかしながら、SPFの数値が高ければ高いほど良いというわけではありません。
たとえばSPF50などはレジャー向きで、敏感肌の人には刺激が強すぎることもあります。
日常生活では、SPF25〜30程度で十分でしょう。
「SPFの高さ」より大切なのは、日常的に使用することと、小まめな塗り直しです。
朝塗って終わりではなく、2〜3時間おきに塗り直す習慣がシミ予防には効果的です。
6-2.予防法2|スキンケアは「こすらない」のが鉄則
スキンケアは「こすらない」ことが鉄則です。
肌への摩擦は、小さな炎症を繰り返す原因になります。
この炎症が、シミを濃くしたり、新しいシミの引き金になる可能性があるのです。
こすったりしていないけど…と思っているかもしれませんが、肌は想像以上にデリケートです。
丁寧なスキンケアをしているつもりが、肌に刺激を与えてしまっていることがあります。
意識していただきたいのは、“摩擦レス” なケアです。
今日からすぐ実践できるポイントを以下にまとめました。
肌を摩擦から守るスキンケアのポイント |
こすらず、浮かせるように!
お湯は乾燥の元だから厳禁!
顔と手の間に“泡のクッション”!
ゴシゴシは厳禁!
包み込むように!
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シミを徹底して予防するために、毎日のスキンケアを見直しましょう。
肌を、優しくいたわる気持ちが、あなたの肌を変化させます。
透明感のある肌を育てるために——今日からはじめてみてくださいね。
まとめ
シミは、メラニンが過剰に生成されたり、ターンオーバーで排出されずに肌に蓄積されることによって発生します。
原因としては、以下の7つが挙げられます。
- 紫外線の影響
- ホルモンバランスの乱れ
- 肌の炎症
- 摩擦や刺激の強いスキンケア
- 生活習慣の乱れ
- ストレス
- 遺伝
どの要因も、大元をたどると「内臓の不調」や「体の内側の乱れ」と深く関わっているため、定着してしまったシミの根本改善には、体の内側から整えるインナーケアが欠かせません。
紫外線対策や優しいスキンケアで外側から肌を労わりながら、内側からのアプローチを取り入れていくことで、シミの改善、そして予防につながります。
外側と内側、両方からのケアを重ねて、自信が持てる肌を目指していきましょう。