「最近、なんだか気分が不安定……」
「イライラしやすくなって、疲れも取れない」
このような悩みの原因は、もしかするとホルモンバランスの乱れかもしれません。
ホルモンは体のさまざまな機能を調整していますが、生活習慣やストレス、更年期などの影響で簡単に乱れてしまいます。
ホルモンバランスが乱れると、精神的・身体的な不調が生じ、日常生活に支障をきたすケースもあるので、注意が必要です。
そこでこの記事では、ホルモンバランスに関する以下の内容について詳しく解説します。
この記事でわかること |
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つらい不調を改善し、日々を快適に過ごしたい方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
女性のホルモンバランスとは

女性ホルモンには「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2種類があり、女性の健康維持や妊娠、出産などに深く関わっています。
- エストロゲン:肌の潤いや髪のツヤを保ち、女性らしい体型を作る
- プロゲステロン:排卵後に分泌が増え、子宮内膜を厚くすることで妊娠の準備を整える
エストロゲンとプロゲステロンは互いにバランスを取り合いながら分泌されますが、ストレスや生活習慣などの影響で分泌が正常に行われず、乱れてしまうこともあります。
ホルモンバランスの乱れによる症状

女性ホルモンのバランスが乱れると、イライラや不安などの精神的な症状だけでなく、頭痛やめまいなどの身体的な症状も現れる可能性があります。
ここからは、ホルモンバランスの崩れが引き起こす具体的な症状について、精神面と身体面に分けて詳しく見ていきましょう。
2-1. 精神的な症状
ホルモンバランスの乱れによる精神的な症状としては、主に次のようなものが挙げられます。
- イライラ
- 不安感
- 倦怠感
- 気分の落ち込み
- 集中力の低下
- 不眠 など
ささいなことですぐにイライラしたり、理由もなく不安な気持ちが続いたりする場合は、ホルモンバランスの乱れによって症状が出ているのかもしれません。
2-2. 身体的な症状
ホルモンバランスの乱れによる身体的な症状には、主に次のようなものがあります。
- 頭痛
- のぼせ
- 動悸や息切れ
- 肩こり
- めまい
- 多汗
- 手足の冷え
- 肌荒れ
- 頻尿
- むくみ など
ほかにも、ホルモンバランスが崩れることによって、生理不順や生理痛、不正出血などの症状が現れる場合もあります。
ホルモンバランスが乱れる原因

ホルモンバランスが乱れる原因には、主に次のようなものがあります。
- 更年期
- PMS(月経前症候群)
- 過度なストレス
- 生活習慣の乱れ
- 卵巣や甲状腺などの病気
不調の対処法は、その原因によってそれぞれ異なります。適切な対策を行うために、それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。
3-1. 更年期
更年期とは、閉経前後の約10年間(45~55歳ごろ)のことです。
更年期に入ると、女性ホルモンである「エストロゲン」の分泌量が低下し、ホルモンバランスが崩れやすくなります。その結果、イライラや不安、めまい、動悸などの精神的・身体的な不調が起こりやすくなります。
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3-2. PMS(月経前症候群)
PMS(Premenstrual Syndrome)とは、生理の3~10日間前に現れる、心と体の不調のことです。イライラや気分の落ち込みといった精神的な症状に加え、むくみや胸の張りなどの身体的な症状が現れることがあります。
一般的に、PMSの症状は生理が始まると自然に緩和します。そのため、生理前に同じような症状が現れる場合は、PMSによる不調の可能性が高いと考えられます。
【医師監修】PMSのイライラの原因は女性ホルモンの乱れ。不調への対処法を婦人科医が解説 >>
3-3. 過度なストレス
過度なストレスも、ホルモンバランスを乱す原因のひとつです。強いストレスを受けると自律神経のバランスが崩れ、ホルモン分泌の調整がうまくいかなくなります。
また、過度なストレスを感じると、ストレスホルモン(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)の分泌が促されることで、女性ホルモンの量が減少します。
3-4. 生活習慣の乱れ
食生活の偏りや睡眠不足といった生活習慣の乱れも、ホルモンバランスに大きな影響を与えます。
「過度なダイエットをすると生理が止まる」という話を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
体のエネルギー不足を脳が感知すると、生殖機能よりも生命の維持が優先されます。その結果、生殖に関わる女性ホルモンの分泌量が低下し、生理が止まることがあるのです。
睡眠不足もエストロゲンの分泌を低下させる原因のひとつだとされているため、睡眠時間の確保や、睡眠の質を高める工夫も大切だといえます。
3-5. 卵巣や甲状腺などの病気
ホルモンバランスの乱れには、卵巣や甲状腺の病気が関わっている可能性もあります。
たとえば、「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」と呼ばれる卵巣の病気では、卵巣に嚢胞(のうほう)ができることで男性ホルモンが増え、女性ホルモンのバランスが崩れやすくなります。
また、バセドウ病や橋本病といった甲状腺の病気でも、甲状腺ホルモンの影響によって女性ホルモンのバランスが乱れることがあります。
ホルモンバランスを整えるための対処法7選

ホルモンバランスの乱れを感じている方に向けて、ここからは、ホルモンバランスを整えるための具体的な対処法を解説します。
- 食生活を整える
- 睡眠の質を高める
- 適度な運動習慣をつける
- 自分に合ったストレス解消法を見つける
- ツボを押す
- サプリメントを活用する
- 医療機関に相談する
それでは、それぞれの対策について詳しく見ていきましょう。
4-1. 食生活を整える
ホルモンのバランスを整えるには、脂質・糖質・たんぱく質といった三大栄養素をバランスよく取り入れることが重要です。
とくに、大豆製品に豊富な「イソフラボン」は、女性ホルモンであるエストロゲンに似た働きを持つため、積極的に摂ることでホルモンバランスが整いやすくなります。
また、ホルモンの安定に役立つビタミンB群や鉄分、亜鉛などが豊富な食材もおすすめです。
4-2. 睡眠の質を高める
ホルモンバランスを整えるためには、良質な睡眠が欠かせません。
睡眠の質を高めるためには、入浴で一度深部体温を上げることも効果的です。その後自然に深部体温が下がると、眠りに入りやすくなります。
夜はなるべくシャワーだけでなく、湯船に浸かって体を温めましょう。
また、スマートフォンやPCの画面から出るブルーライトには、脳を刺激する作用があるため、寝る前の使用はなるべく控えることがおすすめです。
4-3. 適度な運動習慣をつける
ウォーキングやヨガなどの軽い運動は自律神経を整えるため、ホルモンバランスの安定に効果的だとされています。
とくに、朝の時間帯に日光を浴びながら運動すると、セロトニンの分泌が促され、気分の安定にもつながります。
適度な運動でエネルギーを使うと、夜には自然な眠気が訪れるため、睡眠の質を高める働きも期待できます。
過度な運動はストレスホルモン(コルチゾール)を増やし、ホルモンバランスを乱す原因となってしまうため、無理のない範囲で継続できる運動がおすすめです。
4-4. 自分に合ったストレス解消法を見つける
ストレスを感じると、脳の「視床下部」のホルモン調整機能が低下し、女性ホルモンの分泌に影響するとされています。
ストレスをゼロにすることは難しいですが、過度にストレスが溜まらないよう、自分に合ったストレス解消法を見つけることが大切です。
ウォーキングやストレッチ、読書、アロマテラピーなど、リラックスできる時間を意識的に増やしてみましょう。
4-5. ツボを押す
東洋医学における「気・血・水」の流れを良くし、心と体のバランスを整えていくツボ押しも、ホルモンバランスの調整に効果的です。
代表的なツボには、「三陰交(さんいんこう)」や「内関(ないかん)」が挙げられます。
「三陰交」は、内くるぶしの上、指4本分ほどの位置にある、女性の不調の改善に役立つツボです。
また、「内関」は手首の内側のシワから指3本分下にあるツボで、自律神経を整えてストレスや不安を鎮める効果があります。
これらのツボを、多少痛いと感じる程度の力で、1日3〜5回押しながらマッサージしてみてください。
4-6. サプリメントを活用する
忙しい日々で食生活が乱れがちな場合は、サプリメントの活用も効果的です。
女性ホルモンのバランスを整えるには、エストロゲンに似た働きを持つイソフラボンに加え、ビタミンB群やヘム鉄といった成分を含むものも適しています。
体に必要な栄養素はバランスの取れた食事から摂取することが基本ですが、補助的にサプリメントを活用することで、ホルモンバランスが整いやすくなるでしょう。
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4-7. 医療機関に相談する
日常的に対策や工夫をしても改善が見られない場合は、医療機関へ相談する方法もあります。ホルモンバランスを整える治療法としては、漢方薬の処方や、女性ホルモンを補う「ホルモン補充療法(HRT)」などが挙げられます。
つらい症状が長引くケースや、症状の悪化が見られる場合などは、無理せず婦人科や内分泌専門の医療機関に相談しましょう。
ホルモンバランスの乱れには複合成分を配合したサプリメントがおすすめ

イライラや不安感、ほてりといった、ホルモンバランスの乱れによる症状で悩んでいる方には、漢方由来のサプリメントがおすすめです。
東洋医学の考えでは、体と心のバランスを整えることにより、不調を根本的に改善できるとされています。
女性ホルモンの乱れによって生じる症状はさまざまであり、単一成分を含む一般的なサプリメントでは根本的なケアが難しいケースもあります。
そこで効果的なのが、複数の成分を配合した漢方由来のサプリメントです。漢方由来の成分が、イライラをはじめとする「未病」の状態にアプローチし、体の自然治癒力を引き出します。
ホルモンバランスの乱れを抑えるためにサプリメントを摂取する際は、心身のバランスを整える成分を配合したものを選ぶとよいでしょう。
日々の生活習慣の工夫とあわせてサプリメントをうまく取り入れることで、不調の改善をサポートできるでしょう。
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まとめ
ホルモンバランスの乱れは、イライラや不眠、肌荒れ、疲労感などの症状を引き起こし、女性の心身の健康に大きな影響を与えます。
これらのつらい症状を改善するためには、食生活の見直しや適度な運動、睡眠の質の向上、ストレス管理などが大切です。
また、生活習慣の工夫に加えて、東洋医学の考えに基づいたサプリメントを取り入れることも、ホルモンバランスの調整に効果的です。
今回ご紹介した対処法を参考にホルモンバランスを整え、快適な日常を過ごしてください。